颯
なぁ
陽太
どうした?
颯は何かを取り出した
颯
これなんだけど
陽太
!!
陽太
ってなんだこれ
颯
まぁそんな反応だよな
颯
おじいちゃんが10日前に亡くなったんだけど
陽太
…
颯
病院でこの鍵を俺に預けたんだ
陽太
でもその鍵ってどこで使うんだ?
颯
そこなんだよ
颯
俺もおじいちゃんに聞こうと思ったんだけど…
陽太
なるほど
陽太
その前に息を引き取ったと…
颯
ああ、
陽太
最期に何か言ってなかったか?
颯
最期か…
颯
距離の問題であまり病院に行けなかったんだ
陽太
そっか…
陽太
じゃあ、何か趣味があったとか?
颯
そうだ!
颯は何かを取りに行った
颯
よいしょ
陽太
これは
陽太
三味線か?
颯
よく分かったな
颯
おじいちゃんが唯一楽しそうにしてた物なんだ
陽太
もしかして…
ガサガサ
陽太
やっぱり
颯
なにしてるんだ?
陽太
皮が表面につけられてるだろ?
颯
そうだな
陽太
三味線もってみ
颯
!!
颯
何か違和感あるな
陽太
颯も一度は触ったことあるだろ?
颯
この前触ったけど…
颯
分厚い?
陽太
そうだよな
陽太
薄く切ってみていいか?
颯
…いいぞ
陽太
失礼します
陽太はカッターを使った
陽太
やっぱり…
颯
なんか落ちたぞ
颯
紙か?
陽太
なんだろう
陽太
一階和室の畳の中
颯
ここで待っててくれ
陽太
了解
数分後
颯
また紙があった
陽太
読んでいいか?
颯
はいよ
陽太
庭の木の下
颯
今度は難しいな
颯
陽太も来てくれないか?
陽太
よし案内してくれ
颯
スコップいる?
陽太
ありがとう
颯
この紙には木としか書いてなかったからなー
颯
俺ん家の庭大きい木が一つあるけど
颯
深さが気になるな
陽太
あれ?
陽太
その紙裏にも何か無いか?
颯
床のホコリでかなり薄いけど…
颯
扉から東に2歩、北に6歩、下に20センチメートル
陽太
やってみるか
颯
下に20センチメートルか
颯
あった…
颯
何か書いてある
颯
これで最後、颯の押入れの右下
陽太
結局、颯の部屋なのか
陽太
戻ってきたな
颯
押入れは散らかってて見てなかった
颯
懐かしいおもちゃだなー
陽太
これって…
陽太
小さな箱だ
ちょうど鍵穴が見えた
陽太
ここで鍵が出てくるんだ
颯
じゃあ、入れてみる
ぴったりはまって鍵が空いた
颯
おお、やっと空いた
陽太
良かったな
陽太
中身は?
そこには紙があった
颯
ここまで探してくれてありがとう、探すまでの小さな道のりを楽しんで欲しかった
颯
…
陽太
…
陽太
楽しかったな
堰(せき)を切ったように話始めた
陽太
もしも颯が謎解き無しで見つけたらどうだったんだろう?
颯
たぶんだけど、
颯
俺の性格上この部屋片付けないからそこは計算だろうな
陽太
凄いな颯のおじいさん
その後、二人は小さい頃の思い出の物を見て遊んだ







