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ー推しが私の“担当”になりましたー

第9話 - 推しが私の“担当”になりました青の別れE.1

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2022年09月06日

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#SnowMan

#snowman妄想物語

和泉舞白

青の別れ

E.1

瀬戸内菜美

深澤くん？

瀬戸内菜美

手、止まってるけどどうしたんですか？

私が深澤くんに出してもらった問題を全て解き終えて深澤くんに声をかけようとした時

深澤くんは10分以上手が止まったままだった

深澤辰哉

え？あ、あぁ

深澤辰哉

なんでもないよ

深澤辰哉

できた？

瀬戸内菜美

できました

深澤くんに問題を解いたノートを見せる

白く細く長い指が赤いペンを取る

そして問題番号に丸がついて行く

深澤辰哉

すごいじゃん

深澤辰哉

全問正解だよ

深澤辰哉

おめでとう

今日の深澤くんはいつもと違う

いつもと変わらない優しくて甘い声なのに

どこか元気がないというか、

無理をしてるというか、

何度見ても少しだけ切ない表情をしていて、

いてもたってもいられなくなって、

瀬戸内菜美

深澤くん、何かあったんですか？

言ってしまう、

前にプライバシーは侵害するようなことはしないって決めたのに

言ってしまえば前と変わらないじゃん、

学びのないって思われちゃうかな、

深澤辰哉

ううん

深澤辰哉

なんにもないよ

いつもは合わせてくれる目も

一瞬たりとも合わせてくれない、

どうして、？

これ以上聞ける気もしなくて、

瀬戸内菜美

そう、ですか、

瀬戸内菜美

なら良かったです

無理やり作った笑顔で誤魔化す

よかっただなんて思ってないよ、

心配で仕方ないよ、

そうと思いながらも、

私は出された課題を少しずつこなしていった

深澤辰哉

じゃあ今日はこれで終わり

深澤辰哉

気をつけて帰れよ

瀬戸内菜美

あの！

瀬戸内菜美

深澤くん、

なんで切ない顔をしているのか、

結局聞かなきゃと思って声をかけた途端、

深澤辰哉

あ、そうだ、

深澤辰哉

深澤くん呼びは今日で終わり、

深澤辰哉

次からは先生って呼んで

瀬戸内菜美

え、

それじゃあとそれだけ言って机を離れていく深澤くん

瀬戸内菜美

待っ、

私の声は届かないのかな、

どうして、

私は何もわかれないの、？

どうして私は、

勇気を振り絞れないの？

誰もいなくなった個別教室で

他の塾の生徒が帰っていく姿を前に

立ち尽くしたまま、

涙を必死に堪えた、

翌日

学校に早くついた私は

一番乗りの教室にひとりで

高橋くんの姿を待っていた

高橋くんの告白に

ごめんなさいの返事をするために、

朝から振られるのって、やっぱり嫌なのかな、

私だったら嫌だし、

じゃあなんでもっと早く考えなかったんだろう、

瀬戸内菜美

あ、

昨日の深澤くんの事だ、

あれから私は眠れなくて、

結局早く起きてそのまま学校に来てしまったんだ、

いつもならどんな事があっても3時間は布団に入って眠るのに

1時間たりとも眠れなかった、

｢深澤くん呼びは今日で終わり、｣

｢次からは先生って呼んで｣

あの言葉が何度も再生されては

何度も私の胸に突き刺してくる

苦しくなって、

痛くなって、

それは

推しに言われたからなのか

男の人として好きな人に言われてしまったからなのか

距離が近づいたかと思えば

ぐっと離れていく

この苦しみは

恋のせいなの？

そんなのなら

恋なんてしたくないよ、

苦しくて結ばれない恋なら、

しなきゃ良かった、

昨日は堪えられた涙が

今になって一気に溢れ出す

瀬戸内菜美

っ、

瀬戸内菜美

っう、あ、

私の気持ちは、

あの青空より真っ青なようで、

雨の日の雲のようにどんよりとしたグレーだ、

✱

高橋恭平

朝練やっと終わった、

朝7時から約1時間弱の朝練

珍しく早く終わったから教室に向かう

さすがに誰もいないだろう

そう思ったのに

高橋恭平

っ、

瀬戸内菜美

っぐ、

教室の端で声を抑えて涙を流す俺の片思いの相手

なんでいるんだよ、

なんで泣いてんだよ、

泣きたいのは、俺の方だよ

昨日

告白のために海に誘ったら

瀬戸内さんの塾の先生だと言う有名人がいた、

その先生を目にすると瀬戸内さんははっと笑顔になって

嬉しそうに話していた

それを見て、

俺には多分瀬戸内さんを振り向かせることはできないのか、

そう思ったけど

瀬戸内菜美

っ、！

瀬戸内さんと目が合って

慌てて泣き止もうとしている

窓の外をちらっと見れば登校してくる生徒がちらほら

多分瀬戸内さんは泣いてるところを見られたくないだろう、

気がつけば俺は、

高橋恭平

来て、

瀬戸内さんの腕を掴んで

廊下に飛び出していた、

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和泉舞白

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