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瀬名 紫陽花
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柔らかな陽光が指す。
少し古びた校舎には、人の気配がない。
ただ静寂が包む空間に、何かが近づいていた。
ダダダ_!!
階段を駆け登る音。
少年少女が階段を駆け上がっていく。
上に消えていく足音。
それをかき消すように、鋭く甲高い切削音のような足音が猛スピードで駆け上がっていった。
『グルアアッ!!!』
その生物は、ほぼ犬。
しかし目元には、皮膚を裂き這い出た太い血管がツタの様に伸びている。
その虚ろな目は真っ赤で、血涙まで流しているようだ。
変異犬が牙を剥き出しにし、確実に距離を詰めていく。
ついには大きく跳び上がり、少年の踵辺りに食いつこうとした。
声とともに、少年の身体が一気に階段を上がり、踊り場へ放り出される。
セツ
間一髪で少年は助かった。
しかし少女は、少年を放り投げた勢い体勢を崩す。
背ががら空きだ。
『グルァアアアッ!!!』
セツ
セツ
グサッ!!
『キャン!!!』
上の階層から、二人と変わらない年の少年が飛び降りて来る。
少年の手にあった錆びたナイフは、変異犬の後頭部を易易と貫通した。
グチィ……ズシャッ_!!
セツ
コテツ
コテツ
ソノ
セツ
ミヤミ
所々 側が破れたボールが入る程度のバックから、大量の缶詰を取り出した。
ミヤミ
セツ
続いてセツも、同じくらいのバックから2Lボトルの飲料水をどんどん取り出した。
ソノ
コテツ
ミヤミ
ミヤミ
セツ
セツ
ソノ
ソノ
セツ
再びバックを漁りだし、小さな鉄の棒を取り出した。乾電池だ。
ソノ
すかさずそれを掠め取った少女はメガネをかけ直し、部屋の外へ飛び出した。
ミヤミ
コテツ
セツ
コテツ
ソノ
ソノ
ミヤミ
ソノ
セツ
ソノ
コテツ
ソノ
ソノ
ソノが指したオレンジのコードは何重にも巻かれていて、そこそこ太い。
ミヤミ
しかしミヤミは軽々と担ぎ上げ、ドアの上にひょいと登った。
屋上。 ここは街全体を見下ろせるいい場所だ。
しかしお世辞にも、景色がいいとは言えない。
崩れた建物に、割れた道路。
少し離れた所々で、野生動物や変な生き物が蠢いている。
人っ子一人もいない。
のに、それでも風は涼しく吹いている。
少し乱暴な日の光が、夏の到来を静かに示していた。
ミヤミ
ソノ
ソノ
コテツ
セツ
ソノ
ミヤミ
ソノ
……パチッ
小さく電荷が流れ出る。
刹那、眩く散った閃光が柔らかな陽光に絆されていく。
コテツ
セツ
……ザ"ザ"ザ"
ソノ
その瞬間、ラジオから濃いノイズが走り始める。
ミヤミにも聞こえるほど低音で、嵐のような音だった。
ソノ
コテツ
リリリリ…
ソノ
コテツ
ソノ
コテツ
コテツ
セツ
コテツとは違い、セツは丁寧に慎重にダイヤルを回していく。
時折ノイズが薄れたり、ぶつ切りになったりするが、音声という音声はいつまでたっても現れない。
ミヤミ
ソノ
セツ
セツ
ミヤミ
コテツ
ソノ
セツ
……ザ"ザ"……ザ
……_す_…ザ…
コテツ
ソノ
セツ
……ザ"ザ"_ザ"ザザ_繰りか…__
ザ……_えす、繰り返す_…"…
…"_こちら緊急事案実働部隊…す…_…
……ザ生存者の皆さん_
…_我々_現在、お"きな展示館にて防_線を張っ"てお_ます"…_……
…_この信号を"受信し_方は、ポイントにて_…助が可能です_…"…
…"_希望を捨てずにザザ"__人命を最優先_てくだ"さ"い__……
_……"また動物や様子の_か""しい人間には近寄らず、直…にその場を離れ_
_…_直ちに命を_守る行動を…__
…__"感染"…を_
ソノ
コテツ
セツ
ミヤミ
セツ
コテツ
コテツ
コテツ
ソノ
ミヤミ
セツ
コテツ
コテツ
ミヤミ
ミヤミ
ミヤミ
セツ
ソノ
コメント
1件
第1話、読ませていただきました!冒頭の変異犬との追走劇、すごく緊迫感があって一気に引き込まれました。コテツが飛び降りてナイフで仕留めるシーン、かっこよかったです…!4人の掛け合いも自然で、特にソノの自信たっぷりな口調とセツのツッコミがいい味出してますね。ラジオから「感染」という言葉が流れてきたところで世界観が一気に広がった気がしました。続きがすごく気になります!