紫黯
紫黯
紫黯
紫黯
…死んでしまえばよかったのだろう。
夢を見すぎた。
どうして俺はこんなにもできないんだろう。
大切なものが。
仲間が。
どんどん消え去っていく
家族、友達、好きな人。
どうして…
どうして俺じゃなかったんだ。
俺を連れ去ってくれたら良かったのにな。
そんなに…
そんなに俺の絶望を笑いたいか?
なぁ聞けよ神様。
どうか。
どうか。いつか俺が連れ去られますように__。
優願
と口を噤んだ。
本当はちょっと足を止めたくて
だけども君が早足で
スっと前を行くから。
優願
最終便
君は乗る。
優願
優願
優願
でも本当は言いたいよ。
優願
優願
優願
夜が崩れて行く。
優願
優願
いかないで__。
愛してる。
最期に伝えられた言葉。
なにか意味があるのか?
そもそもどんな時に使うんだろうか。
好きな人に伝えるとか?
いや、そんなわけないだろ。
…告白とかの意味になるのかもしれない。
愛。
……愛ってなんだよ。
恋の話でもしてるのか?
愛してる。どこかで聞いたことあるような…
でも記憶にない。
…また調べてみるか。
祭りも終わればいつもと同じ。
変わらぬ夜が来るんだと知った。
優願
優願
時間だけがすぎて行く
優願
優願
優願
優願
街灯に照らされて
影ができている。
優願
遠くへと
消えて行く
優願
優願
優願
優願
優願
いかないで__。
優願
優願
行かないで……。
ごめんね。
いつまでも。この過去に引っ付いていられないんだ。
でも、またにはいいよね。
泣いてもいいよね。
いつかそっちに行くから。
その時はまた。一緒に遊ぼうね。
一緒に話そうね。
一緒に散歩したいな。
苦しいけど。悲しいけど。
前に進むしか方法は無いから。
また。いつか必ず。
会おうよ。
俺は。告白の返事がしたいな。
『はい』って。『いいよ』って。
紫黯