白神白夜
そ、それでどうなったんだ?
グングニル
えっとですね、無事に五人目の子が生まれたのですが、
今までの子たちと違うところがありました!
巫女
…神主様、五人目の子供が無事に生まれました。
神主
それで、結果は?
巫女
……神の子が、生まれました。
神主
そうか。これで一族は安泰だ。
グングニル
白髪で青い目の子。それが神の子の特徴でした。
そして神の子が生まれてからというもの。
村では豊作が続き、村も栄え、全てがいい方向に進んでいました。
白神白夜
ほへー……
一番目と五番目の子供は仲良しでした。
一番目は良き姉であり、五番目は可愛い妹でした。
二番目は優しく、三番目は元気な男の子で、
四番目は天真爛漫な女の子でした。
五人目
お姉様…
一人目
どうしたのですか?
五人目
何か、のどが痛くて……
一人目
…風邪ですかね…(お父様には"五番目"に触れるなと教えられているけど…しょうがないわね。)
一人目
少し、体に触れてもよろしいですか?
五人目
(コクリ)
一番目の少女が神の子に触れた時。
一瞬の強風が吹いたと思いきや、神の子の髪が根元から黒く染まっていった。
五番目
…え?
一人目
!?
二人目
風が強い…
三人目
うわっ、鞠が飛んで行っちまった…
四人目
お兄様!取ってきますわ!
妹たちが元気に遊びまわってる中、
一番目は五番目を前に呆然と立ち尽くしていた。
五番目
ね、姉様?
一人目
どう、しよう…
ザッと地面に崩れ落ちる。
五番目はわたわたと慌てて始める。
一番目の顔は真っ青だった。
巫女
な、何かあったのですか!?
強風からか、心配した母親である巫女が外に出てきた。
巫女が五番目の姿を発見すると、口を抑えて目を見開いた。
巫女
あ…貴方…!神の子に触れるなと言いましたわよね!!
一人目
も、申し訳ございません…
神主
おい、何があった!?
グングニル
神の子は白髪に青い目の子が当てはまるもの。
黒髪になってしまった五番目は、もう神の子では無くなってしまいました。
グングニル
両親である巫女と神主は怒り狂い、無情にも一番目の子供を
村の中心で打ち首にしました。
白神白夜
そりゃひでぇ話だな…
グングニル
五番目の子が神の子で無くなってしまってからというもの、
村はどんどん廃れていってしまいました。
グングニル
村人は神社に駆け込んで、巫女や神主を責め立てました。
神主
皆、落ち着くんだ。
巫女
落ち着いでくださいませ!我が一族の汚点は殺しました!
グングニル
暴言に耐えかねた巫女は、騒ぎ続ける村民に向かって叫びました。
巫女
この子達を村の外へ追い出します!全員です!
そしたらこの村は安泰だと思います!!
巫女
少なくとも金銭面は補償いたします!
グングニル
大声で説得を続ける巫女に、村人は渋々と言った感じで帰っていきました。