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医者
医者
ひな
私の意識がゆっくりと薄れていく。
ひな
私はもうろうとする意識のなかで、君の名前を呟いた ゆうだい、君との思い出は、全て素晴らしいものばかりだったね。 ありがとう。
あれは10ヶ月前の事
母
医者
医者
母
母
医者
母
母が隣で泣きじゃくっているのを見てたら、ああ、もう、私は死ぬんだなって、助からないんだなって、じわじわと実感してきた。 2年前、私が肝臓のガンだと分かったときは、絶対に助かるって、信じてた。 でも今は、よくわからない感情が私のなかを渦巻いていた。 悲しいわけでも、辛いわけでも、怒っている訳でもなくて、ただずっと、ぼうぜんしている私がいた。 なぜだか、涙でさえも出なかった。