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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

墓は何時振りだろうか

というか来た事なんて 有っただろうか

そう思考を回し 目的地へと歩く 。

「 岸崎 芭那 」

其の名前は僕の視界を 歪ませそうだった 。

特に綺麗な花束を 用意している訳でも無く 、

近くに咲いていた朱い華を採る 。

ふと 、其の華の 逸話を思い出す

昔人が亡くなり 、 血を流した場所は彼岸花だと 。

だから彼岸花は朱いのだと 。

確かに君は此処で消えた

だから此の朱さは君の血なのだ 。

採りたての朱い華は きっと君をまだ生かしている

僕が記憶している限り 、 君の死はまだ来ない

此の華が朽ちない限り 、 君はまだ死なない

死ねない

願って消えた筈の君は

存在を消せなく 、 誰かの記憶の中で生きている 。

誰よりも悲しむ君の両親

生き甲斐だった親友

瞳に映した教師

美しく残り続けるカメラ

静かに想いを馳せた僕

其れ以外にも多くが君を遺す 。

でも僕だって 君に消えて欲しいのだ

君の所為で苦しさを 知ってしまったから 。

ずっとずっと消えてほしかった

だから君の言われた通り消した 。

殺した

君だって消えたいと

願っていたのでしょう?

此れが僕が君に渡す 、 ハジメテの贈り物

そして此の華は君に渡す サイゴの贈り物

けれど其の贈り物達は どうしても

憎らしい

消えて欲しい人に渡す 贈り物なんて要らないのに

嬉しくなる自分がいる 。

其れが嫌だ

消えた筈の君が また其処にいるようで

また殺したくなる

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