コメント
2件
えっ?めちゃくちゃ予想外なんですけど… 脱獄した?
さかのぼること十数分前。
ヒメとマドカ(主にマドカ)から締め出しを喰らってしまったツヨシとカシンは、そのまま車内にて待機することなった。
ツヨシ
ツヨシ
カシン
カシン
カシン
ツヨシ
ツヨシ
ツヨシ
ツヨシ
カシン
カシン
ツヨシ
ふと、ルームミラーで後ろを見たツヨシは、やや小声で続ける。
ツヨシ
ツヨシがミラー越しに確認したのは、この街中で軍服という目立つ格好をし、それよりも印象的なガスマスクを被った人物だった。
しかも、バイクに乗っており、加えて片手には鉄パイプらしきものが握られている。
下手をすれば、すでに誰かに通報されていてもおかしくはない格好だった。
カシン
ツヨシ
ツヨシが言いかけた時、停車していたツヨシの車両を追い越しざまに、そのガスマスクは鉄パイプを振り上げた。
時がゆっくりと流れ、ガスマスク越しではあるが、その人物と目が合ったような気がした。
と、次の瞬間、勢いよく鉄パイプが振り下ろされた。
ツヨシ
鉄パイプは運転席サイドの窓ガラスに命中。
ツヨシの真隣の窓ガラスが粉々に砕ける。
ツヨシ
カシン
カシン
後部座席から身を乗り出すカシン。
ツヨシ
カシン
カシン
カシン
ツヨシ
ツヨシ
カシン
ツヨシ
ツヨシはアクセルを踏み込むと、どんどん小さくなるバイクを追いかける。
カシン
カシン
運転席の窓ガラスが割れてしまっているがゆえに、どうしても会話が大声になってしまう。
ツヨシ
カシン
カシン
カシン
ツヨシ
カシン
カシン
カシン
ツヨシ
カシン
ツヨシは小さく溜め息を漏らすと、右折する。
バイクはまだまだ遥か前方。
この日がど平日の昼間ということが逆に助かったか。
人通りも少なく、車通りもほとんどない。
平日の住宅街など、こんなものなのかもしれない。
だからこそ、あんな奇妙な格好で襲撃しても目立たなかったのかもしれないが。
カシン
カシン
ツヨシ
カシンの指示に従って車を走らせるツヨシ。
ツヨシ
カシンの的確な指示に思わず感心してしまう。
いつしか追いかけていたはずのバイクは見当たらない。
知らぬうちに追い抜いてしまったようで、気がついたら大通りに出る手前の道に出ていた。
カシン
カシン
ツヨシ
カシン
カシン
ツヨシ
そうこうしている間にバイクのエンジン音が聞こえてくる。
ツヨシ
そう言いつつ、大通りへと出る道路を遮るようにして車を停める。
もちろん、一般人にすぎないツヨシに、そんな権限はなく、事情を知らない人間からすれば良い迷惑だろう。
しかしながら、こうするより他に方法が思いつかない。
ツヨシ
運転席でバイクが来るのを待つ。
エンジン音が徐々に近づいてきて、バイクの姿が見えた。
ツヨシ
カシン
ツヨシ
カシン
ツヨシ
このままでは間違いなく逃げられてしまう。
住宅街の中に封じ込めはできても、それ以上はどうにもならないだろう。
追いかけるには車が必要だが、しかし大通りへと続く道を封鎖する車を動かすわけにはいかない。
と、ツヨシがあれこれ迷っている間にバイクはどんどんと近づいてくる。
ツヨシ
カシン
ツヨシ
ツヨシ
ツヨシは車から降りると、仁王立ちになってバイクの前に立ちはだかる。
ツヨシ
ツヨシ
ツヨシはそう叫ぶと、バイクに向かって地面を蹴った。
さすがに予期しないことだったのであろう。
バイクは急減速する。
その瞬間を見逃さず、ツヨシはバイクにまたがる【革命軍】に渾身のタックル。
それでも、まだバイクのスピードは出ていたため、ツヨシは【革命軍】と一緒に弾き飛ばされてしまった。
バイクが地面に擦れる音、後に聞こえた小さな衝突音。
ツヨシ
ツヨシはゆっくりと立ち上がると、自分の愛車の姿を見て唖然とする。
愛車の脇腹に、横になったバイクが突き刺さっていたら、そりゃオーナーとして言葉を失う。
カシン
カシン
後部座席から転がるようにして降りてきたカシンは、そのまま倒れている【革命軍】の元へ。
カシン
カシン
【革命軍】は気絶をしているらしく、そのガスマスクを剥ぎ取ったカシンが呟く。
ツヨシ
ツヨシはカシンの元へと向かい、そして気を失っているであろう【革命軍】の素顔を見て言葉を失った。
ツヨシ
カシン
2人が見たその顔は――。
ツヨシ
かつての【3D事件】の事実上の実行犯、担任だった志賀であった。