〜百瀬 side〜
電車とバスに揺られて、いつもの 都市部から自然の多い田舎町へと来る
百瀬
相変わらず一面畑の、のどかな町
ここが、俺のじいちゃん達が 住んでいる町だ
久しく帰っていなかったけど、 風景にあまり変わりはない
百瀬
???
バス停近くでキョロキョロと 周りを見回していると、 とある人に声をかけられる
七瀬
百瀬
この人は、俺のいとこの鳴海七瀬さん
七瀬姉さんの父親……俺の父さんの お兄さんが家を継いでるから、その 子供の姉さん達も実家暮らしをしてる
そんで今日は、その家まで車で 送ってもらう為に連絡してたんだ
七瀬
百瀬
数年ぶりの再会早々、 頭をわしゃわしゃと撫でられる
百瀬
百瀬
七瀬
百瀬
流石田舎といったところか、 俺と大して歳の変わらない人でも、 ゴリゴリの訛りを披露してくる
七瀬
百瀬
上手いこと受け流しつつ、 姉さんが乗って来た車に荷物を 乗せて、自分達も乗り込む
七瀬
百瀬
七瀬
百瀬
流石にその言い方はどうなんだと 思いつつ、窓から外の景色を眺める
百瀬
七瀬
百瀬
ぼーっと外の畑達を眺めたまま、 軽い返事をする
七瀬
百瀬
百瀬
まさかの問いに、物凄い勢いで畑から 運転席にいる姉さんを振り返る
百瀬
七瀬
百瀬
別支部も気になるところだけど、 どうやって情報が流れたのかが 気になってしょうがない
七瀬
百瀬
七瀬
百瀬
百瀬
七瀬
百瀬
一体何が何だか分からないまま、 俺らの乗る姉さんの車は、畦道から 山の中へと進んでいく
……とにかく、じいちゃんに 聞けば何もかも分かるはず
百瀬
畑地帯を抜けた山奥にひっそりと 建っている、一際大きい日本家屋
ここが鳴海の実家であり、何なら この周辺は、みんな“鳴海”の人達だ
言わば、親戚だけで形成された集落
誰がどういう繋がり方してんのかは 知らんけど、集まりで会ったことは あるから、みんな顔見知りではある
綺麗に整えられた庭を抜けて、 玄関の引き戸まで辿り着く
そのまま俺の前にいた七瀬姉さんが、 鍵を開ける素振りも見せずに、 ガラッと扉を勢いよく開けた
七瀬
それから、大声で廊下に 向かってそう叫ぶ
七瀬
百瀬
俺も室内に入って、二泊分の荷物を 詰めたキャリーケースを押していく
百瀬
1人で使うには少し広い和室
綺麗に掃除がされていて、壁際には 敷布団が畳んで用意されている
百瀬
何故か七瀬姉さんが魔法のことを 知ってたし、支部とか本部とか、 よく分からない話も出てた
百瀬
でもこの調子なら、例の“BoE”に ついても、この家の誰かが 何かしら知ってる気がする
百瀬
長旅だったこともあって、 少し部屋で休んでから、 人がいるであろう居間に行く
七瀬
睦美
すると、少し奥にある台所に、 七瀬姉さんと伯母の睦美さんがいた
睦美
百瀬
睦美
百瀬
七瀬
睦美
百瀬
七瀬
百瀬
七瀬
百瀬
七瀬
百瀬
睦美
教えてもらった通りに廊下を進んで、 目的の部屋の前まで来る
百瀬
和瀬
襖を開けると、和瀬じいちゃんが 部屋の中で座っていた
百瀬
和瀬
百瀬
“わい”は、確か“お前”って 意味だったっけ
昔教えてもらった記憶を ぼんやりと思い出しながら答える
和瀬
百瀬
じいちゃんの向かいに座って、 改めてこれまでの話をする
魔力が覚醒して魔法使いになったこと
鍵を使って予言書を見つけたこと
その予言に書かれた厄災とやらを、 予言通りに集まった7人で阻止して、 一度全てを終わらせたこと
百瀬
和瀬
百瀬
和瀬
百瀬
和瀬
百瀬
おかしい、何だか話が違うぞ
百瀬
百瀬
和瀬
百瀬
……多分、漫画か何かのことか?
でもアテが外れたのはまずい、ここが 唯一の情報源だと思ったのに……
百瀬
和瀬
百瀬
意味はないかもしれないけど、 ダメ元で聞いてみる
和瀬
あれ、少し反応が変わった……?
百瀬
和瀬
百瀬
オルコットの名前に反応するって ことは、間違いない
百瀬
和瀬
和瀬
百瀬
和瀬
ようやく折れてくれたのか、ため息を 吐きながらそう言うじいちゃん
百瀬
和瀬
百瀬
確かに、現世じゃ魔法を 認知してる人はほとんどいない
さっきの七瀬姉さんみたいに、 魔法使いでもない人が知ってる なんて、尚更あり得ない世界だ
和瀬
和瀬
コメント
3件
おおお……バリバリの長崎弁w 調べてから読んだけどお母さんが 言ってることなるせちゃんと同じで『何て?』 ってなってたw で、今回の情報は何故かなるせちゃんの いとこの七瀬さんが魔法のことを知ってる? 七瀬さんも魔法使いなのかと思ったら一般人? 支部とか本部って何?そしておじいちゃんは ほとんど知らない…?じゃ♡♡♡せちゃんが 聞いたのは……?謎が深まるばかりだ…… 続き楽しみにしてまーす!