病室
暦
失礼します、体調はどうですか?
桃音
やっほー‼︎私もいるよー‼︎
茜
あ...?ああ、お前達か...
茜
まあ、悪くなる一方だな...
桃音
だいぶ臓器が膨らんできてるねー、苦しい?
茜
ちょっとだけな...
茜
で、今日はどうしたんだ?
桃音
今日はね、1つ報告したいことがあって来たんだ‼︎
茜
報告...したいこと...?
桃音
あ、良い報告ね?なんと...
桃音
桃音
涙ちゃんのストーカー行為がなくなりましたー‼︎
茜
涙ちゃんって...六道先生か?
茜
何をしたんだ...?
桃音
んー?別に「もう近付くな‼︎」って釘を刺してきただけだよ
暦
その“釘を刺す”ですが、具体的な内容をまだ伝えられていないのですが...
桃音
言ったでしょ?責任を持って対応するって
桃音
あと私のやることに一切口出ししないでって
暦
そうですが...はい、そうですね...
暦
(一昨日から六道先生と連絡が取れない、まさか...)
桃音
だから、安心しt
と彼女が言いかけた時だった。
突然、心電図モニターのアラームが けたたましい音を病室内に響かせた。
桃音
えっ⁉︎ちょ、何事⁉︎
暦
桃音さん‼︎ナースコール‼︎
桃音
うぇぇっ⁉︎ほい‼︎
彼女がナースコールを押すと 数秒で看護師達が病室に来た。
私達は病室の外へ 退出を言い渡された。
そして退出時に見てしまった。
彼女の腹が膨らみ 口から血が噴き出る様子を。
病院 廊下
蛇ヶ崎さんの異常が見られた後 私は会長に連絡をした。
桃音さんは刹那さんへ連絡をし 数十分後、それぞれが病院へ 辿り着いた。
朔
暦、状況は?
暦
1時間程前に私と桃音さんで病室を訪れた際に、彼女の病態が悪化し今に至ります
朔
そうか...暦、ちょっとこっちに来てくれ
暦
はい
会長に誘われ、ついて行くと 声をひそめて彼女は言った。
朔
六道先生の件だが、暦の言うとおり一昨日から連絡が取れていない
朔
恐らく亡くなったと思うんだ
暦
っ‼︎亡くn
朔
しっ‼︎声が大きい‼︎
暦
も、申し訳ありません...
朔
彼女...桃音さんが六道先生の対応をしたとのことだったな?
暦
はい
朔
これは私の推測に過ぎないが、桃音さんと刹那さんが協力をして六道先生を殺したと考えているんだ
暦
協力して...?
朔
ああ、桃音さんには人を殺す力はないと思う
朔
しかし協力者がいれば別だ
朔
だからこの件を踏まえて、暦は桃音さんとの接触を控えてくれ
暦
何故ですか?
朔
彼女は刹那さんよりも遥かに恐ろしい何かを持っていると思うんだ
暦
恐ろしい何か...ですか?
朔
それが何かは分からない、でも取り敢えず彼女との関わりはこれ以上やめてくれ
暦
わ、分かりました...
刹那
....
桃音
ちょっとちょっと‼︎何コソコソ話してるのさー
朔
悪かったね、少し伝えたいことを伝えていたんだ
朔
そんなことより、蛇ヶ崎さんの容体が心配だね
するとそこへ蛇ヶ崎さんの担当医 と思われる白衣の男性が現れた。
彼女について話したいことがあると 代表者として刹那さんが その医師について行った。
桃音
どーしよっか?
暦
私達は彼女の無事を祈ることしかできませんからね
朔
ひとまず、今日は解散しよう
会長の一声で一度その場は 解散となったが 私は刹那さんからの報告を待つと 1人病院に残ることにした。
病室付近 待合室
あれから1時間が過ぎた。
私が彼女を待っていると 遠くでその姿らしき人物を 見かけ、互いに認識をした後 こちらに来てくれた。
刹那
他の皆様は?
暦
私だけ残ってあとは帰りました
刹那
そうですか...
暦
刹那さん、率直に聞きます
暦
蛇ヶ崎さんはもう長くはないのですか?
刹那
本来余命1ヶ月半と宣告されており、今日で約2週間が経過しました
刹那
その上で申します
刹那
刹那
今日の夜が山場かと
暦
っ‼︎そんな...
暦
寿命が早まったということですか...⁉︎
刹那
茜様が患っておられます、この難病は治療法が存在せずいつ臓器が破裂するかの予測ができません
刹那
彼女の場合は膨らむ周期に波があり、余命宣告後2週間を超えた辺りから急激に膨らみ始めたということです
刹那
そして今日...臓器に限界が来ていると医師の方から告げられました
刹那
早くて今日中、遅くても明日や明後日には...
暦
会長に連絡を
刹那
そのことなのですが、彼女との最期の時間は死研のみとさせていただくことは可能でしょうか?
暦
えっ?
刹那
お願いします
暦
...会長に相談しても良いですか?
刹那
はい
そして私は会長に連絡をした。 すると会長は快く了承をした。
しかし、条件として 風祭さんが死なないように 刹那さんが監視をしてほしい とのことだった。
刹那
勿論です、そのつもりでお呼びいたします
会長は電話越しに 私は面と向かって 刹那さんに頭を下げた。
そして私は彼女に全てを託し 病院を去った。