TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

もしも、叶うなら。

一覧ページ

「もしも、叶うなら。」のメインビジュアル

もしも、叶うなら。

3 - 苺のショートケーキ

♥

621

2021年12月10日

シェアするシェアする
報告する

注意事項は前回同様です

ハート下さったり コメント下さったみなさん 本当にありがとうございます!!

こんな下手くそな物語でも 読んでくださって嬉しい限りです

良ければ、3話も 読んで見てください!!

では、どーぞ!!

次の日の朝

るくん

おはよ、りいぬ

りくん

ごめん、そこの踏切全然あかなくて...

申し訳なさそうな顔をして 走ってくるりいぬは 男の子と思えない程可愛かった

るくん

大丈夫だよ!!
僕も今来たところ

りくん

ほんとに??

るくん

うん!!

るくん

ていうか、昨日の夜ねショートケーキお母さんが買ってきてくれてね〜

りくん

え、いいなぁ!!

たわいもない会話をして 僕らは学校に向かった

学校に着き、上履きに履き替え 1年生の僕らは最上階まで 階段を登る

さ先輩

おい、りーぬ!!

さ先輩

おはよ!!

りくん

え!?
さ、さとみ先輩...!!

急に背の高く顔の整った 男の人がりいぬの肩を組む

上履きの色から3年生 だということが分かる

さ先輩

あ、りいぬの友達??
もしかしてるぅとくん??

るくん

は、はい...

さ先輩

俺、さとみ!!
よろしくな!!

りくん

ちょっと、るぅちゃん恥ずかしがり屋さんだから、あんまりがっつかないで下さい

さ先輩

えぇ〜!!絶対モテそうなのに

るくん

いや、そんなこと...

りくん

もう!!
るぅちゃん困ってるじゃん

さ先輩

ごめん、ごめん!!笑

僕が戸惑っていると 上から3年生の担任のジェル先生が 階段を降りてきた

ジ先生

あ、さとみ!!
昨日掃除しないで帰ったやろ!!

さ先輩

やっべ、見つかった

ジ先生

はぁ...
今日は絶対帰らせへんからな!!笑

さ先輩

はーい😒

さとみ先輩は気だるそうに 返事をした後、ジェル先生に 職員室へ連れていかれた

りくん

るぅちゃんびっくりしたよね
ごめんね笑

るくん

ううん、大丈夫だよ

りくん

...でも会えるなんて
思ってなかっなぁ((ボソッ

りいぬは嬉しそうに呟いた

おまけに鼻歌なんか歌って 僕と手を繋ぎ腕を振っている

るくん

りいぬの方がわかりやすいよ笑

ついつい口から本音が零れてしまった

りくん

え!?
これは、違くて...

明らかに動揺していて 僕は笑った

るくん

もしかして、りいぬってさ...

るくん

さとみ先輩のこと...

僕が言いかけたところで また1人、目の前に先生が現れた

りくん

あ、ころん先生おはよ!!

りいぬは誤魔化すように 元気に挨拶をしている

ころん先生

あ、りいぬくんとるぅとくん!!

ころん先生

おはよう☺️

今日もいつもの太陽みたいな 笑顔で挨拶をしてくる

ドキドキして上手く話せない

るくん

...お、おはよ...うございま...

生徒

あ、ころん先生だぁ!!

生徒

おはよぉ!!

僕の声はすぐにかき消されてしまう

ころん先生

おはよ!!
って髪染めただろ〜

ころん先生

可愛いけど、卒業するまでは
黒髪で我慢してよ〜

生徒

えぇ〜!!
先生が言うなら戻す!!

ころん先生

よし、えらい!!

そう言って女の子の 頭を撫でる

さっきまでドキドキと脈打っていた 僕の心臓はズキズキと痛みに 変わっていった

僕は階段を駆け上がり 教室に向かった

りくん

るぅちゃん...
やっぱり足速いね笑

周りが見えなくなって りいぬを置き去りに してしまっていた

るくん

ごめん!!
宿題やってないの思い出して笑

分かりやすい嘘をついたが りいぬには通用するはずもなかった

りくん

やっぱり...笑

りくん

るぅちゃんは多分...

りくん

ころん先生のことが...

キーンコーンカーンコーン

りいぬがなにか言いかけたところで チャイムが鳴り ななもり先生が教室に入ってきた

なな先生

みんなおはよ!!

なな先生

お、今日は遅刻ゼロじゃん!!

なな先生

みんなほんとにえらいよ〜
今日も寒かったのによく頑張ったね

相変わらずななもり先生は 優しくて朝からみんなを元気づけている

なな先生

出席確認のこの紙出てない人は
明日までだからよろしくね〜

HRが終わり、 1時間目の教科を確認する

るくん

げっ...

るくん

数学かぁ

僕が今1番受けたくない授業

いつもなら嬉しいのに

るくん

りいぬ、ちょっと保健室行ってくるから先生に伝えといて欲しい

りくん

わかった!!ゆっくり休んで

僕は授業準備をやめて 保健室に向かった

お腹が痛いという適当な 理由をつけて僕はベッドに 横になった

るくん

バカみたい...グス

1人になった瞬間 涙が溢れ出した

ガラガラッ

突然保健室の扉が開く音がして ドタバタと足音がする

その足音は徐々に近づいてきて

ジャッ

目の前のカーテンが 勢いよくあいた

ころん先生

大丈夫??

ころん先生

体調悪いって聞いて...はぁはぁ

息遣いが荒く 走ってきたことが伝わる

るくん

だ、大丈夫です

ころん先生

ほんとに??
無理してるでしょ

僕は首を横に振る

ころん先生

じゃあ、どうして泣いてるの...??

先生は自分の服の袖で 僕の涙を拭った

ころん先生

ハンカチ忘れちゃった笑

にこっと笑って 僕の隣に腰掛けた

るくん

先生、授業は??

ころん先生

るぅとくんのクラスは授業進むスピード早いから自習にしちゃった

るくん

え!?授業放棄してここに来たんですか??

僕は驚いて、大きな声を出してしまった

ころん先生

授業放棄だなんて、言い方悪いなぁ笑

ころん先生

でもね、るぅとくん

少し真面目な顔をして 僕の方を向く

ころん先生

勉強よりも大事なことって
沢山あるんだよ

るくん

それ、先生が言うセリフですか??

ころん先生

あはは笑
確かにそうだね笑

ころん先生

じゃあ、道徳の授業だと思って聞いて

るくん

...なんですか

ころん先生

伝えたいことは口にしてもいいんだよ

ころん先生

思ったことをなんでも口にするのは、確かに誰かを傷つけるかもしれない

ころん先生

でも、伝えたいことを我慢すると
自分を傷つける時がある

ころん先生

思ったことを口にするのと伝えたいことを口にすることは全く別のものだと僕は思うんだよね

伝えたいこと

僕が我慢して言えなかったこと

るくん

僕は...

ころん先生

先生は...

同時に口を開いた

ころん先生

あはは笑
気が合うね笑

先生は笑いながら僕に 問いかけた

ころん先生

るぅとくんは何を話そうとしたの??

るくん

...えーと

頭の中で言葉をまとめる

一語一語言葉を選んで

るくん

僕は

朝、先生と女の子が仲良さそうにしているのを見た時にあの場から離れたのは

先生にも大事な人が 沢山いるって分かったから

僕は先生に近づきたい

だけど、僕のせいで先生が 誰かに嫌われたり傷つけられるのが

怖くて、近づけない

正直浮かれていた こんな僕だけど関わっても いいんじゃないかって

だけど、違った

あの女の子は僕の方を 少し見て睨んできた

るくん

先生を傷つけたくないんです

ころん先生

僕は傷ついてなんかないよ??

るくん

やっぱり僕は1人でいるべきなんです

るくん

1人がお似合いなんです

大事な人を守りたいから 僕は1人でいるべきなんだ

りいぬだって僕のせいで 悪口を言われていたのを 何度も聞いた

自分が言われるよりも 何倍も傷ついた

その度にりいぬから離れようとしたけど りいぬは僕のそばを離れなかった

生徒

ねぇ、るぅとまだ学校来てるんだけど笑

生徒

目障りだよね〜笑笑

生徒

てか、一緒にいるりいぬってやつもキモくない??

生徒

わかる〜!!笑笑

名前も覚えていないクラスメイトの 2人は僕に聞こえるように 大きな声で話していた

るくん

あの、りいぬのことは
悪く言わないでください!!

我慢できず、2人に向かって 僕なりのせめてもの反抗をした

生徒

え、喋ったんだけど〜笑笑

生徒

さっさと行こっ笑笑

2人は僕の話など全く聞かず 教室を出た

悔しくて悲しくてたまらなかった

こんなに大切な人を悪く 言われることが辛いなんて

何も出来ない自分が惨めで

情けなかった

りくん

あ、るぅちゃーん

りくん

おまたせっ

日直の仕事を終わらせ りいぬが教室に戻ってきた

るくん

もう一緒にいたくない

るくん

ずっと思ってたんだけど、
迷惑なんだよね

るくん

もう近寄ってこないで

僕はわざとりいぬを 突き放した

僕から離れてもらうためには 僕を嫌いになってもらうしか 方法はないと思った

りいぬの顔は見れなかった

どんな顔をしているだろう

怒っているのか、 悲しんでいるのか、 僕は想像することも辛くて出来なかった

しかし、りいぬは 僕の言葉とは裏腹に、

りくん

るぅちゃん、ごめんね

りくん

言いたくないこと言わせちゃったね

ぎゅっ

そう言って僕を強く抱きしめた

りくん

るぅちゃんがそんなこと
言うはずないの分かってるよ

りくん

全部お見通しだからね!!笑

僕は涙が止まらなかった

こんなにも優しい人を 僕自身が傷つけていることが やるせなかった

ころん先生と関わったら ころん先生も同じ羽目になる

考えるだけで胸が苦しくなる

だから

るくん

だから、僕に関わらないで下さい

それが僕に出来る ころん先生を守る最善策だ

ころん先生

じゃあ、僕もるぅとくんに言いたいことがある

るくん

...なんですか

ころん先生

僕はるぅとくんをもっと知りたい

るくん

話聞いてましたか??

ころん先生

るぅとくんは優しい

ころん先生

周りの人を大切にできるのは
ほんとにすごいことだよ

ころん先生

でもね、自分がやりたいこと、大好きなこと、大切なものは周りがなんと言おうと曲げちゃいけない

ころん先生

周りに左右されていたら、いつか自分を見失ってしまう

ころん先生

だから、自分の心に正直になって

るくん

自分を見失う...??

ころん先生

そう、本当に自分が好きなものが、大事なものがなくなっちゃうよ??

りいぬもころん先生も いなくなっちゃうなんて嫌だ

るくん

...そんなの嫌だ((ボソ

ころん先生

そう!!今みたいに嫌なことは嫌って言っていいんだよ

ころん先生

るぅとくんはるぅとくんでいいの

今まで僕なんかが 生きていてもいいのか悩んでいた

でもほんの少しだけ自分の存在を 自分で認めてあげられた気がした

ころん先生

だから、僕はるぅとくんといたい

ころん先生

僕が誰といるかは僕が決める

ころん先生

誰かになんて言われようと
そんなの関係ない

ころん先生

りいぬくんだって同じだよ

るくん

りいぬ??

ころん先生

そう、りいぬくんはるぅとくんが可哀想だから一緒にいるんじゃないと思うよ

ころん先生

るぅとくんが好きだから、
るぅとくんといたいと思うから

ころん先生

そばにいるんだよ

るくん

そう...なのかな??

ころん先生

今度聞いてみな!!
絶対そうだから!!

自信満々に言いきった後、 先生は大事なことを思い出したかのように 僕に告げた

ころん先生

そう言えばさ、るぅとくんはショートケーキの苺最後に食べる派??

るくん

えっ??

急に関係ない話をされて 僕は驚いて少し考えた

るくん

僕は最後に残す派です

ころん先生

お、やっぱり気が合う!!
僕もそうなんだ〜

この質問が何を意味するのか さっぱり分からなかった

僕が少し考えていると 先生は恥ずかしげに口を開いた

ころん先生

今日の朝、階段で会った時さ
るぅとくんのクラスメイトの
女の子と話してる時にるぅとくん
いなくなっちゃったじゃん??

ころん先生

僕、るぅとくんと話せるの楽しみにしてて最後にとっておいたんだけど...

るくん

どういう意味ですか...??

ころん先生

るぅとくんは僕にとって
ショートケーキの苺なの!!

るくん

え、??

僕の頭じゃ到底理解出来なそうだった

数学の問題の方がまだ解ける

ころん先生

もぅ〜、るぅとくんって鈍感!!

ほっぺを膨らまして 不貞腐れている先生の横で 僕はずっと頭を抱え悩んでいた

ころん先生

しょうがないなぁ...笑

ちゅっ

先生はいたずらげに笑って 僕の頭にキスをした

るくん

へ!?

僕はますます混乱して 頭がパンクしそうだった

ころん先生

るぅとくんは特別なの

るくん

特別...ですか??

僕が聞き返すと先生は 顔を真っ赤にして手で顔を隠した

ころん先生

恥ずかしいからもう
授業戻ります!!

僕は逃げるようにベッドから 立ち上がった先生の腕を引っ張り

ちゅっ

お返しのキスをほっぺにした

るくん

僕も先生が特別です

ころん先生

え!?
るぅとくんから!?

先生は苺のように 顔を赤らめている

るくん

だって先生が伝えたいことは
伝えなさいって言うから笑

ころん先生

いや、そ、そうなんだけど...

先生は急に俯いて そっと僕に話しかける

ころん先生

こういうことは、簡単にしちゃダメだからね

るくん

先生にしかしませんよ

そう言うと不安げな表情が 一気に満天の笑顔に変わる

可愛くってつい 笑みがこぼれる

ころん先生

ほんとにるぅとくんの
笑った顔可愛い〜!!

るくん

はいはい、じゃあ授業に戻って下さい

ころん先生

え、急に冷たい!!

るくん

朝だって女の子にも可愛いって言ってたし

るくん

頭とかも撫でてたし...😒

ころん先生

あ、もしかしてヤキモチ妬いてくれたの??

るくん

ち、違います!!

ころん先生

あの子可愛いって言わないとずっとついてくるから、どうしてもるぅとくんと早く話したくて

ころん先生

軽くあしらってたつもりなんだけど...

るくん

ふーーーーん

ころん先生

もうしない!!絶対!!

ころん先生

るぅとくんにしかしない!!

先生は必死に僕に しがみついてくる

るくん

ふふっ笑笑

るくん

必死すぎです笑笑

笑いを堪えきれず 吹き出してしまった

ころん先生

だって、るぅとくんのことっ

ころん先生は何か言いかけて ハッと我に返ったように黙る

ころん先生

危ない、言いそうになった((ボソ

るくん

僕がなんですか??

ころん先生

ううん!!なんでもない!!

るくん

えー、気になります!!

僕は先生を問い詰めると

ころん先生

卒業式の日にちゃんと言うから

と、真面目に答えた

るくん

卒業式??

ころん先生

うん!!
じゃあ、本当にそろそろ戻るよ

ころん先生

るぅとくんは休んでる??

るくん

あ、はい!!

先生はじゃあね、と笑顔で 手を振って教室に戻って行った

僕はさっきまでのことを思い出して 高鳴る胸を必死に抑えていた

僕の甘酸っぱい青春が 始まろうとしている

もしも、叶うなら。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

621

コメント

12

ユーザー

フォロ失です!

ユーザー

えっこれ続きあります!!???? ありますか?マジ見たい

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚