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レイ
ユウト
レイがスッと白いキャンバスを出す。 その隣には、パレット……いや、違う。そこにあるのは絵の具ではなかった。 小さなメス、注射器、針、そして透明な瓶に入った自分の“血”。
レイ
ユウト
レイ
レイはユウトの腕をとり、 躊躇なく針を深く刺し、血を抽出してパレットに落とす。 ポタ…ポタ… 濃い赤が白い皿に広がる。
レイ
手渡された筆は、細く尖っていた。 持つ手は震え、力が入らない。
レイ
注射器の中身をユウトの前腕に打ち込む。 痛みと痺れ、そして筋肉がピクピクと動き出す。
ユウト
筆が走る。 わけのわからない形、滲む赤。 これは“絵”なのか、“絶叫”なのか。 キャンバスは、じわじわと血に染まっていく。
レイ
そして最後にレイは自分の指を切って その血をユウトの“作品”に一滴、垂らす。
レイ
ユウト
レイ
ユウトは血まみれの指で、 キャンバスの片隅に震える手で文字を書いた。
「ごめんなさい」
レイ