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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

……。大人はそうだよな。金と地位が守れればそれでいいんだよな。まぁ、もういいや。

ここに居られなくなるならそれでいい。俺は俺でやりたいことあったし、なんなら清々したね。

あーあ。不快だわぁ……ちょっとブラついて帰るか牢獄(いえ)に……

それから数時間後

チッ………。酒のひとつも売れねぇのかよ使えねぇコンビニだな………

美玖

(煉君……。職員室から出てきた時の顔はどこか寂しそうだった。何か理由があるはず)

美玖

(確かに、不良のイメージが今のとこ強いけど根本はいい人だと私は思うけどな)

美玖

(奏は、怖いとか言ってるけどそれってあくまでイメージなだけで素をしってるわけじゃ……)

曲がり角でまた誰かとぶつかった

美玖

きゃっ!

痛……。美玖か…

美玖

いってて……あれ!?煉君!こんな時間までどこ行ってたの?(さりげなく私の名前覚えててくれた!)

お前には関係ない。てか、いい加減周りを見ろ。特に夜道は

美玖

(やっぱり煉君が悪い人なんて思わないけどな……ここは、思い切って聞いてみるか)

美玖

あの!

あ?

美玖

この後少し時間空いてますか?

なんだよ。急に

美玖

いや、ちょっと気になってる事があって………それを、聞きたいなって……

は?めんど……俺今機嫌悪いから早くも帰してくんね?

美玖

そうですよね……

……。はぁ。分かった。そんなにシュンとすんならちょっと付き合ってやるから

美玖

ホントですか!?

あぁ。でも手短にな?俺は早く帰りたいんだから

美玖

じゃあちょっと公園に行きましょうよ!

来た道俺戻んのかよ…

〜桜公園〜

美玖

あ!あそこのベンチいいですね。あそこに座りましょう!

どこでもいいから早くしてくれない?

美玖

そんなこと言わないでくださいよ!ほら、あの〜……飲み物奢るんで?

俺をガキかなにかと勘違いしてねぇか?

美玖

そんな事ないですって、ほら!座ってください

(なんだコイツ。うぜぇな…。)

で?俺に話って何?

美玖

えっと……今日の学校のことです!

俺それで機嫌悪いんだけど?

美玖

いいから!私の質問に答えて!

チッ……で?なに

美玖

煉君さ……先輩に喧嘩ふっかけたの?

どーだかな。それは、お前らの想像に任せるよ

美玖

じゃあ私は煉君が喧嘩をふっかけてないってことにする。

……。根拠は?

美玖

なんとなくだけど煉君はみんなが言ってる危ない人なんかじゃないと思う。

美玖

だって現にめんどくさいとか言ってるくせして私の話聞いてくれてるでしょ?

で?

美玖

え?

聞きたいことってそれだけなの?

美玖

うん。それだけがモヤモヤしてたんだ。

それだけの為に俺は、ここ来たのかよ。

美玖

だって!職員室から出た時の煉君の顔。なんか、寂しそうだったし……

……見てたのか?

美玖

見てたというか、たまたま見ちゃったが近いかな

…………。俺の今に至るまでの話でもしてやる

美玖

え?

いつも俺には【自由】と言う言葉がない。唯一自由と言われる時間があるならそれは、屋上でタバコを吹かしてる時だけだ

小さな頃からそうだった……

………………

ほら、煉君?この問題は前やった問題でしょ?

う、うん。でも、この問題解くのに時間が掛かっちゃう……

なら、何度も解いて早く計算出来るようにしないとね?

………。ママ?

な〜に煉君?

僕も……お外で遊びたい。

………。なんで?

友達が遊ぼうって誘ってくれて、僕も友達と一緒に遊びたいなって………

煉君はなんで勉強してるか知ってる?

大きくなったら僕の役に立つから?

そうよ。煉君の役に立つからお勉強してるの。今は我慢して?遊ぶの我慢した分頭は良くなるわ

………。うん。分かった

そうだ。始まりはこれだった。 俺が小学生の頃テストで低い点を取ったことから全ては始まったんだ……

ママ!見て見て!!算数90点だよ!

そうね………でも、[90点]よ?

え?

悔しくないの?あれだけ勉強したのに90点なんて点数で、ママは悔しいわ。あれだけの時間を使えたのに…

……。ごめんなさい。次は必ず100点取るから…

謝らなくても良いのよ。ただ、90点で悔しくないの?て話だから……

母さんはいつもこうやって言葉巧みに俺を誘導してきた。そうしていくうちに俺はだんだんと自由が無くなっていた

ママ……。友達が、周りから居なくなってくの…

大丈夫。ママはずっと煉君の味方だし、そばにいるよ

きっと母さんはこれが狙いだったんだ。俺の頭を良くすれば周りの人から避けられるそうすると頼るのは親しかいなくなる。

俺を独占して守りたかったんだろうな。いい迷惑だ。今の俺なら言い返せる。けど、もう遅い。全部が遅すぎたんだ

小学校を卒業後近くの中学校にと入学。しかし、そこでも馴染めず俺は道を外れて言った

煉君?最近帰りが遅いけどどうしたの?

ううん。なんでもない。あんまり気にしないで

そう。ならいいんだけど……

(……。あんたのせいで俺は自由な生活が出来てないんだ。夜ぐらい俺の好きにさせてくれよ)

別の日

お母さんちょっと会社の飲み会で遅くなるから。ご飯出来てるからレンジでチンして食べてね

うん分かった。

………。やっと消えた。学校では、喧嘩に明け暮れて授業抜け出してタバコ吹かして…

ホントに俺何やってんだかな……。でも後悔はしてない。こんな牢獄みたいな生活してたら

こうなるもんだろ……。逆らえばグチグチ言ってくるから反抗も出来はしない。ストレスが溜まり結果タバコを吸ってる

しかも、いつも怒る時は兄貴の名前を出す。そうやって、比較してくる……。そんなのでやる気なんて出ないっての…

俺の家は母子家庭で母さんと俺。 そして、年の離れた兄貴が1人いる。 母さんはいつもその兄貴と俺を比べる

あの頃の【翔】(かける)は……が 比較する時の合図。兄貴は今は都心のマンションにでも住んでるだろ

俺は兄貴と違ってなんでもない出来るわけじゃねぇのに翔は…翔は……て 出来損ないの息子で悪かったな……

あっ。タバコ切れた。買いにも行けねぇしな……また、貰ってくるか

兄貴と比べられるのが嫌だった 成績は常にトップの兄貴に対して 俺は成績はトップ10にギリギリ入れるぐらい。それをくらべて……

この家系は俺は大っ嫌いだ。 俺だってフツーの生活を送りたかった。 友達作って馬鹿なことして笑っていたかった。こんな、家に生まれたから……

常にこの家を妬んでいた。そんなのが3年続いて中学校卒業……行きたくもない高校に行かされた

受験は簡単だった。俺の頭は良くなってるが、それが気に食わなかった。頭がいいせいで俺は友達を失ってきた…

そして、俺は中学校をダラダラと過して周りからは不良なんて呼ばれる始末。まぁ、悪い気はしなかった

不良てことは不真面目な奴て事だ。俺はこの【不良】て肩書きが気に入ってる。散々くそ真面目だのつまんねぇだのいわれた俺は不良と言う言葉に誇りすら感じてる

不良でいられるならそれでいい。周りに人がやって来なくてももういい。ただ俺はこの【不良】の肩書きと一時的な【自由】が得れたからそれでいい

もちろんこの不良と言う肩書きのせいで気に食わない事もある。先生が俺に対する態度に気に食わない

中学校の時もそうだ。俺が周りから不良と呼ばれだした時1人の男が俺に喧嘩を売ってきた。

買うつもりはなかったが、手を出されたからやり返した。完膚なきまでにやり返してやった。

そしたらあとで先生に俺だけ怒られた。 被害者は俺なのに何故か怒られた。 そして、周りの目が前よりも冷たくなった

なんで?やり返しはダメなのか? 学校で習ったのに、正当防衛なのに 俺が悪くなるのか?

この時から大人が嫌いになった。 大人はみな最後の結果だけで判断する 特に教員と言う立場の人間は…

裁判でもない限り俺は悪のままなのか。 そうやって、俺は1人になっていく 縛られて孤独になって、救いの手を差し伸べる者も居ない。

俺は、このイバラの道を進む。 俺には選択する権利もないんだから……

そして、職員室の場面にと続く……

………て、事だ。

美玖

お母さんの強すぎた愛ゆえにこうして今の煉君が出来てしまったってこと?

まぁ、そんなとこだ。

美玖

なんで?

あ?

美玖

なんで、友達でもない私なんかにそんなの話してくれたの?

なんか、お前なら話してもいいかなって気になってな。

唯一の理解者になってくれると思ってさ

美玖

(え?もしかして私頼られたのかな?あの!煉君に頼られたのかな?٩(๑>▽<๑)۶ヤッター)

美玖

理解者になれるかは分からないけどでも、煉君は本当はいい子だって知れたから私は満足だよ

母さんの期待には応えたかったけど、でも自由が無くなるのは耐えられなかった。

年が上がれば友達だって作りにくくなる。なら、作らないで1人になった方が楽だと思ってな

美玖

なら!私と友達にならない?

いや、遠慮しとく。俺は1人が楽なんだよ

美玖

じゃあ分かった。私は煉君の事を勝手に友達だと思ってるから、煉君のタイミングでいいから

美玖

今年以内に1回でも友達と思ってくれたらいいな♪

……。お前さ

美玖

ん?

急によく喋るな?

美玖

えっ!?あっ………

あれだろ。コミュ障の典型的なやつだな。好きな事だったり、友達とかになると急に喋るヤツ

美玖

うぐっ……。コミュ障を突かれるのは痛いです……

まぁ、分かった。お前は勝手に俺を友達と思っとけ。俺は、あくまで独りだ。

美玖

言ったからね?じゃあ明日からガンガン話にいくから!

うわっ………めんど。

てか、あれは?飲み物

美玖

え?奢るの私?

そーいう約束だろ?守れねぇならいいや。今日あったことはなしで、次話しかけたら……

美玖

分かった分かった!!奢るから!

冗談だよ

美玖

(あっ…………笑ってくれた。今まで作ってきた笑顔じゃなくてホントの素の笑顔見せてくれた)

美玖

ふふっ♪

あ?なんだよ。気持ちわりぃ。早く飲み物買っておれを帰らせろ……

美玖

えー?どーしよーかな?

…………。帰る

美玖

ゴメンって!冗談だよ………

少しずつだが、2人の距離は縮まっていく

恋したのは不良の方でした【完結】

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