朝6時、俺はいつものように ジリジリと鳴る目覚まし時計を止める
楓
楓
今日は金曜、今日まで頑張れば 明日は土日の休日が待っている
寝ぼけた頭をすっきりさせるために 洗面所に向かう
冷たい水が心地いい
楓
母親が買ってきた弁当と 作りおきの味噌汁を温め急いで食べる
ご飯と味噌汁に焼き鮭弁当
朝の定番メニューだ
楓
ありがたく食べ終わった後 すぐに歯磨きをする
シャコシャコと小気味良いリズムで磨く
磨き終え、制服に着替える
支度を終わらせ玄関の靴を履き ドアノブに手をかける前に
楓
未だに寝ている母親を 起こさないように
静かな声で言う
返事はやはり返ってこない
それを確認し、ようやくドアを開け学校に向かう
楓
俺が挨拶をしても 返事はこない
周りを見ると
教室には俺以外誰もいない
どうやら一番乗りだったらしい
楓
下駄箱には全員の靴が 置いてあったはずなんだけどなぁ
少し疑問に思いながらも暇潰し用に 持ってきた小説を読む
最近の学生は小説よりライトノベルを 読むらしいが、生憎俺は小説派である
そうして俺は鞄から本を取り出し 読書に耽る
楓
持ってきた本を読み終わり 未だに誰一人こないことに疑問を抱く
楓
生徒が来ないのもおかしいけれど 先生が来ないのはもっとおかしい
俺は疑問に思ったがもう少し経てば来るかも しれないと思いもう一冊本を取り出す
そうしてまた本を読み耽る
楓
もう一冊の本も読み終えたが まだ来ない
楓
窓を見るともう夕方だ
もしかしたら今日は祝日 だったのかもしれない
それなら自分はとんだ大馬鹿者だ
楓
羞恥心で体が暑くなる感覚を覚え 家に帰ろうと下駄箱まで行く
下駄箱に行き他の生徒の靴が 入ってるのを見てやはりおかしく感じる
しかしもうすぐ夜になるのをみて 急いで家に向かう
楓
返事はこない
母はまだ寝ているらしい
楓
そのことに呆れながら 俺は母親が寝ている部屋へと向かう
楓
注意の言葉を発しながらドアを開けるも そこには母親の姿は居らず
部屋に俺の言葉が虚しく響いた
楓
母親の靴は玄関で見たから 必ず家に居るはずなのだ
しかし、どこを探しても 母親は見つからない
楓
いくら探しても見つからない ことに不安を覚える
楓
突然、頭に痛みがくる
何かを俺は忘れている気がする
忘れているのは何か?
今日の違和感は何か?
足りないものは何か?
考えても、考えても 答えはでない
ふと、学校までの道のりを思いだした
楓
気づいた
気づいてしまった
違和感の正体に
俺は
今まで
楓
知らなくて良かった
知りたくなかった
その事実に導かれるように
俺は思い出す
最悪の出来事を
俺は金曜の登校日に熱をだして
学校を休んでいて
自分の部屋で寝ていたんだ
それで
目を覚まして
熱を測ったら
回復していて
母親に報告しようと
探しても
探しても
見つからなくって
外に出たら不気味なくらい静かで
コンビニや学校
居るべき場所に人が一人も居なかった
それで俺は何処にも人が居ないのかと
絶望して
世界の終わりだって嘆いて
嘆いて
それから
それから...
・・・
思いだせない
俺はその後、何をしたんだ?
楓
まただ
先ほどの頭痛がくる
さっきよりガンガンと 頭を叩かれるみたいで
ベッドに寝転がる
楓
楓
だんだんと眠くなってくる
駄目だ
ここで寝たら
ね、た、ら
朝6時、俺はいつものように ジリジリと鳴る目覚まし時計を止める
楓
楓
今日は金曜、今日まで頑張れば 明日は土日の休日が待っている
コメント
8件
思いつかなかった!
背景の使い方めっちゃいい!