ころちゃんが居なくなって数日
夜も眠れないほど怖かった
食欲も減って
おれは凄く痩せた
そんなことどうでも良かった
…君が無事なら、
約束した日曜日になっても
既読のつかない君が 来るはずもない
莉犬
…ハァ
重たい足取りでいつもの場所へ向かう
ここはおれのお気に入りの場所でもあり、
君との思い出の場所でもある
毎年春、君と空を見上げる
綺麗な桃色がおれたちを 包み込んでるみたいだった
ころん
また一緒に来ようね!
莉犬
うん!!
そう言った君は
おれを置いてどこに行ったの?
莉犬
…ころちゃ…っ、
莉犬
会いたいよ…っ
泣き虫だなぁ莉犬くんはw
遠くから聞こえる暖かい声
莉犬
ぇ…
ころん
振り返ると笑顔で手を振る君
莉犬
…っぁ
涙が止まらなくって
全身の力が抜けた
ころん
大丈夫!?
座り込むおれに駆け寄る君
冷たい風とともに運ばれる 大好きな匂い
莉犬
…ばか
莉犬
勝手に居なくならないでよ…
ころん
ごめん…
ころん
でもさ、
ころん
好きな人置いて居なくなる人なんて
ころん
この世界にいるの?
莉犬
…ぇ?
いるんだ、好きな人
…ころちゃんにも
莉犬
そう…だよね、
ころん
…この場所、好きなんだよね
莉犬
へ、へぇ…
ころちゃんも好きだったんだ…
莉犬
な、なんで好きなの?
ころん
んー…?
ころん
それはね、…
僕と一緒に桜を見上げる子が 可愛いから
莉犬
…ぇ
ころん
また来年も来ようね
莉犬
ちょ、今のって…
ころん
寒いしあったかいとこ行こー
ころん
置いていくぞー
莉犬
ま、待ってよ!
足取りの遅くなった君の隣へ向かう
ころん
寒いでしょ
おれの冷えた手を君の ポケットにしまう
寒いはずなのに何故か暑くって
心臓の音が聞こえてしまいそうだった
ポケットから君への想いが溢れないように
ぎゅっと君の手を握る
その瞬間君の顔が 赤くなったのは
寒さのせいだ
…たぶん
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