コメント
6件
罪な女ですね。
太 宰 さ ん か ら も 中 也 さ ん か ら も 狙 わ れ ち ゃ っ た . . . ! ? 物 語 の 今 後 も 結 末 も 楽 し み で す . . . ! ! (T_T) ♪
主様の作品めっちゃ好きです! 主人公と双黒の絡みがめちゃくちゃ尊いです!♡ 続き待ってます!
杏堂〇〇
中原中也
二人だけの廊下で長い長い沈黙が続く。
人が来る気配も無い。
吸い込まれそうな程綺麗な蒼い瞳で 真っ直ぐ私の目を見る中也。
逃げる事も逸らす事も出来なかった。
中原中也
右手で私の少し乱れた横髪を左耳にかける中也。
耳に当たった手袋の感触にビクッと肩が跳ねる。
其の儘中也の右手は私の顔の方へ進み、 親指で下唇に軽く触れる。
中原中也
中原中也
下唇をスルッとなぞった手は 今度は私の左頬をそっと優しく包む。
中也の蒼い瞳は先刻よりも微かに潤んでいた。
中原中也
低く、少し掠れた不安に満ちた声。
その大人っぽくて、でも少し幼い不安気な表情に 黙り続ける事は出来なかった。
杏堂〇〇
杏堂〇〇
中原中也
杏堂〇〇
其の一言で中也の顔がまるで苦虫を噛み潰したように歪む。
杏堂〇〇
杏堂〇〇
焦ってつい早口で宥める様な事を口走る。
其れも今の中也には逆効果だった様で。
中原中也
中原中也
杏堂〇〇
居られなくて中也の瞳から視線を逸らした。
と、大きな溜息を吐いて中也が壁から手を離す。
右手で自分の首をぎこちなく触りながらもう一度 深く溜息を吐いた。
中原中也
中原中也
そう話す中也は何時もの雰囲気に戻っていて。
何だか少し安心して肩の力が抜けた気がした。
杏堂〇〇
杏堂〇〇
と、何時もの調子で笑えば又少しムッとする彼。
杏堂〇〇
中原中也
杏堂〇〇
私が戸惑いながら聞くと又もや中也は溜息を吐いて。
そっと私の右手を手に取ったら
中原中也
手の甲に短くキスを落とした。
その仕草は王子様がお姫様にやるみたいだ。
杏堂〇〇
引いてきていた顔の火照りが みるみるうちに赤く元に戻る。
そんな私の表情を見ると満足そうに片方の口角をあげて 最後にこう云った。
中原中也
中原中也