学校帰り
いつもと同じようにバスを待っていた
ブゥゥゥゥゥゥン🚌
でもそこに来たのはいつもと違う“赤いバス”
違和感を感じたはずなのに足が勝手にバスへ向かった
体が震えた
周りの乗客に目をやる
全員、まっすぐ前だけ見つめていた
車内はあまりにも静かで呼吸の音すらしない
運転手でさえこちらを振り向こうともしない
全員、空気が薄かった
引き返そうとしても足が動かない
どんどん車内の奥へ進んでいく
ユラ
ユラ
1番後ろの席にいたのは
事故で死んだはずの“好きな人”
彼女は落ち着いた笑顔でこう言った
ユラ
ユラ
ユラ
その瞬間、周りの乗客が一斉にこっちを向いた
僕は恐怖で頭がいっぱいだった
全ての違和感が繋がった
自分の体が薄くなっているのに気が付く
手は透けていて、息も白くならなくなっていた
僕の考えが正しければ
このバスが終点に着く頃には僕は幽霊になっている
それなのに目の前の彼女は嬉しそうに
ユラ
その言葉はずるいくらい甘くて、心が揺れた
それでも何とか保てていた正気がそれを拒んだ
彼女ならそんなことは言わないはずだ、と
他の人に死んで一緒になろうなんて言わないはずだ
これは僕の痛みに漬け込んだバスそのものの意思
その形として彼女の姿を借りているだけ
勢いよく足を引き返しバスを降りようとする
周りの乗客、死人達が手を伸ばしてくる
彼女も表情を崩して悲しそうな顔をする
迎えに来てあげたのにどうして?と言わんばかりの顔だ
それでもバスの窓を叩き割ってバスを飛び降りた
外にはいつもの停留所
赤いバスはもういない
もちろん、彼女も。
朝日が少し顔を出した
それと同時にどこか声が聞こえた
ユラ
溢れ出る涙を堪えながら帰路を歩く
赤いバスはもう来ない
来たとしても乗ることはない
彼女が残してくれた言葉があるから____
アサヒ
朝日 アサヒ 優羅に恋をした男の子
ユラ
優羅 ユラ 事故で命を落とした少女
読み切り/赤の最終便 𝑒𝑛𝑑
せなちへ💌
間に合いました🥹 まじギリギリでごめんね🙏🏻 急いで作ったから低クオだけど許して🥺 改めて1周年おめでとう!! 参加させてくれてありがとう!!😘 結果発表楽しみにしてるね💕︎
主人公の朝日くん、セリフ0なのは許してください
コメント
4件
さ、最高すぎ…😭
最高だよ😭
朝陽???(( いやうん朝日くんセリフないのが逆にいい んりたちゃと同じになるけど✋🏻💗 あるちゃん最高だったよーーーーーーーー😍