ぷりん組のHiレベルな美少年。

遠くから聞こえる、

元気いっぱいの大きな声。

ピアノの後ろからひょっこり顔を出し、

手を振りながら私の名前を呼ぶこの子は、

浮所飛貴くん。

ピアノの所まで近寄って目線を合わせると、

ぎゅーっと抱き着かれる。

そういうと、

さっきよりもキツくぎゅーっとつっつく飛貴くんの体。

自分で言うのもなんだけど、

何故か私は飛貴くんに好かれている。

龍我くんを抱っこしているのを見つけた時も、

なんて無理矢理龍我くんの足を引っ張って、

龍我くんが離れた隙に私に抱き着いたり。

おやつの時間の座席だって、

毎回こうやって那須くんと揉める。

間に入って止めると毎回、

飛貴くんは私にべったり。

くっ付いて離れないから、

結局は飛貴くんの言う通りで、

隣にこてんと座ってニコニコっと笑う。

そんな飛貴くんは毎日、

お迎えの時間になると、

絶対に私から離れてくれない。

ぎゅーっとくっ付いて離れない飛貴くんに、

いつも困ってしまう。

なんて言っても、

"ずっと一緒がいい"

と言われ、

なんて返せばいいのか、

いつも頭を悩ませてしまう。

忘れてた、

今日は飛貴くんが通っている体操教室の日。

この日だけは、

上手く引き離せる方法がある。

そういうと、

くりっとした目でニコニコと微笑んで、

そういうと、

"やくそくー！"

なんて小指を差し出してくれて離れてくれる。

そして手を振りながら体操教室へ。

次の日、覚えた技を何回も見せられるけど、

褒めるとニコっと笑顔になって、

"すごいでしょー！！"

と言ってきてくれる。

園児に好かれるのも、

案外悪くないかも。