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夜猫🌸依頼事務所～厄災の魔女～

第50話 - 第50話『話』

2022年09月14日

#オリキャラ

#戦闘

#ファンタジー

#一次創作

🌙夜桜猫🌸

～人形の館～大図書室

猫船

やっぱり凄い広いね～。

猫船は暇をつぶそうと大図書室にやってきた。

……。

猫船

(お人形さんが
お掃除してる。)

猫船

(邪魔に
ならないように
しないと、)

猫船

えっと
物語系の本は…

猫船

(あっ、あっちだ。)

猫はある棚の前に小走りで向かい、本を探し始めた。

猫船

何読もうかな～？

猫船

(ここの本、凄い
面白いんだよね。)

猫船

(特に『鬼人異変録』
が好き。)

猫船

(村を守ってる鬼人が
魔法を使って
異変を解決しいく話。)

猫船

(凄いかっこいい
んだよね。)

猫船

(私もこの人
みたいに
なりたいな。)

猫船の視線が止まり、本を手に取った。

猫船

(これにしよう！)

ガタンッ！

猫船

ん！？

突然、隣で何かが落ちたような音がし、猫船は驚き視線を向ける。

そこには先程なかった一冊の分厚い本が落ちていた。

猫船

(凄い古そうな本…)

猫船は手に持っていた本を棚に戻し、落ちた分厚い本を両手で持った。

猫船

よっとっ、

猫船

(重たい…)

猫船

(…あっ、これ
魔法の絵文字で
書かれてる。)

猫船

えっと…

猫船

禁忌…魔具図鑑？

第50話

『話』

夜桜

……。

四葉

…生きてたの？

夜桜

…そうだな。

夜桜

殺されかけたが、
奇跡的に生きていた。

夜桜

今は桜の所で
一緒に暮らしてる。

夜桜

仕事も同じだ。

四葉

そうだったんだ。

夜桜

怪我は？

四葉

少し痛む程度。

夜桜

そうか。

夜桜

なぜ出なかったんだ？

夜桜

どういう場所か
最初から知ってただろ？

四葉

……。

夜桜

…施設の奴らから
何か言われたか？

四葉

ッ

夜桜

お前は
優し過ぎるからな。

夜桜

やすやすと
命令を受けて、
実行とは思えない。

夜桜

自分が生きる為に
他人を殺すのもな、

夜桜

それと、意識が
なくなる前に
朝花の事を気に
かけてたと聞いた。

夜桜

俺の勝手な
推測だが、

夜桜

朝花を使って
脅されたんじゃ
ないか？

四葉

……。

四葉

…出れなかったから
実行した訳じゃない。

四葉

僕は最初から
暗殺者と
決まってたね。

四葉

それだけが拾われて
必要とされた
理由だから、

四葉

施設から
出る気はなかった。

四葉

命令が下った時
黒扇さんに
言われたんだ。

夜桜

黒扇？

四葉

施設側に
雇われてる
暗殺指導員。

四葉

先生が失踪して
僕の担当が
代わったんだ。

夜桜

焦げ茶髪で
顔に傷がある奴か？

四葉

うん。

四葉

それで
僕が逃げ出す、

四葉

または失敗したら、
朝花姉さんを
施設に連れ戻す…ってね。

夜桜

……。

四葉

魔法所持者は
18になっても
施設から出れない。

四葉

教団の拡大の為、
戦力員、研究員等に
強制に働かされる。

四葉

逆らえば、
洗礼という洗脳、
または殺害。

四葉

そんな所に
姉さんを関わらせ
たくなかった。

四葉

だから、従った。

夜桜

……。

四葉

でも、上手く
いかなかったね。

四葉

いらない感情を
持ってしまった。

四葉

僕は…暗殺者失格だ。

夜桜

…それでいい。

夜桜

知人であれ、
仲間を傷つける奴は
許せるものじゃない。

四葉

…ごめん。

夜桜

…疑問なんだが、

夜桜

朝花はなぜ、
施設から出れたんだ？

夜桜

施設側は朝花が
魔法を持ってる事を
知ってただろう？

夜桜

(施設内で結構、
使ってたからな。)

夜桜

(それなら、
施設が見逃す訳ない…)

四葉

本当か
分からないけど、

四葉

姉さんは施設長の
指示で特別に
出れたって聞いた。

夜桜

施設長？

四葉

施設の創立者で、
宗教団体の幹部代表。

四葉

宮城って
名前の人らしい。

四葉

朝花姉さんは
その人と親しかった
みたい。

夜桜

…知らない奴だな。

夜桜

お前は？

四葉

僕も知らない。

夜桜

(まぁ、朝花は
施設の職員とも
仲良かったからな。)

夜桜

(有り得る話か。)

四葉

今、
朝花姉さんは？

夜桜

…2日前から
行方不明だ。

夜桜

おそらく、
あいつの仕業だろう。

四葉

……。

夜桜

すまない。

夜桜

危機を知らせて
くれてたのに…

夜桜

(俺が
早くに察して
行動してればな。)

夜桜

お前は朝花とは
会ってたのか？

四葉

会ってないし、
連絡もしてない。

四葉

僕のしてる事は
姉さんには
言えないからね。

四葉

行方を
眩ませてる。

夜桜

…生きてる
可能性は低い。

夜桜

相手は
あの施設だからな。

夜桜

最悪の事態を
想定しなければ
ならないだろう…。

四葉

…ごめん。

夜桜

お前のせい
ではない。

夜桜

俺の責任だ。

夜桜

昨日、
白樹が来たか？

四葉

来たよ。

四葉

施設側の証拠は
きっと隠滅済み。

四葉

証拠は目撃証言
だけだけど、

四葉

被害者も訴える
つもりはない。

四葉

罪に問われる事は
ないだろうって
言われた。

夜桜

そうか。

四葉

それでいいのかな？

四葉

僕は…許されない
事をしたのに

夜桜

青影が言ってるなら
それでいいだろう。

夜桜

だが、
今回の事は
忘れるな。

夜桜

そして、
暗殺者は辞めろ。

夜桜

お前は
向いてない。

四葉

……。

夜桜

また様子を見に来る。

夜桜はそう言うとゆっくりと部屋を去って行った。

パラッ

猫船

……。

パラパラッ

猫船は椅子に座り、机に本を置いて見ていた。

内容を簡単に見て流れるように次々とページをめくる。

猫船

…なんか怖い
ものばかり載ってる。

猫船

(人を呪ったり、
不幸にするものが
多い…)

猫船

(骸骨もいっぱい…)

パラッ

猫船のページをめくる手が止まった。

興味を示したのかそのページを凝視し読み始めた。

猫船

(…禁忌度最高レベル。)

猫船

(反乱を企てた
天使と悪魔によって
極秘に創り出された
存在があり、)

猫船

(制御が効かない為に
この本に封印された
という。)

猫船

(本は強大な力を
持っており、
破壊は不可とされ、)

猫船

(6界の代表者の
話し合いにより、
本を2つに分け、)

猫船

(さらに
二つを四つに
分けられ、
計八つにした。)

猫船

(これは
封印を解く事を
困難にする為という。)

猫船

(真であるかは
分からないが、)

猫船

(個々の本には
それぞれ強大な
力が宿ってるという。)

猫船

(手にした者は
強大な力を
手に入れるが、)

猫船

(適正者でなければ
幻覚や幻聴に狂い
身体が崩壊するという。)

猫船

(題名は不明。)

猫船

(これは封印を
解く事を恐れた為、
記載しなかった
可能性が高い。)

猫船

(ありかも不明。)

猫船

(もし全て本が
揃ったとなれば、)

猫船

(封印が解かれ、
厄災が訪れるだろう…)

猫船

…怖い存在なんだね。

猫船

(ところで
6界って何だろう？)

猫船

(それに、
どうして反乱を？)

スッ

猫船

ッ！？

突然、読んでいた本が宙に浮き猫船から離れた。

そして、本は別の人物の手の中に収まる。

アマリス

……。

猫船

あっ、
こんにちは！

アマリス

やぁ、
魔法使いちゃん。

アマリス

これ、どこに
あったんだい？

猫船

小説の棚の上！

アマリス

…読んでる所
申し訳ないけど、

アマリス

これ没収ね。

猫船

え〜、

アマリス

危険物なんだ。

アマリス

使った大半は、
失敗して大変な
ことになる。

猫船

大変な事？

アマリス

理性、大切な
物の消失、精神錯乱、

アマリス

身体の消失や退化、
乗っ取られる
とかだね。

アマリス

人間なら魔女に
堕ちる事が多いかな。

猫船

怖い…

猫船

(使っちゃ駄目だね。)

アマリス

…そういえば、
魔女が生まれた原因は
知ってるかい？

猫船

ううん、
知らない。

アマリス

まぁ、そうだよね。

アマリス

魔女はね、
元々は魔法使いの
一族だったそうなんだ。

アマリス

魔法使いが
生まれたのは
はるか昔、

アマリス

貧困に困っていた
村に神が舞い降り、
魔法を与えた。

アマリス

全ての人間ではなく、
魔法を扱える者と
一族にね、

アマリス

魔法使いは
魔法を駆使して、
人間の村を支えた為、

アマリス

村は次第に
潤った。

アマリス

だけど、ある時
魔法使いの悪い噂を
広まったんだ。

アマリス

「魔法で村を
支配しようと企てる。」

アマリス

「闇の力を
持った穢れた者。」

アマリス

内容は全て敵として
みえるような
悪意のあるもの。

アマリス

流したのは
魔法使いを
嫉妬する者だろうね。

アマリス

村人はいつしか
噂を信じ込み恐れ、

アマリス

魔法使いを
次々と殺し始めた。

アマリス

それは
魔法使い狩りと
呼ばれている。

アマリス

犠牲者の中には
子どもや赤子も
いたらしい。

猫船

子供もっ！？

アマリス

一族を
根絶やしにする気
だったようだね。

猫船

そんな…

アマリス

魔法使い狩りが
始まって2週間後、

アマリス

天によって
間違いが正され
収束はしたけれど、

アマリス

魔法使い側で人間へ
害する者達が現れて
しまったんだ。

アマリス

人間への復讐心、
憎悪の持ってね、

アマリス

それが魔女さ。

猫船

…そんな事が
あったんだ。

猫船

(酷すぎる…。)

アマリス

まぁ、昔は
よくある話さ。

アマリス

誰も真実を
調べようとしない。

アマリス

多い噂が正しいと
思い込み、恐れ
迫害する。

アマリス

危害になる前に
群れて根を経つ。

アマリス

全ては自分達だけの
安全の為にね、

猫船

……。

アマリス

そういえば、
ここの地域でも
似た歴史があるよ。

猫船

そうなの？

アマリス

あっ、それだね。

アマリスは机に置かれた本を指差す。

猫船

これ！？

猫船

(読もうと思って
持ってきた本！)

アマリス

それが
この地域の
歴史の一つさ。

アマリス

それ読むつもり
だったのかい？

猫船

うん。

アマリス

なら、
ネタバレになるから
言わないでおくよ。

猫船

え、この話が
本当なら、

猫船

あそこの小説は
本当の話？

アマリス

そうだね。

アマリス

歴史の本を
読むなんて飽きる
事が多いだろう？

アマリス

分厚いし、
言葉も難しい。

アマリス

だから、誰でも
理解し読めるように
したんだ。

アマリス

物語風に書いたら、
記憶に残りやすいしね。

猫船

おぉ～！

アマリス

まぁ、読む人は
君か僕ぐらいだけどね。

猫船

アマリス君、
なんでも出来るんだね！

アマリス

まぁ、長生き
してるからね～♪

アマリス

今度は
オリジナルに
挑戦してみようかな？

猫船

いいと思う！

猫船

書けたら、
読ませて！

アマリス

書けたらね。

アマリス

にしても、
魔法使いちゃんは
魔術文字が読めるんだね。

猫船

なんかね、
文字を見ると
頭にパッと分かるの！

猫船

初めて見た時から…

アマリス

…へぇ～、
不思議だね。

猫船

でしょ？

猫船

アマリス君は
読めるの？

アマリス

読めるよ。

アマリス

勉強したのは、
人間の年で言うと
13の時かな？

猫船

(どんな勉強するんだろう？)

アマリス

まぁ、君なら
有り得る話かもね。

猫船

どうして？

アマリス

そりゃ、
魔法使いちゃん
だからさ。

猫船

んん？？

猫船

(どういう事？？)

ここに居たのか。

二人は声の方へ視線を向けた。

猫船

あ、お話終わった？

夜桜

あぁ、

アマリス

やぁ、鬼ちゃん。

夜桜

……。

夜桜は猫船の前にスッと立ち、アマリスと目を合わせる。

夜桜

…何もして
ないだろうな？

アマリス

楽しく
話してただけさ♪

アマリス

ね？

猫船

うん！

夜桜

そうか。

アマリス

まぁ
心配するならば、
一人にしない事だね。

夜桜

…帰るぞ。

猫船

あれ、
四葉君とお話…

夜桜

もうすぐ昼時だ。

猫船

あ、そうなんだ。

猫船

(確かに
ちょっとお腹
すいてきた。)

夜桜

腹がすく前に
帰るぞ。

夜桜

本、片付けろ。

猫船

はーい…

猫船

(読みたかったな…)

アマリス

…貸して
あげようか？

猫船

え？

猫船は突然のアマリスの言葉に驚く。

アマリス

読むつもり
だったんだろう？

猫船

いいの？

アマリス

良いよ。

アマリス

期間は
明日から3日。

猫船は目を輝かせて嬉しそうな顔になった。

猫船

アマリス君、
ありがとう！

アマリス

ちゃんと返してね。

猫船

うんっ！

夜桜

じゃあ、
帰るぞ。

猫船

アマリス君、
またね～！

アマリス

またね～♪

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