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魑魅さん凄すぎます✨紅葉の赤は血…血を吸い取る木って心霊スポットになりそうですね😰テキストから内容まで完璧すぎて見入ってしまいました😆💕
コンテスト参加して頂きありがとうございます! 途中。実話なのかよく分からなくなってしまいました テキストの使い方が上手い✨ これから足元に気をつけないと…!
うわぁ凄い…!! 読んでいくうちに雄大と同じようにハラハラドキドキしてきました😱
紅葉
それは、我々日本人を魅了し、秋の深まりを伝えるもの
真っ赤な葉と木枯らしが混ざり合い、 街を染めていくその姿は
癒しと情熱を同時に与える風情があるものです
しかし、ときに
紅葉はなぜ赤いのか
考えたことはあるでしょうか?
不思議ですよね
夏の日差しを浴びたあの緑が
日が短くなると、途端に赤に変わる
一体
何故でしょうか?
真希
真希
雄大
雄大
真希
雄大
俺は佐川雄大
隣にいるのは、付き合って一年目の彼女・真希
そしてここは、俺が最近見つけた 未開の公園!
そこには、ふつうの木の2倍は大きいと思われる
でかくて真っ赤な楓の木があったのだ!
そして、今日はここに、デート兼紅葉狩りに来たぜ!
雄大
雄大
真希
真希
雄大
真希
雄大
雄大
雄大
パシャッ
雄大
雄大
雄大
俺はこういう絶景スポットが大好きで
そのために大学で写真サークルを開いたくらいだ
真希は、同じく写真サークルの一員で
俺の誘いにも、喜んでのってくれる
まさに理想の彼女だ!
雄大
真希
雄大
雄大
カツッ
雄大
雄大
俺たちがカメラ片手にはしゃいでいると
ふいに、俺のつま先に 硬くて小さいものが当たった
真希
真希
雄大
雄大
背中をかがめ、自分の足下に焦点をあてる
雄大
雄大
すると、落ち葉の奥で光る物が見えてきた
真希
真希
青い宝石が埋め込まれた、銀色のリング
そう、指輪だ
雄大
真希
真希
真希
雄大
俺は再び背中をかがめ、指輪をまた足下に置いた
そしてぐいっと起き上がり、ふと辺りを見回す
そして、あることに気がついた
雄大
雄大
雄大
雄大
雄大
木の根元を中心に、何やらゴミのようなものが 転がっていた
ふつうに考えれば不法投棄だが、 さっきの指輪のように、たまに高価そうなものも落ちている
まるで・・・・・・そう、まるで・・・・・・
物だけが残されたような・・・
真希
真希
雄大
真希
真希
雄大
雄大
真希
真希
雄大
数時間後
夕方
雄大
雄大
雄大
無事デートを終え、俺はベッドにもたれかかった
首にかけられたカメラを下ろし、電源ボタンを入れる
雄大
ピッ
ピッ
ピッ
次々と写真をスクロールしながら、自分が撮ったものを品定めする
雄大
雄大
雄大
雄大
雄大
ピタッと、スクロールしていた指を止め その写真を凝視した
それは、木の根元あたりを撮った写真
一見すると、何の変哲もない写真だ
雄大
雄大
雄大
俺は悲鳴をあげ、とっさにカメラから手を離した
雄大
雄大
雄大
木の根元と、落ち葉の間
そのわずかな間から、確かに写っている
少し曲げたら折れてしまいそうな
痩せ細った腕の束が!!
雄大
雄大
雄大
雄大
震える手を抑えながら
俺は、とある恐ろしい妄想が頭に浮かんだ
根元に落ちた謎のゴミ
根元で撮れた心霊写真
そして
あのバカデカい真っ赤な楓の木
雄大
雄大
俺は、玄関の棚に閉まってあった 埃まみれのスコップを持ち
我が家を飛び出していった
雄大
雄大
交差点を渡り、商店街を抜け、狭い路地を抜け
だんだん人通りが少なくなっていく
それがより、俺に恐怖をあおっているような気がした
でも、もう引き下がれない
雄大
雄大
雄大
ブー、ブー
雄大
俺のバッグが、激しく振動した
誰かが俺のスマホに、連絡を送っているようだ
走りながらスマホを立ち上げると、LIMEが一件きている
雄大
真希
真希
真希
真希
雄大
真希
真希
雄大
雄大
真希
真希
雄大
雄大
真希
真希
真希
真希
雄大
雄大
雄大
真希
真希
雄大
雄大
真希と話しているあいだに、俺は公園の前に来ていた
心なしか、寒々とした空気が公園を覆っている
俺は凍てつくような恐怖を押しのけ、あの楓の木を目指した
雄大
雄大
???
雄大
???
雄大
俺の息づかいの合間に、俺の声ではない声が混ざる
地中から聞こえる、苦痛の声だ
歩を進めるたびに、だんだんと大きくなってくる
昼間の公園と同じ場所とは、とても思えなかった
雄大
雄大
雄大
走りっぱなしだった足を止める
ついにたどり着いた
この暗闇に赤い絵の具をぶちまけたような
生々しい程鮮明な赤に
雄大
雄大
雄大
俺は木の下にうずくまり、地面にスコップを突き立てた
雄大
ザクッ!
雄大
ザクッ!ザクッ!
雄大
雄大
だんだん土が硬くなっていく
ダンゴムシやミミズが手に絡まる
涼しいのに汗が噴き出て、地面に垂れていった
雄大
そして
ガツッ!!
雄大
なにかに当たった
硬いものだ
若干柔らかくもある
雄大
懐中電灯を穴に向け
その光景は網膜に映った
雄大
雄大
それは
人の顎だった
雄大
雄大
穴を横に広げる
鼻が見える
首が見える
土がかかった目が見える
腕が見える
雄大
雄大
あの写真と同じだった
腕や首は痩せこけ、目は落ちくぼみ、皮だけになった部分もある
まるで
すべての血を吸われたようだった
雄大
奥にも見える
子供の手、女の胸、老人の足
すべて血が吸われて醜くなっている
雄大
雄大
雄大
雄大
雄大
なんだ?
息ができない
体中が痛い
これは
雄大
雄大
根だ
土から飛び出した太い根が、俺の全身に突き刺さっていたのだ
雄大
雄大
大怪我をしているのに、何故か血が出ない
吸っているのだ
この根が俺の血を、余すこと無く吸っているのだ
雄大
雄大
雄大
雄大
雄大
雄大
雄大
雄大
意識が
身体とともに
土に沈んでいく
真希
真希
真希
真希
真希
真希
真希
真希
真希
前来たときよりも、 もう一回り大きくなった楓の木の下には
不自然に掘り返された穴と
ダンゴムシやミミズがついたスコップが
無造作に転がっていた
紅葉が赤い訳
ご理解頂けたでしょうか?
皆様も、紅葉狩りに行くときは
ぜひ足下にご注意下さい
※この物語はフィクションです