僕は覚えてるんだ。
病気を持っていて、
退院することさえ難しい
君の言葉を。
″ わっ…桜が綺麗だね ″
その言葉を放ったのは確か、
そう、あの春の日。
君は病室から見る桜を見てた
そうして、さっきの言葉を言ってた
でも、その次に
″ …私の命も、こんなふうに ″
″ 散っていくのかな ″
なんて、言ってた。
風にあおられて散る、桜を見て。
ただ僕は
「病気っていう風が来るまでは」
「まだ、君は散らないよ。」
なんて、ヒーロー気取りな言葉しか
言えなかったんだ。
君の命は、本当に散ってしまった
君の命…というより、
僕の初恋相手。
会いたくても会えない
ただ、頭の中であの言葉が再生されて
あの時から、僕の時間は
止まっちゃったんだ。
これを治せるのは君しか居ない
もう、遅いけど。
もし、また君に会えるのなら
「桜が綺麗だね」
って、君が言ったあとに
「ほんとだね。」
「来年も、一緒に見ようか。」
って、僕が言うんだ。
そうすれば、
来年も、一緒に見られる気がするから
だから、その会える日まで
少しお別れ。
さようなら、大好きな人。
桜 ~END~
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