テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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君を知って愛を知る

第1話 - ep.Ⅰ 真逆の出会い

2025年03月09日

#一次創作

#創作

#創作男女

#NL

あまいちゃん

[カップリング設定] 愛を知らない金持ち御曹司 × 愛を知っている貧乏少女

[メイン登場人物紹介]

古宮幸

名前┊︎古宮幸
（ふるみやさち）
年齢┊︎16歳
身長┊︎170cm
職業┊︎学生
趣味┊︎裁縫
特技┊︎節約
[備考欄]
シングルマザーの母親の元で育った。母親の手料理とお弁当が大好き。貧乏なため、制服を買うお金が無く、常に年季の入ったジャージを着ている。貧乏だけど幸せ。

鐡岳斗

名前┊︎鐡岳斗
（くろがねがくと）
年齢┊︎16歳
身長┊︎186cm
職業┊︎学生
趣味┊︎風景撮影
特技┊︎ほぼ何でも完璧にできるため分からない
[備考欄]
CAの母と大企業の社長の父の元で生まれ育った。両親はどちらも忙しいため、幼い頃から世話係の人に育ててもらっている。金はあるが幸せを感じない。

‎꙳⟡

❥𝑠𝑡𝑎𝑟𝑡❥

【朝の8時／学校の廊下にて】

╭━━━━━━━━╮ <きゃー！岳斗様よ~♡ ╰━━━━━━━━╯

╭━━━━━━━━╮ <今日もかっこいい~♡ ╰━━━━━━━━╯

鐡岳斗

ふん...耳障りな奴らだ。

鐡岳斗

毎日毎日飽きないのか。

岳斗が登校すると毎朝女子生徒の黄色の歓声が響き渡る。岳斗はうんざりしながら歩いていると、女子生徒の集団に声をかけられた。

女子生徒A

岳斗様~♡今日は天気もいいですし中庭で一緒にお弁当を食べませんか~？

女子生徒B

私もご一緒したいです~♡

鐡岳斗

断る。

岳斗は躊躇いもなく答えると、颯爽と立ち去って行った。

女子生徒A

あっ、岳斗様~！

女子生徒B

今日も捕まえられなかったね~

女子生徒A

そんなところも素敵！！

【朝9時／1-Aクラスの教室にて】

╭先生━━━━━━━━━━━╮ <であるからして~、答えはこうなる ╰━━━━━━━━━━━━━╯

静かな教室の中、先生だけの声が響き渡る

女子生徒たちは岳斗に熱い視線を向け、男子生徒は岳斗に嫌悪の視線を向けていた

岳斗は窓際の席で頬杖をついて窓の外を見つめながら黄昏ていた

鐡岳斗

...

女子生徒C

岳斗様横顔綺麗すぎるんですけど...！（小声

女子生徒B

ね~！まつ毛が光に当たって輝いてる...（小声

しかし、岳斗は隣から聞こえてくる耳障りな音が耳に入り、眉間に皺を寄せながら隣を見た

古宮幸

~♪

隣の席の古宮幸がボロボロなハンカチを裁縫で直していたのだ

鐡岳斗

...おい、お前、何をしてる。

古宮幸

ん？気になるの？

鐡岳斗

その可能性はゼロだ。うるさいからやめろ。

古宮幸

ふふっ、迷惑なのは分かってるけど早く直さなきゃ。

古宮幸

今日使う予定なの。

鐡岳斗

新しいのを買えばいいだろ。

鐡岳斗

貧乏くさいぞ。

幸は何も言わずにただニコッと笑って裁縫に再集中した

鐡岳斗

...ふん。

鐡岳斗

（なんなんだ全く...）

【昼の12時／図書室にて】

岳斗は昼食に誘ってくる女子生徒の集団から逃げていた

校内を駆け巡った後、ようやく静かな図書室に辿り着いたのだ

鐡岳斗

はぁ...はぁ...はぁ...

鐡岳斗

アイツら俺を困らせてばかりだな...

鐡岳斗

やっと静かに飯を食える。

すると、遠くの本棚から小さな声が聞こえた。岳斗はゆっくり近付いてみると、その見覚えのある姿を見て思わず声を出した

鐡岳斗

...またお前か。

古宮幸

あれ？君、どうしてここに？

鐡岳斗

お前こそ何をしてる。

古宮幸

私はここでお弁当を食べようと思っただけだよ。

古宮幸

そしたらね、ほら。窓から怪我した鳥が入って来たの。

幸は手のひらの上に乗っている小鳥を見せた

古宮幸

だからお昼ご飯の前にこの子を元気にしてあげようかなって。

鐡岳斗

...そうか。

鐡岳斗

放っておけばいいものを。

古宮幸

放っておけないの。可哀想でしょ？

幸はニコッと笑って手のひらにいる小鳥を岳斗に近づける

岳斗は一瞬たじろぐが、手のひらにいる小鳥をジッと見つめた

鐡岳斗

可愛げのない鳥だ。

古宮幸

ふふっ、君にはそう見えるかもね。

古宮幸

この子、1日じゃ治りそうにないから連れて帰ろうかな。

すると突然、小鳥が羽ばたいて窓から飛び去って行った

幸は窓の外を見つめて安心したように微笑んでいる

古宮幸

飛べるようになったんだね。良かったあ。

鐡岳斗

お前から逃げたんじゃないのか？

古宮幸

君は意地悪なことしか言えないの~？

幸は人差し指を岳斗の眉間に押し当てて悪戯げに笑う

岳斗は突然触れられて驚き、しかめっ面をして幸から距離をとった

鐡岳斗

な、何をする！俺の許可なく触れるな。

古宮幸

あれ、触られるの嫌いなタイプ？

古宮幸

ごめんね~、君の雰囲気からして触られたいのかと思ったよ。

鐡岳斗

...は？

鐡岳斗

何を馬鹿げたことを...

鐡岳斗

...お前、名前はなんだ。

古宮幸

え？クラスメイトで席も隣なのに知らなかったの？

鐡岳斗

なんで俺が他人の名前を聞く前に知る必要がある？

鐡岳斗

早く教えろ。

古宮幸

私は古宮幸だよ。君は岳斗くんだよね。

古宮幸

人気者だから知ってるよ。

鐡岳斗

...古宮幸か。要注意人物として覚えておく。

古宮幸

ふふっ、少し触っただけなのにそこまで警戒するの~？

古宮幸

やっぱり御曹司は取り扱いが難しいね。

鐡岳斗

俺の扱いが上手くなる日なんぞ無い。特にお前はな。

古宮幸

つれないね~

古宮幸

私は君と仲良くなりたいのになぁ

鐡岳斗

笑わせるな。お前みたいなやつと仲良くなるわけがない。

幸はニコッと笑って岳斗に近寄ると、上目遣いをして岳斗を見つめた

古宮幸

それはどうかな？意外と仲良くなったりするかもね

鐡岳斗

！！？

急接近に驚き、再び慌てて距離をとった

鐡岳斗

お、おまえ！さっき言ったばかりだろ！俺に近寄るな！

古宮幸

あははっ、楽しいね~

鐡岳斗

俺は微塵も楽しくないが！？

ふと、幸はお昼ご飯のことを思い出し、長机の上に置いた自分のお弁当を手に取った

古宮幸

ねぇ、一緒にお昼ご飯食べる？

古宮幸

君もここで食べる予定だったんだよね？

鐡岳斗

...お前のせいでここで食べる気が失せた。

岳斗が図書室の出口に向かうと、予想外なことに幸が岳斗の服の裾を掴んで引き止めた

古宮幸

そんなこと言わないでよ~

古宮幸

1人は寂しいな

岳斗は「寂しい」という言葉に反応し、考え込んだ。自分も幼い頃から寂しい思いをしていたからかもしれない。

鐡岳斗

...チッ。

鐡岳斗

...今日だけだぞ

古宮幸

わ~い

古宮幸

案外優しいところあるじゃん！

鐡岳斗

黙れ。

鐡岳斗

静かに飯を食え。

古宮幸

了解~、がっくん！

鐡岳斗

変なあだ名で呼ぶな！

【昼の12時／図書室近くの廊下にて】

お弁当を食べ終わった2人は教室へと向かっていた

古宮幸

君のお弁当は豪華だったね

古宮幸

なんで肉が入ってるの？

鐡岳斗

ふん、いつものことだ。

鐡岳斗

珍しいことではない。

古宮幸

へぇ~！愛されてるんだね

すると、岳斗の足が止まった

古宮幸

...？

古宮幸

どうしたの~？

鐡岳斗

...いや

鐡岳斗

なんでもない。

鐡岳斗

...心臓が傷んだだけだ。

古宮幸

え？それ病気じゃない？大丈夫？

鐡岳斗

世話焼きなヤツだな。そろそろその口を閉じろ。

岳斗が幸のおでこにデコピンをした

古宮幸

あぅ

古宮幸

ちょっとだけ痛かった

鐡岳斗

ふん、なら黙って歩け。

古宮幸

は~い、がっくんの仰せのままに

鐡岳斗

だからそのあだ名はやめろ！

鐡岳斗

お前は学習能力がないのか？！

135タップお疲れ様です~♪

楽しんでいただけたなら嬉しいですт т♡

それではまた会う日まで👋🏻🎀

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あまいちゃん

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