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ワコは目を覚ました。

ワコ

うっ

ぶらぶらと透明袋が下がっている。

両手は結束バンドで縛られたままだ。

K

目が覚めた?

K

気分はどう

Kは透明袋とチューブを繋げる。

ワコ

頭が

ワコ

はっきりしない……

K

血糖値が下がったんだよ

K

ちゃんと朝ごはん食べなかったせいだ

それ点滴?

Kは手早くワコの腕に点滴針を刺した。

K

ベットを起こしてあげる

ボタンを押すと自動で起き上がる仕組みだ。

K

新しい料理人がくるまで少しの間だ待っていてくれる?

K

それまでは──

K

僕が作ったもので我慢だ

にっこり笑い

ペンネをフォークに突き刺す。

甲斐甲斐しくワコの口に入れてやる。

ワコ

これ……

ワコ

あなたが?

K

うまい?

ワコ

……

K

そうか、うまいか

K

よかった

K

実は作ったと言っても

K

温めただけ

K

本当は

K

知り合いのシェフに頼んだ

K

今日は長丁場の手術を二本もこなしたんだよ

K

だから、とても疲れている

K

でもね

K

ワコの綺麗な顔を見たら

K

疲れもすっ飛んだ

Kは嬉しそうに笑いながら、ペンネを次々ワコの口にはこび入れる。

K

今夜のきみは、さすがに腹が減ったとみえる

ふがいなくも

いつの間にか皿が空になっていた。

ワコはΚから視線を外し横を向いた。

K

恥ずかしくない

K

食欲があることはいいことなんだから

そう言いながら、ストローがさしてあるボトルを口元に差し出した。

K

ミネラルウォーター

K

このペンネ味が濃いからね

K

ちゃんと水分とって

どうせ点滴に

毒薬でも仕込んだのでしょう?

ワコ

どうせ

ワコ

殺すつもりなのに?

K

死ぬ日は

K

ボクが決める

ワコ

それ支配欲?

毒薬じゃないか……

K

人間はね

K

欲の塊なのさ

K

食欲もしかり

K

出世欲もしかり

ワコ

殺人を犯すのも?

K

その欲はむしろ……

K

あれに近い──

ワコ

あれって?

Kはワコを見つめたまま口ごもり

話しをつづけるか躊躇した。

K

いや

K

その先は止めておこう

K

下劣な話になる

決まり悪く笑う。

まさか…性…よく?

まさか殺人と同じ欲……?

Kは食器を片付けている間だ

ずっと黙り込んでいた。

ワコは話題を変えた。

ワコ

医者なった理由は?

K

ない

ワコ

えっ?

K

僕にふさわしい偏差値の大学がたまたま医学部だった

K

ただそれだけ

やはりこの男

相当ゆがんでいる。

ワコ

命を救うのが

ワコ

医者でしょう?

ワコ

志しとかないの?

K

あるよ

K

命を操れる

K

僕の手が生命線だ

K

指先一つで人の生き死にを操れる

K

その悦びを知った時

K

思わず神様に感謝したよ

Kは笑う。

ワコ

狂ってる

ワコ

まさしくサイコパス

見た目は綺麗顔立ち

中身は腐ったリンゴ

K

サイコパスね……
もっと別な言い方ない?

Kは顔を近づけワコを覗きこんだ。

鳥肌が立つ。

ワコ

ペッ

ワコは思いきり唾を吹いた。

Kはほんの少し驚いた顔をした。

K

そんなことくらいで

K

僕が逆上するとでも?

冷たい笑みを浮かべ

頬についた唾をハンカチでぬぐう。

K

常に平常心を失わないから

K

毛細血管だらけの脳を扱えるんだ

K

僕がミスした瞬間に

K

患者は

K

不随になる

K

それに

K

サイコパスはいただけないなぁ

K

ほら他に言い方があるだろう?

K

言ってごらん

Kはそっと額に触れた。

ワコ

知らない!

ワコ

思いつかない!

ワコ

イヤッ

ワコ

もう

ワコ

イヤー

ワコは足をばたつかせ

暴れた。

K

しかたない

K

はしたない真似をしたお仕置きだ

ワコ

早く

ワコ

死なせろ

ワコ

ああああああああ

こいつも、ここも、もうたくさん!

K

僕も本当はこんなこと、したくないんだ

Kは結束バンドを取りだし

両足をベットの手すりに

くくりつける。

K

反省する時間をあげる

K

気持ちを落ち着けて

K

ゆっくり考えること

Kはそう言い残すと部屋を出た。

 

つづく

ワコが死の目前で見たものは

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1話から3話はコンテスト参加の為に、1話分まとめて投稿しています。

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