テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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夢々、君へ揺れ

第46話 - 夢、告げられず

280

2024年04月01日

#一次創作

#ファンタジー

#夢

#理想

#運命

#青春恋愛

四阿朧

十和

芽生、シフトお疲れ

芽生

うん…疲れた…

十和

…あれ、雨莉は？

芽生

雨莉ちゃんは唯兎くんがシフトの間だけセンくんと回るって

芽生

っていうか私が行ってきなって言っちゃった

十和

あ、そうなんだ、いいんじゃない？

十和

…ていうか来ていいんだ

芽生

ね、事務所とかに怒られないのかな

十和

さあ？まあ良かったね

十和

あの人って…そんな感じなんだね、雨莉がすごいのか？

芽生

そうかもね

芽生

えっとじゃあ…2人で回る？

十和

まあ…俺ら2人じゃ文化祭に合わないけど

芽生

まあね、そゆのあんま分かんないし

十和

…あ、じゃあ、えっとさ

芽生

？

十和

さっき言ってたの…芽生の時間、今、いい？

芽生

あ、うん

芽生

なんでこんなとこまで来たの？

十和

誰もいない方がいいかなって

十和

…さっきここ見に来たときもうみんな出て行こうとしてたから

芽生

ああ…クローバーのやつ？

十和

そう、あれ、芽生来たの？

芽生

さっきね、新しいの作ってくれた

十和

あ

芽生

え？

十和

それ芽生だったんだ

芽生

うん？

十和

えっと………あった、これ

芽生

あ！

出して来たのは71と書いたクローバー

芽生

私もそれ…同じの持ってるよ

芽生

あと雨莉ちゃんも

十和

みんなが集まるまでここで寝てようと思ったんだけどなんかいたんだよね

十和

それでもらっといただけなんだけど、まあ結果的に良かったかな

芽生

そうだね

十和

…うん、なんかいーね、同じ葉っぱ

芽生

うん

十和の目尻が優しく下がる

芽生

唯兎くんも持ってたりしないかな

十和

あるんじゃない？なんかほら、唯兎なら持ってそう

芽生

あはは、てきとー笑

芽生

でもなんかわかる、唯兎くんなら…持ってそう

十和

…

芽生

？何？十和

十和

芽生は、唯兎のこと好き？

芽生

えっと…？好きだよ、唯兎くんも雨莉ちゃんも、十和も

十和

違くて

芽生

…

芽生

分かんないよ、そういう、好きかは

芽生

…でも、信じたいと思う人で、信じられる人、かな

十和

とは？

芽生

…私、本当はね

芽生

あんな世界、信じられるほど夢見れる子じゃなくて

十和

うん

芽生

なんていうか、信じてないけど信じたくて…信じてるふり、してた

十和

うん？

芽生

…私は、私のことも、私のいる世界も信じられなかったけど

芽生

…唯兎くんがいつも、自信満々に私の横にいてくれるから

芽生

守ってくれて、笑わせてくれて、支えてくれて…

芽生

唯兎くんだったから、夢を見れて…信じてみようと思えたの、ただの夢でも。

十和

…

芽生

現実世界でも、私とは違って、逃げずに、真っ直ぐ私と関わってくれる唯兎くんを見てたら

芽生

分かんないけど、もっといろんなことを信じてやってみたいなって思えるの

十和

…そっか

十和

…俺と芽生は楽になれる存在だったね

芽生

ん？もう1つの世界の話？

十和

うん、まあ…きっとここでも

十和

…唯兎は本当に…ただの運だけじゃなくて、ちゃんと自分で全部手にしてる

十和

唯兎がいて初めて芽生は、ふつうでキラキラした幸せを得られた

十和

…やっぱ俺じゃ、敵わないな

芽生

…ん？

十和

ううん、こっちの話

十和

芽生は…唯兎のこと、きっともうずっと、好きなんだね

芽生

…

十和

顔見たら分かるよ

十和

芽生は自分の価値観とか、現実的なところのせいで一歩引いてるだけで

十和

ほんとはずっと唯兎の見せてくれる夢をもう、信じてる

十和

好きって言いたくてたまんないんだ

芽生

…そう、かなぁ

十和

…怖がるの、やめてみたら？

十和

分かったでしょ、昨日で…自分の望みを口にしたって誰も怒ったりしない

芽生

…

芽生

十和の…伝えたいことは、なんだったの？

十和

…俺は……

十和

芽生に、ありがとうって

芽生

なんで？

十和

俺は人に興味なかったし、関わり合って分かり合えることもないと思ってた

十和

でも、芽生と出逢って、こんな人もいるんだって知って

十和

全然性格の違う芽生と雨莉、芽生と唯兎とかが仲良くなれることも教えてもらって

十和

好きだから、こうやって、違っても関わり合いたくなるんだって分かった

十和

だから…ありがとう

十和

俺と出逢ってくれて…俺と友達になってくれて

十和

それから、唯兎と雨莉と友達になれたことも

芽生

それは私のおかげじゃないよ、買い被りすぎ

十和

…雨莉と唯兎にももちろん感謝してるけど

十和

芽生と友達にならなかったら、2人とも分かりあうことを諦めてたと思う

十和

こんなに、簡単で幸せなことなのに…だから感謝してるんだ

芽生

…分かんないけど、それなら、まあ、うん…分かった

十和

…うん、だから、さ

十和

…芽生は、幸せになってね、俺の分も全部

芽生

…それは頑張る、けど

芽生

十和は十和の分を、幸せになってね。

夢々、君へ揺れ

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やっぱりそっちか〜……💦十和くんにとって芽生さんは大切な人。芽生さんのおかげで唯兎くんや雨莉ちゃんとも仲良くなれて今まで以上に広い世界を見ることが出来た。だからこそ気持ちを伝えたかったはず…なのに自分の気持ちを押し殺して芽生さんの幸せを願った……辛すぎる……😭😭 十和くんも唯兎くんも芽生さんの幸せを願ってるっていうのが芽生さんのことを本っ当に大切に思っているんだな、っていうのが

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