凛
あ、ありがと、う、
ございま、す…。
ございま、す…。
零
全然いいよ。
君、名前は?
君、名前は?
凛
…凛。
宮形…凛。
宮形…凛。
零
凛さん。
よろしくね。
よろしくね。
零
僕は高橋 零。
凛
れ、いさん…。
零
うん。
また何かあったら
呼んでくれたらいいよ。
A組にいるから。
また何かあったら
呼んでくれたらいいよ。
A組にいるから。
凛
え、そ、そん、な…。
零
迷惑だなんて
思わないよ。
怪我したら
駄目だからね。
思わないよ。
怪我したら
駄目だからね。
零
それじゃ、また。
凛
あ、は、はい…!
いつも、 誰かの優しさに 縋ることはやめていた。
縋ってしまったら、 彷徨いから抜け出せない 気がしたから。
それは、相手にも 私にも、 メリットがないから。
それは、相手も 分かったように 手を差し伸べられることは 無かった。
けれど、
彼の優しさには 縋ってしまいたいほど、
凛
(暖かい…。)
凛
た、だいま…。
母
凛。
お帰りなさい。
段差、気をつけてね。
お帰りなさい。
段差、気をつけてね。
凛
お、お母さん…
身体弱いんだ、から、
寝てない、と。
身体弱いんだ、から、
寝てない、と。
母
いいのよ。
莉亜
お姉ちゃんお帰り!
凛
り、あ?
莉亜
うん!
凛
だ、だいま…。
莉亜
部屋まで着いて行くよ!
凛
い、いよ。
凛
そ、ういえば、
お父、さんの
お墓参り、どう、する?
お父、さんの
お墓参り、どう、する?
莉亜
週末にでも行かない?
お母さんの通院帰りにでも!
お母さんの通院帰りにでも!
凛
莉亜、
友達、との、
約束、は?
友達、との、
約束、は?
莉亜
断ったよ?
凛
何、で…?
莉亜
ん〜行きたいって
ほどじゃ無かったし〜?
ほどじゃ無かったし〜?
凛
…そ、か。
母は昔から、 身体が弱かった。
不治の病だった。
父は通勤中の 事故で亡くなって、
今は、妹含め 3人で暮らしている。
もうすぐ父の命日。
私は、父の顔を 見たことはなかったけど、
私よりも一回り 大きくて、暖かい手で 撫でてもらったのを 今でも覚えている。
妹が生まれてすぐ、 亡くなってしまった。
父によく言われていた 事があった。
"人に優しくすれば、 いずれは自分に返ってくる。"
その言葉をいつも 信じて、 自分ができる程度に 皆に優しくした。
いつか、 そうなる日を信じて、 私は誰かに優しくした。
翌朝
零
あ、凛さんおはよ。
凛
お、はよ、
ござ、います…。
ござ、います…。
零
あ、段差大丈夫?
凛
あ…すいま、せん。
零
全然いいってw
気にしないで。
気にしないで。
零
教室まで
一緒に行こ?
一緒に行こ?
凛
あ、は、はい…。






