ざわざわとした教室に朝礼を告げるチャイムが響く
いつものように入ってきた先公に対し 起立、礼、着席と順にする。
豚のような先公は教壇に立ち、白いハンカチで額を流れる油を拭いながら話し始めた
実に平凡で、色のない話
夜久野 貴兎(やくの きう)はそんな日常に退屈を覚えていた
貴兎
貴兎
先公(半家 久々利)
貴兎
先公(半家 久々利)
先公(半家 久々利)
先公(半家 久々利)
転校生というキーワード。
教室はハチの巣をつついたかのような騒ぎになる
先公(半家 久々利)
先公(半家 久々利)
先公(半家 久々利)
大半は静かになったがまだまだ静かにならない
先公(半家 久々利)
先公(半家 久々利)
先公(半家 久々利)
貴兎
貴兎
先公(半家 久々利)
ガラガラと扉が開く音がして、一人の小柄な男が入って来る
先公(半家 久々利)
その男は先公の指示に小さく頷き教壇へと上る
アルノー
アルノー
彼は神にでも愛されているのだろうか。 鼻筋が通っていて「凛々しい」という言葉がピタリと当てはまるくらいだ
女子からは黄色い歓声が上がり、男子からはどよめきが上がる
貴兎
貴兎
ここにいる人間とは違う瞳が交わり、貴兎はそれに見惚れていた
アルノー
彼は窓を見た
先公(半家 久々利)
先公(半家 久々利)
アルノー
貴兎
貴兎
貴兎
瞼を閉じても足跡が近づいているのが分かる
段々と心臓の鼓動がうるさくなる
何故うるさいのかは分からない
貴兎
教室のざわめきの中心臓の音がはっきりと聞こえる
絡まる蜘蛛糸の中に混じる毛糸のよう。
足音が止み、席を動かす音が聞こえた
そして、それらの音を断ち切るチャイム
チャイムが鳴ったことに気が付いたのは先公からの「おーい、貴兎眠いのかぁ」という声だった
現在の時刻は六時過ぎ。
貴兎はベッドに横たわっていた
貴兎
ベルトを少し緩め、ズボンの下に手を滑り込ませた
それを下着越しにゆっくりとなぞれば熱が籠っていくのがよく分かる。
いつもやっていたこと。
でも、
今日だけはなんだか違う気がした
なぜ違うのか貴兎には分からない
貴兎
下着を下ろし、熱を帯びて硬さを増すそれに手を掛ける。
握り締め、それの形を確かめるように手を動かす
あの肌。
あの目。
あの唇。
あの腰。
…アイツが女を抱くだって?
そんなとこ、1ミリも想像出来ない
アイツの方が女。
誘惑的。
アイツに棒が付いてて男だってことが信じられない
顔を赤らめて媚びてるところしか想像出来ない
分からない。
もしも……
もしもの話。
アイツが俺のことが好きで好きで どうしようもなくなったらどうするんだろう
今の俺みたいに自慰をするのかな
自分の穴に指入れて、妄想して、喘ぐのかな
でも外国人だから案外直球だったりするのかな
フランス人とかよく分かんないけど……
二人きりになって、
アイツが俺の太腿に手を置いて、上目遣いで舌出して。
それで俺のズボン下ろして舐め出して。
…いいなぁ。
アイツはどんな顔してどういう風に媚びて喘ぐんだろう。
「きうのぉ、———がほしぃっ、のっ……」
不意に、指先に力が入る。
貴兎の中にある理性が崩れていく
心臓の脈打ちが馬鹿みたいにデカくなるのがよく分かる
貴兎
貴兎
息が荒い
もどかしくて、頭がどうにかなりそうで、視界が歪む。
貴兎
貴兎
絶頂に近いのか、度々腰が浮いている
貴兎
妄想の中、何度も名前を呼ぶけれど声が喉を掠めるばかりで上手く出ない。
貴兎
衝動が、
貴兎を吞み込んだ。
白い火花が、散った。
浮いていた腰は力尽きてベッドに落ち、ギシと静かに音を立てた
貴兎
やってしまったという罪悪感と、何とも言い難い背徳感。
彼はどちらの感情にも浸っていた
心臓はまだ落ち着いてはおらず脈を強く打っていた
貴兎
彼の右手には火花の跡。
眠気に誘われ、そのまま瞼を閉じてしまった。
アルノー
プールに二人だけ。
貴兎
アルノー
貴兎
貴兎
貴兎
アルノー
アルノー
無邪気な笑い声とピチャピチャと水が跳ねる音。
アルノー
アルノー
アルノーは貴兎の胸に飛び込み、背中に腕を回した
貴兎を見上げる
貴兎
貴兎
アルノー
アルノー
貴兎
貴兎
アルノーは左の人差し指で貴兎の筋肉の割れ目をなぞる
右腕を首に回し、つま先立ちをすると頬を舌で触った
アルノー
貴兎
アルノー
アルノー
アルノー
貴兎
貴兎は優しく微笑んでいたアルノーがいたずらっぽく笑っていることに気が付く
アルノー
アルノー
貴兎のそそり立つそれをアルノーは水着越しにトントンと叩いた
貴兎
貴兎
アルノー
アルノーは触っていた左腕も首に回してしまうと己のそれを貴兎の硬くなっているものに重ねる
貴兎は少し斜めになり、アルノーは遠慮めにのしかかる
腰を前後に動かし、互いのものを擦り付け合う。
アルノー
貴兎
二人透明な水の中。
アルノー
物欲しそうに唇を重ねると舌を滑り込ませる
貴兎は気持ちに答えるようにアルノーの舌に自身の舌を絡ませ、
両手でアルノーの後頭部を包み込んだ
アルノー
彼は瞼を閉じており、貴兎の舌に夢中になっていた
貴兎
貴兎は右腕をアルノーの腰へと回し、優しく支える
貴兎
貴兎
アルノー
アルノー
貴兎
知らぬ間に寝ていたようで、布団が掛けられていた
貴兎
布団が汚れないようにそっと持ち上げると下の方に白い液が付いていた
貴兎
夢は現実の様にまだはっきりと記憶に残っている
…また思い返していると勃ちそうだな
でも、現実でも良かったのに。
貴兎は神様を恨みつつも片付けに勤しむのであった。
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