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1年の砂時計

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1年の砂時計

1 - 幼く弱い身体

♥

28

2025年08月24日

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看護師

〇〇さん、ほら!可愛い女の子ですよ〜😊

〇〇!大丈夫か?

えぇ、でも…本当に可愛いわねぇ。

あぁ、君にそっくりだ。

看護師

ゆっくりお休み下さいっ、お名前はお決まりなんですか?

あまねです。雨が好きなので、雨の音は何かあった時、寂しい時に心を癒してくれるんです。だから雨に音と書いて、雨音。

いやぁ、この案を出された時はぐうの音も出なかったよ笑これ以上にいい名前を思いつかなかった!

看護師

ふふ、素敵なお名前ですねっ退院までしっかりとお休み下さい。

ふふ、雨音これからよろしくね。

私は雨音という名前で生まれた。 最初は嬉しかった。素敵な名前と純粋にそう思っていた。

雨音、1歳のお誕生日おめでとう!

雨音

わぁ…。

早くパパとママの名前を呼んでくれよ〜?

まだ早いわよ笑

いやぁ〜もう雨音も1歳か!早いなぁ

大きくなるまで一瞬よ!大人になるまで絶対に見逃しちゃいけないわよ

もちろんだ!雨音、大きくなれよ。

雨音

あぅあ!

あんなに元気にそう言ってくれていた父は1ヶ月後、仕事帰りに突然亡くなった。車による衝突事故だったらしい。別れとは突然来るものだ。

あの子の成長を一緒に見届けるとそう約束したのに…。

雨音

あっあ…。

この頃の私はまだこの時の母の感情や状況なんて分かっていなかった。なのに、何を思ったのかこんな時に限ってひとつの言葉を覚えた。

雨音

マ、マ?

……え?

雨音、今なんて?

雨音

ママ!

……雨音…ママ、雨音の為に頑張るよもう後悔しちゃいけないからね。

誰もが疑わずに平和が続くと思う。これは普通、永遠と続く。そんなの分からないのに……。

雨音ー!今日友達と遊ぶんじゃないのー!?

雨音

うん!

雨音

今から行く!

カバンを背負うとスキップしながら走りながら玄関のドア強く押し開ける。

気をつけていくのよー!

雨音

おーまーたーせっ!

友達

雨音ちゃん!

雨音

遅れてごめん!

友達

だーいじょうぶ!

雨音

〜ー!

友達

ー笑

雨音

ーー!

友達

あ、もうそろそろ帰らなきゃ。

雨音

えー!やぁだよぉ!もっと遊ぼー!

友達

え…でも〜。

雨音

私隠れるから!見つけれるまで帰さんぞー!!

友達

え!?ちょっと雨音ちゃーん!!

雨音

ここら辺ならばれないかな…。

雨音

へへっ今頃焦ってるだろうなぁ笑

雨音

冬なのにちょっと暑いなぁ……

雨音

へへ…見つけ…られる…………。

雨音

…………眠い。

雨音

あれ、ママ!なんでいるの?

雨音!よかった、心配したのよ。

看護師

雨音ちゃん、安静にしててね。

看護師

…少しだけお話させてもらっても
よろしいでしょうか?

…?はい。

どういう事ですか!?

看護師

お、落ち着いてください!

雨音が病気?まだあの子は11歳なんですよ!!

看護師

お気持ちは分かります…本当に申し訳ございません。

なんで…何もしてないのに何も悪いことなんて………………。

雨音

…ママ。

雨音…。

雨音

雨音元気になる?

大声で話すので、聞きたくなくても耳に入った。

ごめん、ごめんね。きっと良くなるから。だから…頑張って。

雨音

……。

お願い…ママに出来る事、全部するわだから怖がらないで、いつもどうりでいいのよ。

雨音

…うん!

最初は痛かったり苦しかったりなんて無かった。体が重くて動きずらくて、たまに気を失う事があるくらいだった。

今日は何を食べたい?消化にいい物なら買ってあげられるわよ。

雨音

んーとね、りんご!

りんご、今から買ってくるね!

でも日に日に酷くなって。

雨音?

雨音

ん…?

今日は何食べたい?

雨音

……何も、いらない。

でも少しは食べないと、今から食べやすいもの買ってくるから、ちょっと待っててね!

雨音

うん…

気を失う回数も増えたし、食事も喉を通らなくなって来ていた。

…そして数ヶ月が経った頃、

雨音

暑い…。

梅雨の時期の頃、夜中に目が覚めた。冷房がついているというのに、妙に暑く冷や汗をかいていた。

雨音

う"っ…。

体を起こした途端酷い目眩と吐き気に襲われる。

雨音

ま"、ま"ぁ"。

声が出ない、苦しい。多分もう終わりだ、そう悟るとその瞬間焦りと恐怖が込み上げてきた。

雨音

ぅ"ああ!

母と話したいもっと、もっと、話したい事が!もっと、もっと!

バンッ

そんな強い思いからか、私の身体は勝手に動いていた。走って、病院の人達に見つからない様に足をとめず…。

雨音

はぁはぁっ…

雨音

ま…まぁ……。

アドレナリンが出て動けていた身体も長く続かず、私は土砂降りの中、倒れた。

雨音

ぁ……ママ…。

夜夏

ママ?

雨音

……だ…れ?

夜夏

夜夏だよ。

雨音

ママ……。

夜夏

お母さんに会いたいの?

雨音

死にたく…無いよ……ママ…………ママ。

夜夏

あのね、あたし霊感あるの。

苦しむ私に構わず、彼女は話を続けた。

夜夏

人と関わるのが苦手で幽霊さんに身体を貸したりして、友達になってたんだぁ。

雨音

ゆう…れい……。

胡散臭い話に頭が混乱する。

夜夏

ねぇ、1年間あたしの身体貸してあげる。

雨音

ぇ……?

夜夏

その代わり条件があるの、友達を作って?

雨音

と…も……。

夜夏

そう!良い?

雨音

……。

正直信じれなかった。でも少しだけ希望が見えた気がして私は小さく頷いた。

夜夏

やったぁ!約束だよ?

雨音

あ……

夜夏さんが私の手を握った途端私の意識は途絶えた。

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