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白黒バージンロード

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白黒バージンロード

1 - ウエディングドレス

♥

70

2023年05月05日

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※今回はメア様あんまり出てこないです。 ※モブモンスターが出てきます。 ※重要→次話はちょっと残酷描写があります。

それでも良いよって方はどうぞ~

Nightmare

このAUを落としに行くぞ。

NightmareとCrossの2人だけでAUを落としに行く事になった

Nightmare

○○(借AU名)は比較的扱いやすいAUらしい。Cross、貴様を選んだのだ。せいぜい足を引っ張るなよ。

Cross

…Nightmare先輩の仰せのままに。

Nightmareからこれから奇襲をかけるAUの説明を少し聞いてからそこに向かう

Cross

(先輩の足を引っ張らないようにしなくては)

奇襲、と言ってもモンスターを直に襲ったりする訳では無い

先輩は自ら手を掛けるより客観視でモンスター同士の混乱─及び争いから得られるネガティブが好きだと言っていた

数日かけてコツコツとスープを煮込むようにじっくり仕込むとそれはそれは質の良いネガティブが取れるんだとか。 そして今回も同様のパターンらしい。

その為に俺の役割はモンスター同士が拗れて疑念や不信、嫌悪感を抱かせるために有ること無いこと住民達に吹き込まなければならない。

勿論それはモンスターにとって都合の悪いことだ

ここのAUは同じモンスター同士でも格差が激しいらしく、貧富の差が問題で仲割れが起きているらしい

カーストが高い者は優遇され低いものは冷遇されるのだ

Nightmare

……おい、Cross聞いているのか。

Cross

あ、はいすみません…ボゥっとしてて…

Nightmare

はぁ…全く。これからAUを奇襲しに行くのにそんなんじゃ危険だぞ。

Cross

うっ…すみません。

Nightmare

まぁいい。次から気をつけろ。

Nightmare

それで話の続きだが───

その後先輩からモンスターにどんな情報を流すかどんな風格で行くか、色々教えられた

こういう"演技"はあまり失敗しないから自信がある

まぁどうせバレたとしても最終的には消される運命のAUだ。先輩の期待に応えられるように集中しよう

先輩が床に作った黒くドロドロとしたポータルに身体を預け、目を閉じる

Nightmare

……着いたぞ

目を開けるともうそこは目的のAUだった

Cross

"………えぇ、はい。健闘を祈ります。"

Cross

"どうか貴方達の生活に希望が差し込むことを願っています"

Cross

"私は貴方達の味方です"

嘘で塗り固められた言葉を目の前のモンスターに並べると彼らはまるで俺を神様のように扱った

俺は上流家庭のモンスター。及び上位カーストという設定で周辺のモンスターに演技をしている

Cross

(…あと数日もすればここも戦争の地になるだろう)

媚びを売って気に入られようとする奴もいればただ純粋に持て成してくれたりするモンスターもいた。

…あ、俺を余所者だと貶して来たやつが俺の地位が高いと知ったあとの媚びの売りようと言ったら笑えたな

クツっと笑い今日の所はこれでお終いにしようと先輩の所に帰ろうとすると、後ろから声が掛けられた

犬のモンスター

おやアンタ、他所から来たのかい?

振り返るとそこには仲の良さそうな2体の犬モンスターがいた

犬のモンスター

こんにちわ。スケルトンのモンスターなんて珍しいわね

Cross

はは…どうも。こんにちは

犬のモンスター

何かモテなすもんでもあれば良かったんだけどな〜。俺たち貧困民だからそんなこと出来ないんだよ。悪いな。

Cross

いえ、とんでもないです。お気持ちだけで十分ですから。

犬のモンスター

あら…しっかりした子ね。私達はもう行くけどゆっくりしていってね。

Cross

はい。ありがとうございます。

Cross

(………ん?)

去り際にパサりと女モンスターのカバンから何か紙のようなものが落ちた

Cross

あの、なにか落としましたよ

これは─

Cross

(ドレスとタキシード?)

色んな種類のウェディングドレスやタキシードが載ったパンフレットだった

犬のモンスター

あ、あぁ…私ったらやだわもう

犬のモンスター

おいおい無くしたら大変だぞ?ありがとうな骨坊主

Cross

当然のことをしたまでですから(骨坊主…)

犬のモンスター

何かお礼をしてあげたいんだけど…ごめんなさいね。何も持ち合わせてなくて

Cross

いえいえ、大丈夫です。……あの、お2人はご結婚なされるんですか?

そう言うと2人は目をパチクリさせた後顔を見合ってニコリと微笑んだ

犬のモンスター

そうよ

犬のモンスター

そうだ

あの後俺は先輩の元に行って無事アジトに帰ってきた

先輩と次の奇襲の説明を聞いてから自室に戻り、ベットに体を預ける

Cross

ふぅ…今日は疲れたな

どっと一日の疲れが押し寄せてくる。いっそのこと一眠りしてしまおうか。

Cross

……そういえばあのモンスター達

あのモンスターというのは犬型モンスターのこと

話を聞いた限り2人は近いうちに結婚式をあげるらしい

あのAUを奇襲するということは彼等も殺さなくてはならない

彼等はきっと結婚式を挙げられずに、または結婚式の最中に戦争に巻き込まれて…少し気の毒だ

Cross

(…やめた。情をもったら面倒だ)

Cross

(そういえば…)

服装や見た目、生活物資の乏しさから彼等は貧困層の者だと推測できるが、結婚式なんてそんなお金どこにあるのだろうか

しかし直接聞く訳にもいかなくその後少し話をして彼らと別れた

Cross

(…愛の力ってやつか)

馬鹿にしてる訳では無いが実感が湧かない

Cross

(でも2人は確実に愛し合ってた)

羨ましいと思う気持ちの中に一瞬だけ先輩の姿が見えた

Cross

(─!!)

Cross

ははっ…報われないものだって分かってるのに…

思わず顔を覆った

先輩には秘密にしているが俺は彼のことが好きだ

初めは寧ろ嫌いだったが、力強く誰にも恐れない真っ直ぐな彼を見て次第に惹かれていった

でも彼は誰もが恐れる闇の帝王

そんな彼と付き合えるなんて頭が高いにも程がある

だから俺はきちんと自分の立場を弁えてこの感情を押し殺しながら彼に使えている

Cross

(……でももし付き合えたら)

そうだ、あのパンフレットで見たウエディングドレスの中に彼に似合いそうなドレスがあったな

Cross

…着てくれないか…な。

あぁ睡魔には勝てないな。

微睡みに吸い込まれていく中俺は彼のウエディングドレスの姿を想像した

彼の黝い体はきっと純白のドレスが映えるだろう。

Cross

きっと、似合う……のに

意識が完全に闇の中に溶け混んでそのまま俺は深い眠りに落ちた

白黒バージンロード

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コメント

4

ユーザー

んんんンンンッ!!!!!クロメアありがとうございます!もう死んでもいい.........てか死んだ

ユーザー

いつかやりたいと思ってたクロメア結婚式です。 ※モブモンスターが登場します。残酷描写、心が痛む描写があります。

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