三日後
放課後・廊下
三雲 梨那
……
三雲 梨那
……
水島 茗斗
あれ、三雲サン
三雲 梨那
!
水島 茗斗
何、図書室の前でウロウロしてんの
三雲 梨那
……っ
三雲 梨那
べ、別に
三雲 梨那
通りかかっただけだし
水島 茗斗
俺は、沓木と佐崎さんが気になって
水島 茗斗
見に来たんだよ
三雲 梨那
!
水島 茗斗
どーも沓木、あれから毎日
水島 茗斗
図書室に入り浸ってるみたいだな
三雲 梨那
……
水島 茗斗
三雲も、図書室入らね?
三雲 梨那
……
三雲 梨那
私は……
図書室
佐崎 繭
わたし、国語や歴史は問題ないんですけど
佐崎 繭
理数系は壊滅で……
沓木 賢太郎
今度、僕が教えよう
佐崎 繭
え……いいんですか?
沓木 賢太郎
佐崎さんの薦めてくれた小説、とても面白かったから
沓木 賢太郎
そのお礼をしたいんだ
沓木 賢太郎
国内エンタメはあまり読まなかったのだが
沓木 賢太郎
食わず嫌いはいけないな
佐崎 繭
わたしも、沓木くんの薦めてくれた物理の本
佐崎 繭
ファンタジー小説みたいで、すごく面白かったです!
佐崎 繭
数式の部分はわからないけど……
佐崎 繭
並行世界解釈とか、量子テレポーテーションの可能性とか
佐崎 繭
とてもワクワクしました!
沓木 賢太郎
それを言うなら、ファンタジーではなく、SFだな
佐崎 繭
あ……っ、そうですね
佐崎 繭
SFも、読んでみようかなぁ
沓木 賢太郎
いいと思う
沓木 賢太郎
僕のお勧めはグレッグ・イーガンという作家で……
三雲 梨那
……
水島 茗斗
おお、めっちゃ盛り上がってんじゃん
三雲 梨那
……
三雲 梨那
(佐崎って子、私とは正反対のタイプだ)
水島 茗斗
よっ
水島 茗斗
お二人さん、仲良くやってんねえ
佐崎 繭
……!
佐崎 繭
み……っ、水島、くん……っ
沓木 賢太郎
水島? 三雲も……どうしてここに
水島 茗斗
え、俺たち『失恋してみたい同盟』の仲間じゃん?
沓木 賢太郎
なんだその同盟は
水島 茗斗
沓木、言ってただろ?
水島 茗斗
三雲と自分は、『失恋してみたい仲間』なんだって
沓木 賢太郎
ああ
水島 茗斗
俺も、失恋したことないし?
水島 茗斗
ちょっと、してみたいかなって
沓木 賢太郎
それで、同盟なのか
沓木 賢太郎
……で、何か活動はするのか?
水島 茗斗
さあ? それは沓木にまかせるけど
沓木 賢太郎
ふむ
水島 茗斗
あ、そーだ。佐崎さん
水島 茗斗
佐崎さんも、同盟に入らない?
佐崎 繭
えっ!?
水島 茗斗
考えといてよ
水島 茗斗
俺、バイトあるから帰るわ
水島 茗斗
あと三雲、合コンの件まとまったから、LIMEしとく
三雲 梨那
……わかった
沓木 賢太郎
おい、水島!
水島 茗斗
じゃな!
三雲 梨那
……
三雲 梨那
お邪魔みたいだから、私も帰る
沓木 賢太郎
どうした三雲、不機嫌な顔して
三雲 梨那
これは地顔!
佐崎 繭
……
沓木 賢太郎
騒がしくして、すまなかったな
佐崎 繭
皆さんは、お友達なんですか?
沓木 賢太郎
そういうわけでもないが
佐崎 繭
……水島くんと三雲さんって
佐崎 繭
付き合ってるんでしょうか?
沓木 賢太郎
え?
沓木 賢太郎
いや、そういうことではないと思う……
佐崎 繭
……
沓木 賢太郎
どうした?
佐崎 繭
水島くんが言ってた、『失恋してみたい同盟』に入らないかって
沓木 賢太郎
ああ
沓木 賢太郎
気にしなくていいぞ
佐崎 繭
いえ……
佐崎 繭
わたしも……『失恋してみたい同盟』に入りたい……、です
沓木 賢太郎
え?
佐崎 繭
ご迷惑、ですか?
沓木 賢太郎
そんなことはない。歓迎するよ
沓木 賢太郎
君も、失恋してみたいのか?
佐崎 繭
……してみたいっていうか
佐崎 繭
するに決まってるんですけど、ね
佐崎 繭
あはは……
佐崎 繭
わたしなんて、相手にされないだろうから……
沓木 賢太郎
そんなことは
佐崎 繭
わかってるんです、彼とは、住む世界が違うって
佐崎 繭
(でも、どうせ失恋するなら)
佐崎 繭
(少しでも、近くに行ってみたい……)
沓木 賢太郎
……
佐崎 繭
……あ、ごめんなさい
佐崎 繭
こんな話、退屈ですよね
沓木 賢太郎
いや
佐崎 繭
なんだか、沓木くんって、話しやすくって
佐崎 繭
男の人と話すの、苦手だったのに……不思議です
日曜・カラオケ店
三雲 梨那
……
三雲 梨那
(……どうして)
舘山 琉生
久しぶりだね、梨那
三雲 梨那
琉生《るい》……くん
三雲 梨那
なんで……
水島 茗斗
ああ、琉生は南高生じゃないんだけど
水島 茗斗
合コンの話したら、参加したいって
水島 茗斗
俺のバイト仲間なんだ
水島 茗斗
てか、二人、知り合い?
舘山 琉生
うん。梨那と僕は
舘山 琉生
お互い、はじめての相手なんだ






