らん
母は弟達だけを愛していた…
でも、それは本当の愛では無かった
大きくなったら、どうせ
同じ目にあうんだ…
俺もそうだったから…
だから、一刻も早く家を弟達とでたかった…
弟達からしたら無理やり離されたと
思っているのだろうな…
弟達の記憶には優し母親と
冷たい兄の記憶しか無いのだろう…
あの頃は、
弟たちに嫌われても、優しくなんてできなかった。
近づくなと言われていた母に「同じ目に遭わせる」と。
それでも、守りたかった。
らんはただ、必死だっただけ。
母親から逃げ出して…
弟達と幸せに暮らせる…!
この時の俺は、
ただ弟達を守る事だけで必死だった…
そんな考えは甘くて…
いつもあんな冷たく接されてた人を
兄とは思えないだろう…
弟たちは、小さかったから
過去を知らない…本当の親も…本性も
何も知らないままでいいんだ。
弟達を守れるなら…見守れるなら…
