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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

母親

あんたがいなければ!!

お母さんに罵声を浴びせられ、 暴力を振るわれる

いつもの、ボクの日常

お父さんはいない。 数年前、病気で死んだ

お母さんは専業主婦で、お父さんが 死んでも、一向に働こうとしない

だから、うちは貧乏

借金だらけなのも知ってる。 その原因が、ボクなのも知ってる

それで、いつも怒られるんだ

ボクがいるから。 食費が倍かかるし、学費もかかる

ボクがいて良いことなんて、 何一つ無い

母親

お前なんか出ていけ!!

あぁ、今日は外に放り出される日だ

バタンッ

大きなドアの音と共に、 外に閉め出される

夏だから、太陽の光が熱い。眩しい

雲ひとつなく晴れているから、尚更だ

このままじゃ、暑くて倒れちゃう

せめて、日陰に入ろう

玄関のドアを離れて、涼しい場所を 探して、家の周りを彷徨いた

……ダメだ、どこも暑そう

ボク

(本当はダメだけど……)

今日は一段と暑いし、仕方ない

そう思って、涼しい場所を探す ために、家を離れて道を歩いた

ボクが外を歩けるのは、登下校の時 だけで、他はずっと家にいる

だからボクは、家と学校しか知らない

外の世界を知らなかった

ボク

(日陰、日陰……)

ボク

(……あっ)

道を歩きながら、ふと思い出す

そういえば、学校へ行く道の途中に、 児童公園があったような

そこなら、木もたくさん生えてるし、 きっと涼しいよね

いつもの道を歩いて、 すぐにその公園を見つける

それから、普段なら近づきもしない 入り口に踏み入った

……少し奥まで進んで、気づく

???

……

木でできた日陰の中に、 女の子が座っていた

よく見ると、ボクと年が近そうだ。 いや、同じくらいかな

とにかく今は暑いし、 その子の近くの日陰に入ろう

???

……こんにちは

ボク

えっ、あ……こ、こんにちは……

突然女の子に挨拶をされて、 びっくりする

反射的に、ボクも挨拶を返していた

???

君は、なんでここにいるの?

ボク

あ、暑い、から……

日陰は涼しいけど、ジメジメとした 夏の湿気で、やっぱり暑さは感じる

???

お家は? ここより涼しいでしょ

ボク

え、っと……

家を閉め出された、 なんて言えないよね……

???

……?

???

……私もね、暑いからここに来たんだ

ボクが答えに迷っていると、 それに気づいたのか、女の子が 話を続けてくれた

???

それに、私が家にいたら、パパ達の邪魔になるし

パパ達の邪魔……?

ボク

そう、なんだ……

気になるけど、 きっと聞いてはいけないこと

子どもだけど、それくらいは分かる

それに、ボクのことも 聞かないでくれたんだから

???

……もしかして、君も私と同じなの?

ボク

えっ?

ボクは、君と同じ……?

ボク

えっと……うん。同じ感じ、かな……

たしかにボクも、お母さんの 邪魔になっている

君と同じだ

???

そっか

短い返事をされて、 そのまま沈黙が流れる

???

私ね、いつか世界の色んなところに行ってみたいんだ

沈黙に耐えかねたのか、 女の子がまた話し始めた

???

あんな家から離れて、自由に旅して、私の知らない世界を知りたいの

家を離れて、自由に……

旅をしているこの子を 想像してみると、それだけで、 ボクも少しワクワクした

何だか、すごく楽しそうだ

???

ねぇ、君はこの世界のこと、何か知ってる?

ボク

う、ううん。家と学校しか知らない……

???

じゃあ、一緒に行こうよ

ボク

えっ?

一緒にって……ボクも?

???

私と君の2人でね、知らない世界に飛び出して、旅をするの。きっと楽しいよ!

ボク

っ……!

さっき想像した君だけの世界に、 ボクの存在が付け足されていく

2人で、知らない世界を あちこち飛び回って、旅をして……

ボク

……うん、行ってみたい

???

決まり! じゃあ早く行こう!

ボク

え、今から?

???

うんっ! ほら、立って!

突然立ち上がった君に、 早く行こうと促される

ボクも立ち上がると、君が手を繋いで きて、暗い日陰から引っ張り出された

ボク

わっ……!

急に明るくなった視界に驚いて、 思わず目を細める

少し慣れてきて、目を開けた

ボク

っ──!!

その世界は、いつもよりずっと 眩しくて、初めて見る君の笑顔を、 キラキラと照らし出していた

君のことは、何も知らない

名前も、歳も、 どこに住んでいるのかも、何も

この世界のことだって、何も知らない

でも、だからこそ

そんな何も知らない世界に、 何も知らない君と──

──どこまでも、 行ける気がしたんだ

かえで

かえでです

かえで

今日からまた不定期投稿で、

かえで

AtRの、『快晴のバスに乗る』の曲パロを書いていきます

かえで

私、朝登校するときよくこの曲を聞いてるんですけど、このストーリーがどうにも頭の中でぐるぐるしてて……

かえで

「せっかくだから、しっかり自分なりに考察立てて、曲パロ小説書こう!」と思いついて、

かえで

また徹夜してまで考察して、←(バカ)

かえで

「え、めっちゃいい感じじゃない…!?」ってなって、

かえで

「せっかくだから投稿もしよう!」と思いついて、今に至りますw

かえで

もしかしたら結構早く終わるかもしれないし、普通にまぁまぁ続くかもしれないです

かえで

今回はいつもと違って、キャラ説明的なのは特にしません

かえで

“ボク”という子と“君”という子の話だと思ってください

かえで

というわけで、これからまた連載スタートです!

かえで

よければハートとコメントよろしくお願いします!

かえで

おつえで!
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