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にこいち だぁ!!!雷怖いのむっちゃ分かる!! さっくん、かっこよすぎてる。

いつもふざけるさっくんがこういう真剣な時になってる時めちゃ好き
山の空気は、朝のうちは澄んでいた。 「それスノ」のロケで訪れた山は、夏の終わりの匂いがして、足元には茸がぽつぽつ顔を出している。
スタッフ
スタッフの声に、岩本照は静かに頷いた。
表情はいつも通り落ち着いているように見えたが、実は空気を何度も気にしていた。さっきから、雲の色が少しずつ変わっている。白だった雲に、灰色が混じり始めていた。
岩本
雷。 それは、岩本にとってただの自然現象じゃない。
幼い頃から、雷の音と光は体を縛りつけるものだった。 頭で「大丈夫」と言い聞かせても、体が先に反応してしまう。
茸本さん
茸本さんの明るい声に、岩本は無理に口角を上げた。
その時だった。
⸺ゴロ……。
遠くで、低く鈍い音がした。 雷の前触れの、あの音。
岩本の肩が、ぴくっと跳ねた。
……今の、聞こえました?
誰かが言ったが、岩本の耳にはそれ以上の音が入り込んでこなかった。
胸の奥が、急にぎゅっと縮む。 息を吸おうとするのに、空気がうまく入らない。
岩本
そう思うとした瞬間⸺
⸺バリッ!!
空を引き裂くような閃光と、はっきりした雷鳴が山に響いた。
岩本
岩本は思わずしゃがみ込んだ。 視界が狭くなり、耳鳴りがする。
息が、浅く早くなる。 吸っているつもりなのに、苦しい。
スタッフ
スタッフが気づいて声をかける。
岩本
そう言おうとしたのに、言葉が途切れた。
はぁ、はぁ、と呼吸だけが先走る。 視線が冷たくなり、体が震えだす。
過呼吸っぽい!
誰かが叫び、現場が一気に慌ただしくなった。
岩本は地面に座らされ、背中を支えられる。 でも、雷の音がまた遠くで鳴るたび、体が強張った。
岩本
その時。
??
聞き慣れた、少し高めの声が山道の向こうから飛んできた。
岩本
佐久間大介が、息を切らしながら駆け寄ってきた。 本来は別企画⸺珍しい動物を探すポケマル企画で、少し離れた山にいるはずだった。
佐久間
佐久間は迷わず岩本の前にしゃがみ込んだ。
佐久間
佐久間は、岩本の視線に入る位置に手を置き、ゆっくり話しかける。
佐久間
岩本の呼吸はまだ乱れているが、佐久間の声が少しずつ意識を引き戻す。
佐久間
一緒にやろ。吸って……止めて……吐く
佐久間は、自分の呼吸をわざと大きく、わかりやすく見せた。
佐久間
岩本の胸が、少しだけ上下する。 まだ苦しいけれど、さっきよりは確かに違う。
⸺ゴロ……。
また雷の音がした瞬間、岩本の肩が強張る。
佐久間
佐久間は即座に言った。
佐久間
佐久間
その言葉に、岩本は小さくうなずいた。
数分後、呼吸はだいぶ落ち着いた。 佐久間は岩本の手から、そっと力が抜けたのを感じる。
岩本
岩本がかすれた声で言う。
佐久間
佐久間は首をかしげた。
岩本
佐久間
佐久間は即答した。
佐久間
雷はまだ遠くで鳴っていたが、さっきほど怖くはなかった。 佐久間が目の前にいる、それだけで。
佐久間
岩本は、ふっと小さく笑った。
岩本
佐久間
佐久間はいつもの笑顔で立ち上がる。
佐久間
下山中の山の中、雷の音はまだ続いていた。それでも岩本は、もう一人で耐える必要はなかった。
仲間が、すぐそばにいたから。
もんちっち
もんちっち
もんちっち