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集中治療室
刹那
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私と刹那さんは 最期が近い茜に会うため 集中治療室へ訪れた。
私が最後に見た姿は管に繋がれ 起き上がることはできなかった ものの、話すことはできた。
しかし、現在は数多の管に加え 多色のコードで彩られ まるで妊婦のように 腹部が膨らんだ茜がいた。
もう話すことは恐らく困難であり 本当の意味で終わりを待つ という表し方が正しい ように思えた。
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刹那
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刹那
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瑠流
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瑠流
瑠流
すると刹那さんはルルちゃんが 話す端末を茜の方へ向けた。
画面の先に映った茜の姿を見て 言葉を失っていた。
多分、この反応が正しいのだろう。 私のように普通に接することが 異常だとより強く感じさせられた。 (刹那さんは除く)
刹那
瑠流
刹那
瑠流
刹那
瑠流
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刹那
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刹那
瑠流
刹那
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瑠流
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瑠流
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刹那
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刹那
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刹那
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刹那
瑠流
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その時、この部屋の空気は 混沌としていた。
疑念を抱く者、 怒りを露わにする者、 死の淵を彷徨う者...
そして... 約束を果たせると 心を躍らせる者。
その者達の異様な空気を 感じ取ったのか、はたまた 時間の問題だったのか。
それは唐突に訪れた。
けたたましい音を立てて 心電図モニターのアラームが 部屋中に響き渡った。
瑠流
刹那
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そしてその場にいた全員が見た。
僅かに瞳を開いた彼女は 精一杯の笑顔をした。
それはまるで天使のような 優しい微笑みに見えた。
パァンッッ!!
強烈な破裂音がし ベッドと壁には彼女の口と 腹部から噴出した鮮血で彩られた。
破裂した腹部は少しずつ 萎んでいき通常の人間の 腹部と同じサイズに戻った。
彼女らには少量の血が 降りかかった。
手で目を覆い隠し泣き出す者、 散った者へ敬意を表する者、
そして...
21gという生命の終わりを 見届け笑みを浮かべる者。
泣き声で溢れた病室で 無情にも死を知らせる音は 鳴り続けるのであった。