テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
44
主
主
⚠︎nmmn注意⚠︎ ⚠︎キャラ崩壊注意⚠︎ ⚠︎誤字脱字注意⚠︎ ⚠︎神様パロ⚠︎ ⚠︎︎自傷行為(精神不安定)⚠︎︎ ⚠︎︎重め⚠︎︎
主
主
主
番外編 リクエスト
六奏神社の夜は、静かだった。
風は穏やかで、鈴の音もやわらかい。
昼間のざわめきが嘘みたいに、すべてが落ち着いている。
けれど――
ℐ
縁側で、いるまがぽつりと呟いた。
誰もいない。
なつたちは、それぞれ別の用事で外に出ている。
一人きり。
ℐ
創造の神は、手を持て余すとろくなことをしない。
それを、本人も分かっているはずなのに。
境内の奥。
普段はあまり立ち入らない、小さな社。
古く、ひっそりと佇んでいる。
ℐ
いるまは、首を傾げた。
記憶にはある。
けれど、意識して近づいたことはない。
妙な違和感。
ℐ
軽い気持ちで、手をかざす。
創造の力。
ほんの少し、触れてみるだけのつもりだった。
ℐ
構造を“ほどく”。
組み直すための、いつもの感覚。
――その瞬間。
ℐ
違和感が、走った。
崩れた。
音は、なかった。
ただ、確かに“何か”が途切れた感覚だけがあった。
ℐ
手を引く。
けれど遅い。
社は、形を保ったまま――中身だけが消えていた。
ℐ
創造は、本来“新しく作る力”だ。
だが、構造を読み違えれば。
存在を、維持できなくなる。
――そこにあったものは。
ただの建物じゃなかった。
ℐ
いるまの声が、低くなる。
空気が変わっていた。
境内の一部が、妙に軽い。
空洞みたいに。
ℐ
ℐ
人の願いか。
過去の記憶か。
あるいは――
消えては行けない、“何か”。
ℐ
再構築しようとする。
けれど。
ℐ
形は戻せる。
見た目も作れる。
でも。
“中身”が無い。
さっきまでたしかにあったはずのものが、どこにも見つからない。
ℐ
喉が、酷く乾いた。
ℐ
考えた瞬間、思考が止まる。
創造の神は、壊すこともできる。
分かっていた。
でも。
ℐ
そんな言い訳に、意味はない。
結果だけが残る。
消えた。
戻らない。
ℐ
乾いた笑いが、漏れた。
ℐ
軽い気持ちだった。
ただの暇つぶし。
それで。
ℐ
胸の奥が、強く締まる。
呼吸が浅くなる。
ℐ
息を吸うのが、下手になる。
視界が、少し歪む。
頭の中で、声が響く。
――創造は、責任だ。
――作るってことは、壊すことと同じだ。
誰かが、昔言っていた。
たぶん、らんか。
それとも、すちか。
ℐ
分かっていて。
軽く扱った。
ℐ
ぽつりと呟く。
自分に向けて。
どうしようもなく、嫌悪が湧く。
ℐ
ℐ
ℐ
思考が、どんどん暗く沈む。
止まらない。
ぎり、と拳を握る。
何かを壊した衝動が、まだ手に残っている気がして。
それが、気持ち悪くて。
消したくて。
ℐ
息が乱れる。
胸の奥がざわつく。
落ち着かない。
何かで紛らわさないと、自分が自分でいられなくなる気がした。
𝒩
不意に、声がした。
振り向く。
なつだった。
帰ってきたのか。
𝒩
言いかけて、止まる。
空気の違和感に気づいたらしい。
𝒩
なつの表情が変わる。
𝒩
言葉が出ない。
喉が詰まる。
代わりに出たのは。
ℐ
かすれた声。
ℐ
短い事実。
沈黙。
風の音だけが、通り過ぎる。
なつは、すぐに何かを言わなかった。
ただ、ゆっくり近づいてくる。
𝒩
静かな声。
ℐ
いるまは、目を逸らした。
ℐ
言葉が、重くなる。
ℐ
なつは、少しだけ息を吐いた。
𝒩
それだけだった。
責めるでもなく。
怒るでもなく。
ただ、受け止めるように。
ℐ
いるまが、低く言う。
ℐ
𝒩
なつは、即答した。
𝒩
いるまは、少しだけ目を見開く。
ℐ
𝒩
まっすぐな言葉。
逃げ場がない。
ℐ
言い返せない。
図星だった。
頭がぐちゃぐちゃで、何を言われてもまともに受け取れない。
𝒩
なつが続ける。
𝒩
そこで一度、言葉を切る。
𝒩
視線を合わせる。
𝒩
その一言で。
張り詰めていた何かが、少しだけ緩んだ。
ℐ
何も言えない。
でも。
呼吸が、ほんの少しだけ楽になる。
しばらくして、ほかの四人も戻ってきた。
状況を見て、すぐに理解した。
らんは静かに流れを探り、すちは空間の歪みを整え、こさめは残った気配を集め、みことは全体を守るように結界を張る。
完全には戻らない。
けれど。
“ゼロ”にはならないように。
作業が終わった頃。
空気は、少しだけ安定していた。
欠けたまま。
でも、崩れない。
ℐ
いるまが、小さく言った。
誰に向けたのか分からないまま。
ℒ
らんが静かに言う。
ℒ
𝒮
すちが続ける。
𝒦
こさめが、少しだけ強く言った。
𝒩
なつが最後に言う。
いるまは目を閉じた。
ℐ
逃げたら、また壊す。
今度は、もっと大きく。
だから。
ℐ
自分がやったことを。
その重さを。
全部。
番外編 リクエスト
コメント
1件
本当にありがとうございます✨