美花
美花
美花
美花
美花
美花
美花
美花
美花
美花
美花
結衣
菜々美
ノートを男子たちの手から取る。
きれいな女の子の絵。
菜々美
ニヤッと笑ってみせる。
菜々美
菜々美
ドタドタと足音が聞こえなくなってから。
結衣
結衣
菜々美
少し、絵のことを悪く言ってしまったかな。
と、思ったけれど、そこはごめんね。
菜々美
額の汗を拭う。
........怖かった。
今まではみんな同じぐらいの背で。
気軽に体を突き飛ばしたりする事もできた。
なのに。
小6になったぐらいから、 急にみんな成長しだした。
あっという間に男子たちはあたしの背、抜いちゃって。 友達もみんなかわいくなって。
菜々美
結衣
そういう結衣の顔も可愛い。
菜々美
太陽
菜々美
太陽
菜々美
結衣
太陽
頭に太陽の手が置かれる。
とくん
心臓が変に鼓動した。
でも太陽はすぐに去っていってしまった。
菜々美
最近こんな事がよくある。
太陽が別の子と話してるだけでムッとするし、 太陽が笑ってるとドキッとする。
心臓が持つか分からない。 あぁ、こわっ........
菜々美
太陽のことを思うとまた心臓が........
どきどきしながら帰り道を歩いていると。
菜々美
道の脇に、たんぽぽが咲いていた。
まだ、わた毛のようになる前の、 黄色いたんぽぽ。
菜々美
中2が、もう終わる。
しゃがんで、たんぽぽに手を伸ばす。
菜々美
菜々美
その瞬間。
キキーーーーっ
慌てて振り返って見えたのは、
すぐ後ろに車がある景色。
ここは、どこだろう
........たぶん、この消毒っぽい匂い、病院だ。
とりあえず、起きよう。
あれ、右手があったかい。
この声は、太陽かな。
ふふっ。驚かせてやろ。
今は起きないと決める。
太陽
てか、あたし、手握られてる........!?
太陽
太陽
は?なにそれ。 目を、開けよう。
そう思った時、その手が離された。
遠ざかる足音。
この声は。
ぱっと目を開ける。
目に入ってきたのは、
菜々美
菜々美
何を言っているのかな?
距離のせいなのか、混乱のせいなのか。
菜々美
菜々美
察した。
「そういう」仲だったのか。
すると、急に冷静になれた。
2人は元から恋人だったんだ。
すっとあたたかいものが頬を伝う。
菜々美
涙を拭いたいのに、体が動かない。
太陽
結衣
2人は何事もなかったようにぱっと私の所に来た。
無理やり体の向きを変え、枕に顔を擦り付ける。
結衣
なんで、言わなかったの。
そう声に出したいけど、言ったらまた涙が溢れそうで。
無理やり笑顔を作った。
結衣
結衣
菜々美
そして、残ったのは私と太陽だけ。
太陽
再び手を握られ、どくんと波打つ。
太陽
もう、知ってるよ。
太陽
菜々美
太陽
太陽
菜々美
太陽
泣く太陽、はじめて見た........
強くなろうと思ったのは、5歳の時、 太陽がいじめられてるのを見たとき。
なのに最近はすごく強くなっちゃって。
でも、今は泣いてて。
菜々美
菜々美
太陽
菜々美
太陽の顔が真っ赤になっていく。
太陽
あーもうダメか。
だって、太陽が好きなのは結衣だし。
菜々美
菜々美
ついに太陽が引っ越す日が来た。
結衣
私は足の捻挫と腕の酷い打撲をしていた。
でも、2週間ぐらいで一応退院はできた。
でも、あの日からなんとなく気まずくて、 しっかり話せていない。
太陽が車に乗りこんでしまう。
菜々美
あたしが太陽の名前を呟いた時。
ばっと引き寄せられて、
思わず目をつぶって、目を開いた時には、
目の前に太陽の顔があった。
太陽
太陽
目をしっかり見て言われる。
思わず目を逸らそうとすると、
太陽
顔を優しく包まれた。
顔が近くなる。
耳に太陽の吐息がかかって、キュンとした。
太陽
耳元でささやいて、ゆっくりあたしを離すと、
太陽は車に乗って、行ってしまった。
ズボンのポケットに違和感を感じて、
ポケットのなかのものを出してみると、
たんぽぽだった。
菜々美
その時は皮肉かと思ったけど、 ネットでたんぽぽのことを調べてみると。
真心の愛
が、花言葉だった。
菜々美
結衣
菜々美
道端に、たんぽぽを見つけた。
菜々美
白いわた毛が空に飛んでいく。
離れても、また会えるもんね。
私が変わっても、変わらなくても、 きっと太陽なら受け入れてくれる。
結衣
菜々美
美花
美花
美花
美花
END
コメント
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とてもキュンキュンしながら読んでました!
うわぁぁよかったぁぁ!!今回も素敵!
フォローありがとうございます! ずっと憧れていたすぴかさんにフォローされてとっても嬉しいです! この物語とってもキュンとしました!