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紅葉が赤いワケ

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紅葉が赤いワケ

1 - 紅葉が赤いワケ

♥

125

2019年11月03日

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紅葉

それは、我々日本人を魅了し、秋の深まりを伝えるもの

真っ赤な葉と木枯らしが混ざり合い、 街を染めていくその姿は

癒しと情熱を同時に与える風情があるものです

しかし、ときに

紅葉はなぜ赤いのか

考えたことはあるでしょうか?

不思議ですよね

夏の日差しを浴びたあの緑が

日が短くなると、途端に赤に変わる

一体

何故でしょうか?

 

真希

わぁあ・・・!

真希

すごい真っ赤っかだね!

雄大

だろ!

雄大

前散歩してたときに見つけたんだよ

真希

綺麗・・・!

雄大

まさか近所に、こんな紅葉スポットがあったとはな

俺は佐川雄大

隣にいるのは、付き合って一年目の彼女・真希

そしてここは、俺が最近見つけた 未開の公園!

そこには、ふつうの木の2倍は大きいと思われる

でかくて真っ赤な楓の木があったのだ!

そして、今日はここに、デート兼紅葉狩りに来たぜ!

雄大

しっかし、不思議だなぁ

雄大

ちょっと前まで、こんな見事な楓の木なんてなかったのに

真希

なんもない更地みたいな公園だったよね、ここ

真希

どっかから植え替えられたのかな?

雄大

こんなに綺麗なのに、人全然いないしな

真希

それはラッキーだし、いいんじゃない?

雄大

う~ん・・・・・・

雄大

まあいいか

雄大

早速写真でも撮ろっと

パシャッ

雄大

雄大

よし

雄大

別のアングルも撮るか

俺はこういう絶景スポットが大好きで

そのために大学で写真サークルを開いたくらいだ

真希は、同じく写真サークルの一員で

俺の誘いにも、喜んでのってくれる

まさに理想の彼女だ!

雄大

写真サークルのヤツらにも見せてやろうな!

真希

この角度いいんじゃない?

雄大

お、いいな!

雄大

どんどん撮ろうぜ!

カツッ

雄大

雄大

ん?

俺たちがカメラ片手にはしゃいでいると

ふいに、俺のつま先に 硬くて小さいものが当たった

真希

真希

どうしたの?

雄大

いや

雄大

さっき、なんか蹴ったような・・・

背中をかがめ、自分の足下に焦点をあてる

雄大

雄大

あっ

すると、落ち葉の奥で光る物が見えてきた

真希

これ・・・

真希

指輪?

青い宝石が埋め込まれた、銀色のリング

そう、指輪だ

雄大

前来た人が、落としてったのかな?

真希

さあ・・・

真希

とりあえず、そのまま置いとけば?

真希

取りに来るかもしれないし

雄大

そうだな・・・

俺は再び背中をかがめ、指輪をまた足下に置いた

そしてぐいっと起き上がり、ふと辺りを見回す

そして、あることに気がついた

雄大

雄大

(よく見ると、ここ)

雄大

(この指輪以外にも、なんか色々落ちてんな)

雄大

(腕時計とか、よく分かんないガラスとか・・・)

雄大

(あれは布の切れ端か?)

木の根元を中心に、何やらゴミのようなものが 転がっていた

ふつうに考えれば不法投棄だが、 さっきの指輪のように、たまに高価そうなものも落ちている

まるで・・・・・・そう、まるで・・・・・・

物だけが残されたような・・・

真希

雄大?

真希

ちょっと、雄大!

雄大

うわっ!

真希

なんかボーッとしてたよ?

真希

大丈夫?

雄大

あ、ああ

雄大

大丈夫だ

真希

そう?ならいいけど

真希

よし、じゃあ引き続き写真を撮ろう!

雄大

ああ!

数時間後

夕方

雄大

ただいまぁ~

雄大

ふう、疲れた

雄大

ちょっとはしゃぎ過ぎたな

無事デートを終え、俺はベッドにもたれかかった

首にかけられたカメラを下ろし、電源ボタンを入れる

雄大

さーて、いい写真撮れてるかな~・・・

ピッ

ピッ

ピッ

次々と写真をスクロールしながら、自分が撮ったものを品定めする

雄大

これは・・・う~ん・・・

雄大

あ、これいいな

雄大

これ・・・

雄大

雄大

え?

ピタッと、スクロールしていた指を止め その写真を凝視した

それは、木の根元あたりを撮った写真

一見すると、何の変哲もない写真だ

雄大

これ・・・

雄大

雄大

うぁっ!?

俺は悲鳴をあげ、とっさにカメラから手を離した

雄大

な、んだよ・・・これ

雄大

これ・・・

雄大

腕、か・・・?

木の根元と、落ち葉の間

そのわずかな間から、確かに写っている

少し曲げたら折れてしまいそうな

痩せ細った腕の束が!!

雄大

雄大

嘘だろ・・・

雄大

これ、

雄大

心霊写真じゃねえか・・・

震える手を抑えながら

俺は、とある恐ろしい妄想が頭に浮かんだ

根元に落ちた謎のゴミ

根元で撮れた心霊写真

そして

あのバカデカい真っ赤な楓の木

雄大

雄大

っ!!

俺は、玄関の棚に閉まってあった 埃まみれのスコップを持ち

我が家を飛び出していった

雄大

ハッ、ハァッ、ハッ、ハッ・・・

雄大

ハァッ、ハァ、ハッ・・・

交差点を渡り、商店街を抜け、狭い路地を抜け

だんだん人通りが少なくなっていく

それがより、俺に恐怖をあおっているような気がした

でも、もう引き下がれない

雄大

ハァッ、ハア、ハァ・・・!!

雄大

(もし)

雄大

(俺の妄想が当たっていたら・・・!)

ブー、ブー

雄大

!!

俺のバッグが、激しく振動した

誰かが俺のスマホに、連絡を送っているようだ

走りながらスマホを立ち上げると、LIMEが一件きている

雄大

真希からだ・・・!

真希

雄大!?

真希

ちょっと聞いてよ!

真希

私の写真がヤバいの!

真希

大丈夫!?聞いてる?

雄大

聞いてるよ

真希

あ、雄大!

真希

ちょっと待って、今写真撮って送るから

雄大

いいよ

雄大

それなら俺も見た

真希

え?

真希

雄大も!?

雄大

あの根っこの手だろ

雄大

今から真相を調べに行くんだ

真希

真希

は?

真希

ちょっとあんた、何しようとしてるの!?

真希

今公園にいるの!?

雄大

もうすぐ着く

雄大

とんでもないもんがあるかもしんねぇ

雄大

じゃあ、おちる

真希

ちょ、まって!

真希

雄大!!

雄大

雄大

着いた・・・

真希と話しているあいだに、俺は公園の前に来ていた

心なしか、寒々とした空気が公園を覆っている

俺は凍てつくような恐怖を押しのけ、あの楓の木を目指した

雄大

ハァ・・・

雄大

ハァ・・・

???

ぁあ゙・・・

雄大

ハァ・・・

???

うぅゔっ、ゔ・・・

雄大

ハ・・・

俺の息づかいの合間に、俺の声ではない声が混ざる

地中から聞こえる、苦痛の声だ

歩を進めるたびに、だんだんと大きくなってくる

昼間の公園と同じ場所とは、とても思えなかった

雄大

ハッ・・・!

雄大

ハッ・・・!

雄大

ハッ・・・

走りっぱなしだった足を止める

ついにたどり着いた

この暗闇に赤い絵の具をぶちまけたような

生々しい程鮮明な赤に

雄大

雄大

(よし・・・)

雄大

(このスコップで・・・!)

俺は木の下にうずくまり、地面にスコップを突き立てた

雄大

ふっ!!

ザクッ!

雄大

ふっ、っふ・・・!

ザクッ!ザクッ!

雄大

っ・・・!

雄大

たっ、ハッ・・・!!

だんだん土が硬くなっていく

ダンゴムシやミミズが手に絡まる

涼しいのに汗が噴き出て、地面に垂れていった

雄大

ハッ・・・

そして

 

ガツッ!!

雄大

!!

なにかに当たった

硬いものだ

若干柔らかくもある

雄大

(これは・・・)

懐中電灯を穴に向け

その光景は網膜に映った

雄大

雄大

っはぁあ・・・!!

それは

人の顎だった

雄大

う・・・

雄大

は・・・

穴を横に広げる

鼻が見える

首が見える

土がかかった目が見える

腕が見える

雄大

(細い・・・)

雄大

(細すぎる・・・!!)

あの写真と同じだった

腕や首は痩せこけ、目は落ちくぼみ、皮だけになった部分もある

まるで

すべての血を吸われたようだった

雄大

ひどい・・・

奥にも見える

子供の手、女の胸、老人の足

すべて血が吸われて醜くなっている

雄大

雄大

やっぱりだ・・・

雄大

やっぱりこの楓

雄大

雄大

はっ・・・

 

なんだ?

息ができない

体中が痛い

これは

雄大

雄大

根?

根だ

土から飛び出した太い根が、俺の全身に突き刺さっていたのだ

雄大

カッ・・・

雄大

ハァ・・・!

大怪我をしているのに、何故か血が出ない

吸っているのだ

この根が俺の血を、余すこと無く吸っているのだ

雄大

雄大

(ああ・・・)

雄大

(俺も、この人たちの仲間入りか・・・)

雄大

(せめて死ぬ前に)

雄大

(真希とデートできたのは)

雄大

(幸せ・・・)

雄大

(か・・・・・・)

雄大

 

意識が

身体とともに

土に沈んでいく

 

真希

雄大!

真希

雄大!!

真希

どこ!?

真希

この公園にいるんでしょ!?

真希

返事してよっ!!

真希

雄・・・

真希

真希

これ・・・

真希

スコップ・・・?

前来たときよりも、 もう一回り大きくなった楓の木の下には

不自然に掘り返された穴と

ダンゴムシやミミズがついたスコップが

無造作に転がっていた

 

紅葉が赤い訳

ご理解頂けたでしょうか?

皆様も、紅葉狩りに行くときは

ぜひ足下にご注意下さい

 

※この物語はフィクションです

この作品はいかがでしたか?

125

コメント

14

ユーザー

魑魅さん凄すぎます✨紅葉の赤は血…血を吸い取る木って心霊スポットになりそうですね😰テキストから内容まで完璧すぎて見入ってしまいました😆💕

ユーザー

コンテスト参加して頂きありがとうございます! 途中。実話なのかよく分からなくなってしまいました テキストの使い方が上手い✨ これから足元に気をつけないと…!

ユーザー

うわぁ凄い…!! 読んでいくうちに雄大と同じようにハラハラドキドキしてきました😱

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