"俺はここを出ていきます"
彼方さんの口から出た言葉は、信じ難いものだった
真冬
そこからの会話は、声が小さくてよく聞こえなかった
ただ一つ分かったのは、この話を聞いて統率者の方が物凄く焦っていたこと
そして、彼方さんは組織を抜けてもいいと言えるほどの用事があったこと
その用事が何なのかは、分からなかった
しばらくして、彼方さんが部屋から出てきた
彼方
珍しく、かなり怒っているようだった
真冬
彼方
真冬
彼方
真冬
彼方
そういった彼方さんは、怒った様子はなく、いつもの優しい彼方さんだった
彼方
真冬
真冬
真冬
彼方
真冬
そう言葉を交わして、二人で部屋に戻る
真冬
真冬
彼方
真冬
彼方
真冬
真冬
真冬
彼方視点
真冬があの任務から帰ってきて、三日経った
真冬は寝る時、いつもあの時の夢を見てしまうようで、凄く落ち込んでいる様子だ
真冬
今だって真冬は、光の灯っていない虚な目で外を眺めている
あんなに大切にしていた赤色の柄の刀も、部屋の隅に置かれたままずっと放置している
彼方
真冬
真冬
彼方
話しかけても薄い反応しかせず、最近はまともにご飯を食べていない
一応今は仕事を休んでいるとはいえ、こんな生活をしばらく続けるようであれば俺も休んで付いててあげたいとも思う
でも、そこまで許してくれるかは分からないから、こうして仕事がない時くらいはせめて一緒にいようと思っている
彼方
彼方
彼方
真冬
俺のところに何か任務が来た時は、興味があるのか静かに近寄ってくる
こんな時でも仕事に興味が向くなんて、俺も見習いたいところだ
任務内容
我らの組織に所属していた人物が反逆を起こした。直ちにその人物を捕らえて、屋敷まで連れてくる事。
尚、生死は問わない物とする
彼方
真冬
そう言って真冬が指をさしたのは、その追われている人物の名前
彼方
真冬
彼方
そう会話を交わしながら、俺は外に出る準備をしていた
真冬
彼方
真冬
真冬
彼方
俺に自分と同じ思いをさせないと思ってのことなのだろう
真冬は小さくつぶやいた
彼方
少し安心させようと、真冬の頭に手を置いた
真冬
真冬
彼方






