観測者
う''ぅッ…う''ぁ''あッッ……!!
ぷりっつ
ッ…
目の前の彼は子供の様に泣き叫ぶ
観測者
なんでッ!なんで僕なんだよッッ……!!
観測者
家族なんてただの飾りじゃないかッッ!!!
ぷりっつ
……だったらなんで…町を救おうとする?
観測者
ッ''〜……ッ!
観測者
ッ………
彼はほっぺを膨らませてそっぽを向いてしまう
ぷりっつ
……言ってくれなきゃ動かへんぞ
観測者
……さっき助けるって言った
ぷりっつ
取り消す
観測者
ッッ''……!
するとまた涙を目に溜めてこちらを見つめてくる
しかしそんな様な物で動じる俺じゃない
赤の他人ならまだしも敵
ぷりっつ
(ま、赤の他人でも…だけど)
観測者
………
ぷりっつ
………
またしばらく睨み合いが始まる
彼は相変わらず目に涙を溜めたままだ
観測者
ッ、…
そしてそれが一滴、また一滴と溢れていく
観測者
ッ…う''ぅッ、…
次第にそれが粒じゃなくて水流になっていく
観測者
うわぁ''あ〜ッ……!!
観測者
ひぐッ、ぐすッ…う''わぁ''……ッ
ぷりっつ
………
観測者
ッ…ぐすッ、う''ぅ''ッ……
泣きながらキッとこっちを睨んでくる
しかし威厳がない
真っ赤に腫れた赤い目、涙と鼻水でぐしゃぐしゃな顔
ぷりっつ
はぁー…だから言ってくれなきゃわかんないってば……
観測者
ッ…だってッ、馬鹿にするでしょッ!!
ぷりっつ
……なにが?
観測者
……言いたくない理由聞いたらッ、!
ぷりっつ
笑わねぇよ
観測者
ッぇ……?
そう言って彼は驚いた顔をする
だけど驚きたいのはこっちだ…神が馬鹿にされるの嫌がってどうすんだ……
ぷりっつ
(ま…精神年齢は子供だもんな……)
ぷりっつ
……
ぷりっつ
(辛かったろぉなぁ……)
観測者
ッッ…笑わないんだなッ
ぷりっつ
笑わないっつってんだろ?そもそも笑える状況じゃねぇし
観測者
……
彼は1つ深呼吸をして、まっすぐこっちを見てくる
観測者
お兄ちゃんがいた
観測者
昔
ぷりっつ
……
ぷりっつ
(''いた''ねぇ……)
観測者
お兄ちゃんだけは…僕自身を見てくれた……
観測者
''動じない不気味な子供''としてじゃなくて
観測者
''弟''としてッ…見てくれたお兄ちゃんがいたッ……!
そう言ってまた泣きじゃくる
観測者
ひぐッ…う''ぐッ……お兄ちゃんだけはッッ、!
観測者
ちゃんとした家族だったッ……!
観測者
ぐすッ…お兄ちゃん言ったんだ……ッッ
観測者
''この町が好きだ''って……ッ!
ぷりっつ
………
ぷりっつ
つまり、兄が好きだった町を守りたいと
観測者
………ッ、うん…
ぷりっつ
はぁー…そんな事聞いて誰が笑うんだよ
観測者
ッ…だって、僕は神様なんだぞッ?!
観測者
神様がッッ…お兄ちゃん如きでッ……!
自分で言っときながら彼は辛そうな顔をする
こっちも辛くなりそうだ
ぷりっつ
……
そんな彼を優しく抱きしめる
最初は驚いた声を出したが、安心したのか抱き返してきた
観測者
ひぐッ…ぐすッッ……ぁあ……
最初は動じないと思っていた
だけど動じてしまった
ぷりっつ
(コイツも辛かったんだな……)
そう思ってしまった
観測者
…………
ぷりっつ
……ほら、顔上げろ
ぷりっつ
町、助けに行くんだろ
観測者
………うん
ぷりっつ
俺は何をすればいい
観測者
……聞いてくれるの、?
ぷりっつ
当たりめぇだろ
ぷりっつ
ほら、さっさと言え
観測者
……それじゃあ今から作戦を言うよ
ぷりっつ
あぁ
観測者
作戦は……
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