TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

渇愛と純情ー愛の鎖に繋がれてー

一覧ページ

「渇愛と純情ー愛の鎖に繋がれてー」のメインビジュアル

渇愛と純情ー愛の鎖に繋がれてー

22 - 井川あすみ、救出作戦1

♥

52

2020年05月30日

シェアするシェアする
報告する

しばらくして

龍三さん達の電車の時間が迫り

高城所長の車で駅に向かうことになった

三村龍三

すみません……

三村龍三

わざわざ……

高城寛貴(所長)

いえいえ

高城寛貴(所長)

ご足労いただきありがとうございました

三村真美

優真君のこと……よろしくお願いします

沢田マリカ

はい

途端に静まり返る事務所内

彼にどんな言葉をかければいいのか

私が少し迷っていると

芹沢大和

君はこれからどうするんだ?

三村優真

あすみを救い出します

芹沢大和

本気で言ってるのか!?

三村優真

僕は本気です!

沢田マリカ

三村さん……

沢田マリカ

先程もお話しした通り

沢田マリカ

井川さんのご家族は恐らくあなたのことを警戒しています

芹沢大和

我々のような者が関与してるとはとは思ってないだろうけど……

沢田マリカ

もし本当に

沢田マリカ

あなたを守るためにあすみさんが何かしたのなら

芹沢大和

君が乗り込めば確実に警察に通報される

一度は訴えが取り下げられた

でも今度、捕まればもう……

沢田マリカ

家族全員で口裏を合わせてあなたを犯人に仕立てると思います!

三村優真

それでもいいです

三村優真

それでもいいから……行かせてください……

芹沢大和

君はなんでそこまでするんだ!?

三村優真

彼女を……

三村優真

愛しているからです……

ここにいるのはただの誘拐犯ではない

一人の女性を愛し続けるごく普通の青年

これまで彼が歩んだ道は

少々ネジ曲がっていたかもしれない

でこぼこした険しい道だったかもしれない

そんな風にしてしまったのは

彼を捨てた母親と

彼よりも新しい妻を選んだ父親

彼はただ純粋に

愛を貫こうとしているだけ

その愛が

ほんの少しいびつな形をしているだけなのだ

三村優真

お願いします!

沢田マリカ

三村さん……

芹沢大和

どうしても行きたいのか?

三村優真

助けたいんです……あすみを……

芹沢さんは少し考えた後

時計を確認しつつ向かいの席に腰かける

何を考えているのだろうか?

芹沢大和

はぁ……

三村優真

お願いします!

芹沢大和

我々は君のお祖父さんとお嫁さんから

芹沢大和

君のことをよろしく頼むと言われた

芹沢大和

もし君が捕まれば

芹沢大和

お祖父さん達に顔向けできなくなる

芹沢大和

協力した我々もどうなるか……

真剣な彼の眼差しと

同じくらい真剣な先輩の眼差し

その二つがぶつかり合うように

二人はじっと見つめ合っているように見える

高城寛貴(所長)

私が責任を取りましょう

突然の声に振り返ると

沢田マリカ

所長!?

お祖父さん達を送って戻ってきた所長の姿が

沢田マリカ

責任って……

高城寛貴(所長)

虐待はただの暴力とは違います

高城寛貴(所長)

行き過ぎれば命の危険も伴う……

高城寛貴(所長)

もし本当に、被害者が虐待を受けているならば保護しなければ

沢田マリカ

でも、私達は管轄外ですし……

沢田マリカ

警察か児童相談所に……

芹沢大和

いや、母親が言葉巧みに言い含めていたら……

芹沢大和

警察も児童相談所も動かないだろう……

芹沢さんが調べた情報によれば

警察も児童相談所の職員も

母親からPTSDだとされる診断書を見せられ

井川かすみ

娘は人と話せる状態じゃないんです

井川かすみ

面会はさせられません

そう言われるだけで

まだ誰も彼女の姿を見ていなかった

渇愛と純情ー愛の鎖に繋がれてー

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

52

コメント

2

ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚