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主
優花
愛斗
主
それは、5年前の日曜日
爽やかな秋晴れの日のこと
母
優花
私はお母さんと買い物に行っていた
母
優花
母
優花
優花
大好きなシチューを 作ってもらえるのが 嬉しくて
立ち止まって車を確認 するのを忘れていた
母
優花
母
優花
母
優花
いきなり背中に 痛みを感じた
そしてその後ろで トラックが通り過ぎた
優花
母
眼前には血だらけの母がいた
優花
揺さぶってみても、 返事はない
優花
地域の人
私が泣き叫んでいると 地域の人がきてくれたらしい
そして救急車を呼んだりと 行動してくれたそうだ
優花
地域の人
優花
お母さんが運ばれて いった部屋の上部に
赤い光が灯る
優花
地域の人
どれくらい待ったかわからない
何も考えたくなかった そうしていると、お医者さんが 部屋から出てきた
医者
地域の人
医者
優花
そうして母を亡くした
その日から数年後のある日
私はあれから、心を 無くしたように生きていた
眠れなくて散歩に出かけた 時、その子に出会った
優花
愛斗
優花
愛斗
優花
目が、合ってしまった
愛斗
優花
似た雰囲気を感じた…
気になってしまって 声をかけた
優花
愛斗
優花
その子は1拍置いて 挨拶を返してくれた
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
優花
変な出会いだけど 仲良くなった
愛斗は同級生だった 似たような境遇で、良く 話があった
それから、夜以外でも 会うほどの仲になった時
愛斗
優花
愛斗
幸せすぎて忘れていた
優花
人は常に、死と隣り合わせ だと言うことを
優花
愛斗
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
散々泣いて、落ち着いて
優花
優花
愛斗
優花
愛斗
本当に嬉しそうに 愛斗は笑った
優花
それから毎日 愛斗のお見舞いに行った
最初の頃は、凄く元気で 病気だなんて信じられなかった
でも、1ヶ月もたてば どんどん痩せていき、
愛斗が愛斗では 無くなっていくようだった…
優花
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
優花
きっとしんどいのに
愛斗はそれを隠すように笑う 頼って欲しいのに
優花
愛斗
優花
愛斗
愛斗が目を、見開いた
優花
愛斗
優花
優花
愛斗
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
顔を歪めて、私に告白 してくれた
優花
愛斗
愛斗
優花
優花
愛斗
愛斗は私に抱きついて 子供のように泣いていた
どれだけ無理をして いたのか それに気づけなかった自分にも 嫌気がさした
愛斗
優花
優花
愛斗
優花
愛斗
そうして、やっと 理解し合えた
それなのに 数日後に、愛斗は
優花
愛斗
優花
ほとんど寝たきりに なってしまった
痛みが酷いらしく、 薬でずっと寝ている
愛斗
この日はたまたま 起きてくれた日だった
愛斗
優花
最近では、喋ることも しんどいようで、たどたどしく 続ける
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
それはいきなりのお願い だった
愛斗
優花
愛斗
愛斗
優花
優花
愛斗
優花
今の体の状態じゃ 絶対に難しいはずだった
1人では、もう何も 出来ない状態になっている
それでも、愛斗のしたいことを させてあげたくて
優花
医者
医者
優花
優花
医者
そして、愛斗の希望を伝えた
優花
医者
優花
医者
医者
優花
医者
医者
本当に優しいお医者さん だった
優花
医者
優花
優しいお医者さんでも 愛斗はあの状態だし 無理だと思っていた
でも、程なくして
医者
優花
医者
優花
医者
優花
優花
医者
医者
医者
優花
優花
喜びに満ち溢れていた
医者
医者
優花
医者
優花
愛斗
優花
その日は珍しく 行った時から起きていた
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
最近見た中で、1番の 笑顔だった
優花
愛斗
優花
愛斗
優花
ずっと言いたかった言葉
自然と零れてしまった 困らせると、わかっていたのに
愛斗
予想もしなかった言葉
優花
いや、本当は 望んでいた言葉
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
付き合うという訳でも なかったけど
それだけで十分だった 心から、愛してたら それで良かった
優花
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
優花
静寂が訪れる
それを破ったのは、
愛斗
優花
優しい愛斗の声だった
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
愛斗
優花
愛斗
愛斗
晴れやかな顔で そう伝えてくれた
優花
優花
愛斗
少しずつ、荒くなる 愛斗の呼吸に焦りが募る
でもあえて、ゆっくり 言葉を紡いだ
優花
愛斗
優花
優花
愛斗
優花
愛斗
愛斗
優花
愛斗
愛斗は最後まで精一杯 気持ちを伝えてくれた
優花
そっと手を握ると、 弱々しくも、握り返して きてくれた
愛斗
もう何も言わなくても それだけで伝わった
だんだんと冷たくなる手を 握る 涙が頬を伝う
愛斗
優花
愛斗
優花
愛斗
愛斗は軽く頷いて、目を閉じた
優花
もう一度伝える
心做しか、愛斗が少し 笑った気がした
そんなことを思い出しながら 私は風に吹かれている
優花
優花
そういいながら、フェンス の向こう側へ
下の方で、叫び声が 聞こえる
優花
お母さんのことを
優花
愛斗と過ごした日々を
優花
思い出していた
母
母
愛斗
愛斗
優花
優花
見るも無惨な姿で 私の人生は終わった
この死もきっと、天命だった
主
主
主