イシカワ
……イーブンで終わらせる?

ホソヤ
あぁ、そういうことだろ?

ミヤギ
はい、多分それが答えなんです。

ミヤギ
私達がかつてやらされた投票は、2番目に票を集めた人間が、その――殺されるってルールでした。

フワ
……あの事件、そんなにえげつないことをしてたなんて。

全国的には、ただ大勢の犠牲が出たとだけ報じられた事件。
ミヤギ
だから、セイヤ君――イガラシ先生は、2番目が出ないように仕向けたんです。

ミヤギ
それぞれが自分に投票することで、全員が同率で1位になるようにした。

イシカワ
2番目に票を集めた人間が殺されるのなら、2番目に票を集めた人間が出ないようにする――あいつらしい考えだな。

ホソヤ
そして、今回のゲームも同じなんだよ。

ヤナギ
3学年のうち、負けた学年が全滅となるのであれば、負ける学年を出さなければいい――ということですか。

ミヤギ
はい、当初ゲームは何度繰り返してもいいことになっていて、いつ終わらせるかは、こちらで決めることができるようになっていました。

ミヤギ
彼らが互いに意思の疎通できるかどうかは別にして、何度もじゃんけんを繰り返しても、勝ち数を同じにすることは難しくないと思うんです。

フワ
理想だったのは、最初の1発目で【あいこ】になることだった。

ミヤギ
そう、そこでゲームをやめてしまえば、勝ち数は全学年0になるから、負けた学年が皆殺し――というルールも適用されません。

ミヤギ
だって、どの学年もイーブンで負けてないんですから。

ホソヤ
だが、残念ながらルールは【革命軍】によって変更されてしまった。

ヤナギ
現在、1年が1勝、2年が2勝、3年が1勝となっていて、このままだと全滅する学年が出てくる。

イシカワ
最悪なのは、次でも2年が勝つことだな。

イシカワ
そうなってしまうと、1年と3年が負けということになる。

フワ
待ってください。でも、それだと最も負けた学年は確定しませんよね?

フワ
だったら――。

ホソヤ
いや、そうはならない。さっきの【革命軍】の放送を聞いていただろ?

ホソヤ
このままだと1年と3年が全滅って――。

ホソヤ
あくまでも【革命軍】は、全学年がイーブンとならない以上、ゲームを無事に終わらせる気はないらしい。

フワ
でも、そもそもそんなこと可能なんでしょうか?

フワ
うちの学校、小さいかもしれないけど、ひと学年にしたらそれなりの人数になります。

フワ
その生徒達を皆殺しなんて――できるとは思わない。

ミヤギ
実は私もそう思ってます。

ミヤギ
だから、このゲームはあくまでもデモンストレーション。

ミヤギ
最初から【革命軍】は勝つつもりがないとしか考えられません。

ヤナギ
しかし、あちらがどれだけの戦力を有しているかは分かりません。

ヤナギ
馬鹿馬鹿しい話ですが、この学校に爆弾が仕掛けられている――という話だって、あながち嘘だとは言い切れません。

ヤナギ
嘘だという確証がない以上、常に最悪を考えて動いたほうがいいでしょう。

イシカワ
許されたゲームは残り1回。

ミヤギ
今は2年が2勝で、1年と3年が1勝と、追いかける形になってます。

イシカワ
イーブンで終わらせるには、1年と3年が同時に2年に勝つ必要がある。

フワ
それってかなり難しくないですか?

フワ
だって、じゃんけんをしてるのはイガラシ先生だけじゃないんですよ。

ヤナギ
もう完全に運任せってやつですか――。

革命軍
それでは、そろそろ行こうか。

少しの間を置いた後、生徒達の命運を決める最後のひと勝負。
革命軍
じゃんけん――ぽん!

一同はデスクの上にあるノートパソコンのモニターに釘付けになる。