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ユエツ
ユエツ
ユエツ
ユエツ
ユエツ
ユエツ
ユエツ
あれは俺が、小学校4年生のころだった___
ひいばあちゃんの葬式で起こったんだ。
ユエツ(子供)
俺は別にひいばあちゃんとは親しくはなかった。 だって怖かったし。 いっつもしかめっ面で、あんまり話したこともなかった。
ユエツ(子供)
お坊さんの読経を聞きながらボーっとしていた 涙なんて出やしなかった
ユエツ(子供)
元来体が弱かった俺は、結構すぐに体調を崩す。
ユエツ(子供)
母
あまりに暇だったもんで、失礼とはわかっていながらも 控室と式場を行ったり来たりして暇をつぶしたりしていた
ユエツ(子供)
弟
ユエツ(子供)
もう11年も前の話だ 当時の俺は罪悪感も喪失感もわかってなかった
やっとひいばあちゃんが死んだことを理解したのは 式の後だった
ユエツ(子供)
ユエツ(子供)
ユエツ(子供)
母
ユエツ(子供)
ここでやっと ”人が人じゃなくなった” と、理解したんだ。
その瞬間。本当に小さな一つだけのひいばあとの思い出がよみがえった
ユエツ(子供)
ひいばあちゃん
ユエツ(子供)
そう言って、小さな俺は栗きんとんを差し出す
ひいばあちゃん
そう言って、普段マッサージチェアから立たないひいばあが、 お砂糖をわざわざ出してくれた
ユエツ(子供)
でも 「ひいおばあちゃんは甘いもの得意じゃないから あんまり砂糖は入れすぎんとってね」 と、大叔母に言われたばかりだった俺は困惑した
ユエツ(子供)
ひいばあちゃん
そう言って、いつもの仏頂面でまた椅子に座った
ユエツ(子供)
そこでやっと涙がこぼれ落ちた
本当に小さな思い出だし、思い出すにも値しないようなものかもしれない でも、俺の中では唯一のひいばあとの思い出だったんだ。
ユエツ(子供)
その夜だった。
ユエツ(子供)
式場の控室に泊まっていた俺は布団の中でそう考えていた
ユエツ(子供)
一日中煙たくて倦怠感があった俺は、 どうせこれも煙のせいだろうと思い そのまま眠りについた それから数時間くらいだろうか 倦怠感は増し、だんだんと息苦しくもなってきた
ユエツ(子供)
母
ユエツ(子供)
ピピピッ…ピピピッ…
母
ユエツ(子供)
そんな前兆なんて一切なかったのに。 俺はきりが勝った頭で ”もしかしたらひいばあの呪いかも” なんて、適当なことを考えていた
ユエツ(子供)
自分の行動に確証は持てなかった
ひいばあからしたら、俺は疎遠で不孝行なひ孫だと自覚していたからだ
無駄だとわかっていながらも、俺は布団の中で自責の念に駆られていた
そこで俺は、不思議な夢を見た
いつもご先祖様の弔いをしてもらってるお寺の夢
ユエツ(子供)
そこはいつもお茶を出してもらってる部屋のすぐ隣にある 短い短い縁側だった
ユエツ(子供)
そうきょろきょろしていると、不意に俺の胸が苦しくなった。 息ができない。息が、息が
ユエツ(子供)
俺はたまらず玄関の方へと逃げだした
ユエツ(子供)
だけどいくら走っても玄関にたどり着かない。 足を止めると息が詰まってしまう でも走り続けるのも苦しい
ユエツ(子供)
…何時間走っただろうか? ずっと俺は黒い何かに追われ続けていた
ユエツ(子供)
知ったお寺の縁側を、ただただ走り続ける ずっと、ずっと、ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと
景色は変わらない、走ってるのに まるでランニングマシンにでも乗ってるみたいに一歩も変わらない
ユエツ(子供)
そう黒いのに向かって叫んだ瞬間
ユエツ(子供)
とたんに呼吸が楽になった
ユエツ(子供)
そう思ってまた走る
そうすると____
ユエツ(子供)
すぐについてしまった いつも通りの距離を走った気分だった
ユエツ(子供)
ユエツ(子供)
振り返っても何もないことを確信して 俺はお寺の引き戸を開けて外に出た
目が覚めると、おばあちゃんちだった
ユエツ(子供)
あたりを見渡すと、俺が寝ていたベッドはひいばあちゃんが使ってたもので すぐそばにはひいばあちゃんの遺影があった
ユエツ(子供)
何が何だかわかんなくなった俺は、考えるのをやめた
熱はもう下がり切っていた
ユエツ
ユエツ
ユエツ
ユエツ