――港町、商人の屋敷前。
気配を消しつつ 物陰から様子を伺うのは、
ウェンデッタと従者ダニエル、 魔術師ノクトルの3名だ。
ノクトル
ノクトル
小声で驚くノクトル。
ウェンデッタ
ダニエル
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ダニエル
と取り出したのは、 フード付マント型の魔導具 2人分。
早速ウェンデッタと ダニエルが羽織ると――
――姿が消えた。
ウェンデッタ(隠形)
ノクトル
ノクトル
ダニエル(隠形)
ダニエル(隠形)
ダニエル(隠形)
声を抑えつつもはしゃぐ ダニエルに、 ウェンデッタが難しい顔をする。
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ダニエル(隠形)
ノクトル
ノクトル
ウェンデッタ(隠形)
ダニエル(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ダニエル(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ダニエル(隠形)
ダニエル(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ノクトル
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ノクトル
ノクトル
ノクトル
ウェンデッタ(隠形)
突然の甘い言葉に、 顔を真っ赤にしてしまう ウェンデッタ。
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ノクトル
ノクトル
ノクトル
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
魔塔は現在、 “絶体絶命のピンチ”である――
―――ノクトルの真面目な顔に、 ウェンデッタは そのことを思い出した。
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
たるみかけた気を引き締め直し、 令嬢は応える。
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ノクトル
さらりと答えるノクトルの 穏やかな笑みは、いつも通り どこか謎めいていたのだった。
――屋敷内、 地下へ続く通路。
ウェンデッタとダニエルは 魔導具で姿を消したまま、 奥へ奥へと進んでいく。
無人の通路が しばらく続いたところで、 小声のダニエルがつぶやいた。
ダニエル(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
周囲を警戒しつつ、 ウェンデッタが吐き捨てる。
ダニエル(隠形)
ダニエル(隠形)
ダニエル(隠形)
ダニエル(隠形)
ダニエル(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ダニエル(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ダニエル(隠形)
ダニエル(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
地下の通路の 突き当たりにあったのは――
――頑丈そうな 金属の扉。
その表面には、いくつもの 複雑な『施錠の魔法陣』が 浮かんでいる。
ダニエル(隠形)
ダニエル(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタは 身に付けていた腕輪をかざし、 魔力をこめる。
――光り輝く 腕輪。
呼応するように、 扉を守っていた魔法陣が すべて“消滅”した。
ダニエル(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
これは『施錠の魔法陣』対策の 専用魔導具で、 特殊な波動を発して “施錠”を無効化する効果を持つ。
ウェンデッタ(隠形)
ダニエル(隠形)
――最奥の地下室。
部屋の扉が開いた瞬間、 2人は息を飲んだ。
ダニエル(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
室内に置かれていたのは、 見上げるぐらい巨大な 装置型の魔導具。
そこには、初老の細身女性が 吊られるようにして 無理やり固定されていた。
――ミカゲ・ キガンジ。
皇国五大貴族でも特に武術に秀でた キガンジ家の当主だけあり、 常に先陣を切って 騎士を率いていたはずの彼女。
その頃の堂々とした立ち姿の 面影は そこにはなかった。
隆々としていたはずの筋肉は すっかりやせ細り、 全身は無数のアザと血とで 染まっている。
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ミカゲ
ミカゲ
ミカゲ
ギロッと 部屋の入り口を にらみつけるミカゲ。
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタ(隠形)
ウェンデッタは 軽く呼吸を整えると――
『隠形のマント』のフードを 取った。
魔導具の効果が切れ、 一瞬にして 令嬢の姿が現れる。
ウェンデッタ
ミカゲ
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ダニエル(隠形)
ダニエル
紹介に合わせてフードを取り、 ダニエルも姿を見せる。
ウェンデッタ
ミカゲ
警戒を強めるミカゲ。
ミカゲ
ミカゲ
ミカゲ
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ミカゲ
ミカゲ
ミカゲ
ミカゲ
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ダニエル
ダニエルに指示を出すと、 ウェンデッタは 巨大な装置型魔導具の横に 回りこむ。
鈍く怪しく光る装置には 『こぶし大の魔石』が 取り付けられていた。
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ウェンデッタが 腰から抜いた剣を構え、 勢いよく魔石へと 突き立てる――
――バリィッ
粉々に砕け散る魔石。
と同時に 装置から光が消えて 稼働が停止。
縛っていた拘束が緩み、 落下したミカゲの体は――
ダニエル
――待ち構えていたダニエルが キャッチ。
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ミカゲ
ミカゲは、 糸が切れたかのように ガクリと気を失った。
その体をダニエルが手早く 自分の背中にくくりつけて 固定する。
ダニエル
ウェンデッタ
ウェンデッタたちは、 再び『隠形のマント』の フードを被る――
ダニエル
ダニエル
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ハッと思い当たった令嬢は、 先ほど使った『開錠の腕輪』を 発動しようとするが――
――先と違い、 腕輪は“光らない”。
ウェンデッタ
ダニエル
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ウェンデッタ
ダニエル
ダニエル
ダニエル
ウェンデッタ
…ドドドドッ!
遠くから聞こえてきたのは 走って近づいてくる足音。
ウェンデッタ
ダニエル
ウェンデッタ
ダニエル
ダニエル
戦闘を覚悟した ウェンデッタとダニエルが、 それぞれ剣を構えて 部屋を飛び出――
ノクトル
――飛び出そうとしたところ、 急に『転移魔法』で現れた ノクトルに止められた。
ウェンデッタ
ダニエル
ノクトル
ノクトルは ウェンデッタとダニエル&ミカゲに 触れると、再び 『転移魔法』を発動したのだった。
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