佳那
里衣紗ー?
里衣紗
何?
佳那
今話せる?
里衣紗
いいよ
佳那
ちょっとちょっと!今夜じゃん!
里衣紗
いや、夜だけど?
佳那
怖い話とかしたくない?
里衣紗
別に
佳那
ノリ悪いなー
佳那
ちょっと付き合ってよ!怖い話見つけてきたからさ!
里衣紗
何分で終わる?その話
里衣紗
私早くゲームしたいんだけど
佳那
わかったわかった!短くするから、その代わりよくきいといて
里衣紗
はいはい
佳那
じゃあ、行くよ…?これ、実話だからね…
佳那
昔、雪国の方にね、凛花ちゃんって子がいたの。
佳那
いまはもう亡くなってるんだけど。
佳那
その子は小さい頃いじめられていたの。
佳那
少中高と全部いじめられていてね。凛花ちゃんの体はもう傷だらけだったの。
佳那
でも、凛花ちゃんには、静花さんって言うお姉さんがいたの。
佳那
静花さんはいつも辛そうにしている凛花ちゃんを慰めてあげていたの。
佳那
でも、
佳那
静花さんもいじめられていたの。
佳那
静花さんは学生時代だけではなく、村の人や職場先でも陰口や暴力を振るわれていたの。
佳那
貧しい家庭だったから、お風呂にも全然入れないし、食べ物も食べられない日もあったの。
佳那
だから、当然お腹は空くし体や髪も臭いわけね。
佳那
それで耐えきれなくなった静花さんは24歳の時に自殺したの。
里衣紗
え…
佳那
それでね、凛花ちゃんの唯一の心の支えになっていた静花さんがいなくなったら、もう凛花ちゃんも嫌になって
佳那
凛花ちゃんは16歳で自殺して、天国に逝ってしまったそうよ。
佳那
そうしてね、天国に逝って凛花ちゃんは思ったの。
佳那
どうして自分だけがいじめられたのだろう。他にもそういう人はいるのに…
佳那
それで、凛花ちゃんはもう1度人生を送るチャンスをもらったの。
佳那
そして、凛花ちゃんを可哀想だと思った天国の人たちは、
佳那
凛花ちゃんに、生前の記憶をそのままにして生きて欲しいと言ったの。
佳那
そして、奇跡的に凛花ちゃんは生前の記憶を取り戻して人生をやり直した。
佳那
そして、まず最初にしたことは、自分たちを苦しめた奴を探すこと。
佳那
天国の人が言うには、人間の魂は永遠に生き続けるから、その魂を持っている奴がいじめたやつか何かしらをすればわかると言っていた。
佳那
だから、凛花ちゃんは何十年も歳月を経て、やっとで見つけたの。
佳那
自分たちをいじめた犯人を…
里衣紗
で、誰だったの?
佳那
凛花ちゃんをいじめたのは…
佳那
里衣紗…あなたよ。
里衣紗
え?
里衣紗
私はいじめてなんか…
佳那
でも、里衣紗の中にいじめた人の魂が入っているんだもの。
佳那
それで、もうお気づきかしら。
里衣紗
え?
佳那
私がそのいじめられていた凛花ということを。
里衣紗
ねぇ…佳那は凛花ちゃんじゃないでしょ?
佳那
いいえ。私の頭の真ん中にしっかりとあるわ。凛花だった頃の記憶が。
里衣紗
ねぇ。やめてよ…そういうこと言うの…
佳那
私は私をいじめた奴を許さないの。
佳那
毎日脛や頰を叩かれ、蹴られ…
佳那
生傷の体で帰ってくると、お姉ちゃんが待ってくれている。
佳那
私はそんなお姉ちゃんが大好きだったのに…
佳那
こんなに傷ついたんだから、償ってもらわなきゃ…
里衣紗
ねぇ!佳那!やめて!本当に…
グサッ!
佳那
里衣紗にはしっかり償ってもらわなくちゃ。
天国
里衣紗
ここは?
天国の女神
天国です。
里衣紗
あ、そうだ!
里衣紗
人生って生前前の記憶をそのままにして生き返れるの?
天国の女神
はい。
里衣紗
じゃあ、
里衣紗
次は佳那の魂を持ってる奴を殺しに行こうかな…