主
主
主
主
主
主
主
※注意※ ・若干ホラー ・いむくんヤンデレ気味 ・死ネタ ・BAD END
※このストーリーはフィクションです ご本人様とは一切関係ありません
主
この世にいる人たちは、みんな、生まれたときから一つのコップを持っている。
そのコップには、自分を象徴する色の飲み物が入っていて、歳を重ねるにつれ、飲み物は減っていくのだ。
そう、その飲み物は、自分の命を表している。
飲み物の量は、残りの寿命と比例していて、余命宣告をされている人の飲み物の量は、少なかったりする。
俺が大好きないむくん。 いむくんの飲み物の色は、水色だった。
量だって、極端に少なくない。 けれど、いむくんの飲み物は、黒ずんでいた。
いむくんは、残り僅かの命だった。
それでも、いむくんは毎日元気に学校に来ていた。
ガラッ
教室のドアが開くとともに、水色の髪をした男子が見える。
彼も、俺を見つけた途端に弾けるような笑顔になって手を振った。
-hotoke-くん
初兎くん
いむくんの反応とは裏腹に、俺が心配そうに聞くと、いむくんは口を膨らませて俺に言う。
-hotoke-くん
-hotoke-くん
そう言って再び笑ういむくん。 その笑顔は、どこか無理しているように見えた。
とある日曜日の朝。 ニュースを見ていると、ある情報が目に入ってきた。
ニュースキャスター
初兎くん
「life drink」とは、命と比例している飲み物のこと。 それが相手に分け与えることができるようになったのだ。
しかも、相手のlife drinkを、ストローを使って飲むというとても簡単な方法。
初兎くん
いむくんに俺のを分け与えたら、いむくんの寿命はのびる…?
そう考えると、居ても立っても居られず、いむくんに連絡した。
初兎くん
-hotoke-くん
初兎くん
-hotoke-くん
通話して、いむくんにニュースを見るよう言うと、少しの間沈黙が流れる。
その沈黙を破ったのは、いむくんだった。 驚いたような声で答えが返ってくる。
-hotoke-くん
返ってきた言葉は、どこか他人事のよう。 そんないむくんに軽く呆れながら会話を続けた。
初兎くん
初兎くん
-hotoke-くん
初兎くん
俺が当たり前のようにさらりと言うと、いむくんは悲しそうな声で 言葉を返した。
-hotoke-くん
初兎くん
-hotoke-くん
初兎くん
-hotoke-くん
突然電話の向こう側から声が聞こえなくなった。 何かあったのかと心配に思っていると、再びいむくんの声が聞こえてきた。
-hotoke-くん
その声は、鼻が詰まっているのか若干こもっていて、ところどころグズグズと 鼻をすする音がした。
あれから数日。 俺といむくんの仲に亀裂が入るような出来事はなく、むしろいむくんと俺の関係は深まっていた。
-hotoke-くん
初兎くん
-hotoke-くん
初兎くん
-hotoke-くん
-hotoke-くん
そう言ってまた弾けるような笑顔で笑ういむくん。 そんな彼の笑顔に、俺もつられて笑顔になるのだった。
そうして、これからも、いむくんと俺は、仲良く毎日を過ごしていった
はずだった。
ここ最近は、何かおかしい。
学校にいむくんの姿が見えなくなったのだ。 連絡もつながらない。
その上__、
男子生徒
女子生徒
女子生徒
俺の方に視線を向けながら、コソコソと心無い言葉を投げかけるクラスメイト。
俺の心にグサグサと刺さっていくのを感じて、はあ、と大きなため息を吐いた。
俺はそう言われるような行動は何一つしていない。 それなのに、クラスメイトだけでなく、他のクラスの奴らからも煙たがられる日々。
もう、耐えられなかった。
でも、大好きないむくんと共有した命。 俺はどうしてもこの命が手放せなかった。
初兎くん
そう呟きながら、とぼとぼと歩く帰り道。
学校ではみんなから煙たがられるし、大好きな親友のいむくんとは連絡が取れない。
吸う息がないほど 深いため息を吐いた。
その時、
???
俺の名前を呼ぶ声がした。
いむくんだ。いむくんの声だ。
久しぶりに聞く懐かしい声に涙が出そうになる。
声がした方を見ると、とてつもない衝撃が俺を襲った。
そこにいたのは、"俺"だった。
こめかみ辺りで跳ねている髪型。髪の色は白。 紫色の瞳。 そして、左頬にある「LOVE IT」。 何もかもが似ていた。
-hotoke-くん
そう言って笑顔になるいむくん。 声は前と同じ、いむくんのままだった。
俺の顔が口角を上げ、目を嬉し気に閉じる。 前のいむくんがしていた笑顔の表情じゃない。
何か裏があるような、黒に染まったような笑顔だった。
初兎くん
初兎くん
-hotoke-くん
驚きで声も出ない俺にゆっくりと近づくいむくん。 その時の表情は、あの時の、無邪気で可愛い顔じゃなかった。
-hotoke-くん
-hotoke-くん
そう言いながら、俺を幼い子供かのように腕で包み込む。 さっきまでこの世の者とは思えないほど怖い表情をしていたのに、今は、まるで赤ん坊に向ける優しい表情だ。
前まではその顔に安心していたが、今では恐怖心すら感じる。
初兎くん
恐怖と混乱で息が荒くなりながら抵抗する俺。 そんな俺に目もくれず、いむくんは言葉を続けた。
-hotoke-くん
-hotoke-くん
しょーちゃんの全部、僕にちょうだい?
そこで、俺の意識は途絶えた。
~軽く解説(解説を見たくない方は、最高速でお逃げ下さい~
いむくんの命はもとから黒ずんでいて、黒ずんだ状態では、死んでしまう状態でした。
だから初兎くんはいむくんを助けようと、自分の命を分け与えました。 しかし、いむくんは学校に来なくなって、初兎くんはみんなから無いことで煙たがられるように。
久しぶりに見たいむくんの姿は、初兎くんにそっくり。
自分の命は自分の色。 初兎くんの"自分"をもらって、いむくんは初兎くんそっくりになりました。
さて、では何故、いむくんの声や性格は初兎くんそっくりにならなかったのでしょうか?
それは、いむくんが初兎くんの命と自分の命を混ぜたから。
黒ずんでいたいむくんの"自分"と、初兎くんの"自分"。
初兎くんのことが大好きないむくんは、初兎くんにそっくりになっていく自分に嬉しさを感じていました。
いつしか、その気持ちは少し形を変えてしまって__
初兎くんのすべてをもらって、初兎くん自身になったいむくんは、 自分を愛すことが出来るのでしょうか?
-hotoke-くん
主
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主
主
主
主
コメント
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編集ありがとう! とても奇抜なアイデアですね! 素敵な作品をありがとう〜✨