コメント
13件
めっちゃいいお話ですね...✨️ すごい純粋な恋のお話で感動みのあるお話でした! 短編でも最高🥰
素敵なお話をありがとうございます!通知あった時に、びっくりして、めっちゃテンション上がりましたw「リーベ」の意味とか、ちゃんと考えられてて流石って感じです!
クロノア
2月
まだまだ肌を凍らせる寒さに見舞われていた
俺の住むところにはなかなか雪が積もらない
しかしこの間、珍しく雪が降り注ぎ辺りを白く埋め尽くされた
そんな中、俺は家へ帰宅をしていた
少しづつ溶けてはいるが、まだまだ白い
クロノア
クロノア
正直雪は大変だ
大人になった今、幼き頃の雪への感激と興奮を忘れ、現実への不憫さをひしひしと感じていた
その時、
チリン……
クロノア
ふと、枯れかけた木のそばでベルの音が聞こえた
辺りに人影は無い
クロノア
とても優しく、この寒波さえも暖かく包み込むような音色だった
自分の幻聴か、そう思いこの場を後にした
次の日
あの音色が気になりまた外へ出た
相変わらずまだ雪が積もっている
クロノア
もう一度聞くべく、耳を澄ませて目を瞑る
チリン……
クロノア
聞こえた
昨日よりも音が大きい
なんだ…
周りを見渡したら、そこには一輪の花が咲いていた
それは白くベルのような形をしていて、とても愛らしい花だった
クロノア
おもわずその花に手を触れて優しく撫でた
こんなに雪なのに美しく咲いている
まるで「もうすぐ春だよ」と伝えてくれているよう
そのまた次の日
だんだんと雪が解けてきた
もう一度聞きたい
クロノア
チリン…
クロノア
また大きくなっている
何が起こってるんだろう
今日もその花は綺麗に咲いていた
クロノア
俺は怖くなり、撮影終わりにみんなにそのことを話してみた
ぺいんと
クロノア
しにがみ
しにがみ
クロノア
ぺいんと
クロノア
トラゾー
トラゾー
クロノア
ぺいんと
トラゾー
トラゾー
トラゾー
トラゾー
それだ
全く同じ花だ
スノードロップっていうのか
しにがみ
トラゾー
ぺいんと
しにがみ
ぺいんと
クロノア
結局謎は分からないまま終わった
スノードロップ…
ドイツに咲く花なのに、あの場所に一輪咲いていた
どういうことだ……?
なんとなく嫌な雰囲気の為あの道は通らず、違う道を通り帰宅していた
もう雪も溶けてきた
しかし相変わらず寒い
クロノア
そう思い足を早めた時
チリン…
クロノア
鳴った
なんだ…いつもとは少し違う
気配がする
人か…?いや、違うか…?
なんの気配だか分からない
恐る恐る後ろを振り返る
クロノア
そこには女性が立っていた
とても綺麗で、美しかった
あどけない表情、透き通った瞳、光る白銀の髪、雪のように真っ白な肌
手には花を持っていた
?「初めまして」
クロノア
?「大丈夫…?」
クロノア
あまりの美しさに気が動転していた
クロノア
?「驚いちゃったかな…?」
クロノア
そんな俺を見て優しく微笑んだ
?「私、リーベって言います」
クロノア
リーベ
クロノア
リーベと名乗るその女性は、どことなく不思議な雰囲気だった
リーベ
クロノア
リーベ
リーベ
とても素敵な笑顔
まるで花が開花したかのような
クロノア
リーベ
そう言うと、リーベの目に光が灯ったような気がした
もともと透き通った瞳がもっと煌びやかに、宝石のように見えた
リーベ
クロノア
さっきも言ったけどな…
もたもたしていたら顔を近づけてきた
クロノア
リーベ
近づいたリーベからは、優しい花の香りがした
近くで見れば見るほどより美しい
クロノア
リーベ
クロノア
リーベ
リーベ
リーベ
本人も無意識だったらしい
リーベ
クロノア
雪の積もっていない場所を選び、少し話をした
そのうちに、少しづつ彼女を知っていった
クロノア
リーベ
リーベ
クロノア
しかし知れた部分はほんの少し。ほぼ謎に包まれていた
クロノア
クロノア
リーベ
俺はあのベルの音…スノードロップについて話をしようと思った
クロノア
クロノア
クロノア
クロノア
クロノア
クロノア
クロノア
クロノア
リーベ
クロノア
クロノア
リーベ
リーベ
クロノア
何故か喜んでいる
喜ぶようなことしたかな
リーベ
リーベ
リーベ
リーベ
クロノア
あの場所に咲いていた花は待雪草ということか…?
リーベ
リーベ
リーベ
クロノア
とても楽しそうにスノードロップについて教えてくれた
そんなリーベを見ていたら、俺の悩みなんてどうでも良く思えてきた
クロノア
リーベ
クロノア
クロノア
クロノア
リーベ
楽しそうに話すリーベを俺はもっと見ていたかった
この出会いをきっかけに、俺とリーベは毎日この場所で会っていた
しかしリーベは突然姿を現す
その度に毎回驚かされていた
クロノア
クロノア
チリン…
リーベ
クロノア
リーベはいつもベルの音と共に俺の前に現れた
それは偶然なのか必然なのかは分からない
クロノア
リーベ
クロノア
クロノア
クロノア
リーベ
クロノア
リーベ
なんだろう。この意味ありげな質問は
直感的に答えてはいけない気がする
クロノア
でも、リーベの前では取り繕いたくはない
たとえ俺の答えが間違いだったとしても、本当のことを言いたい
クロノア
クロノア
クロノア
クロノア
クロノア
本心だ
この季節が好きだ
この答えは、リーベにとって正解なのか、外れなのかは分からない
だけど、これは俺の本心
有無を言われるのは覚悟の上
リーベ
クロノア
リーベ
クロノア
リーベ
しにがみ
遠くから声がした
あぁ、俺がこんなところで女性と話をしてたら、きっと冷やかされるだろうな
しかしそれもリーベとなれば嫌とは思わなかった
トラゾー
クロノア
クロノア
ぺいんと
クロノア
クロノア
いない
さっきまですぐ隣にいたリーベがいない
ぺいんと
クロノア
ぺいんと
クロノア
ぺいんと
クロノア
だとしたら、全て俺の幻覚…?
そんな事ない、鮮明に覚えている
ぺいんと
あの日を境に、毎日あっていたリーベとは会う頻度が減った
単純に寂しくて、悲しかった
毎日会いたかった
そう、きっと俺はリーベに好意を抱いていたんだろう
会いたいから俺は毎日この場所へ来た
会えずに終わることもザラだった
それでも僅かな希望を抱いて毎日ここへ足を運んだ
今日こそは…今日こそは…と、根気強く願った
クロノア
かれこれもう会わずに3月半ばへと差し掛かる頃だった
春も本番に近い
クロノア
そう思い立ち上がった
チリン…
クロノア
鳴った
この音…この音をずっと聞きたかった
このベルがなればリーベが来るという勝手な固定概念だが、少し光が見えた
リーベ…来てくれるか…?
リーベ
クロノア
リーベ
クロノア
どうして来れなかったんだろう
その疑問は問わない方がいいと思った
クロノア
リーベ
クロノア
リーベ
リーベ
そういうと少し切ない表情を見せた
リーベ
クロノア
リーベ
そう言って差し出されたのはスノードロップだった
クロノア
クロノア
リーベ
クロノア
とても立派なスノードロップだった
元気に咲いている
リーベ
クロノア
急に体の力が抜け、俺に体制を預けてきた
クロノア
リーベ
寂しそうな笑顔を浮かべてそう言う
どういうことだと考えていると、リーベの姿がだんだんと透明になっていっているのが分かった
クロノア
リーベ
咲いた……?
リーベ
リーベ
リーベ
リーベ
リーベ
リーベ
もう分かった
これがどういうことか
リーベの正体が。
クロノア
リーベ
リーベ
クロノア
クロノア
リーベ
リーベ
イタズラな笑顔を向けて俺にそう言った
リーベ
嫌だ。嫌だよリーベ
まだまだ聞きたいことが沢山あるのに
もっと、もっとお話したかったのに
リーベ
リーベ
リーベ
クロノア
リーベ
確かにそうだ
俺と同じ青色
リーベ
リーベ
リーベ
リーベ
クロノア
クロノア
クロノア
クロノア
クロノア
リーベ
もうあと少しだろう
リーベの体が消えかかっていた
リーベ
リーベ
クロノア
リーベ
クロノア
リーベ
リーベ
リーベ
リーベ
クロノア
リーベ
クロノア
クロノア
クロノア
クロノア
クロノア
クロノア
リーベ
クロノア
そう言ってはにかんだ
リーベは気持ちを伝えたんだ
俺も…俺も言わなくちゃ
クロノア
クロノア
リーベ
クロノア
リーベ
リーベ
俺の腕に横たわった体を、最後の力を振り絞って起き上げてきた
なにをするつもりだ…?
考える時間もつかの間
気がついた時には俺の目の前にはリーベの顔があった
リーベ
クロノア
優しくキスを残した
突然の事だった
リーベ
クロノア
リーベ
リーベ
クロノア
リーベ
俺だってやる時はやる
このまま終わってはいけない気がしたんだ
リーベ
クロノア
リーベ
クロノア
クロノア
リーベ
リーベ
クロノア
満開の笑顔で俺の腕から姿を消した
この場所にはもう俺のみとなった
残ったのは、俺の手に残るリーベの感触と花の香りだった
やがて春も本番となった
周りには様々な色の花々が笑顔に咲いていた
そんな日はリーベを思い出す
クロノア
チリン…
クロノア
スノードロップの季節はとっくに終わった
初めてリーベと出会った場所、初めてスノードロップを見た場所へも戻ったが、花の姿はリーベと共に消えていた
なのになぜ……?
クロノア
音のやる方へ視線を向けた
その先には、青く美しい花が咲いていた
クロノア
クロノア
優しく撫でた
今度は暖かかった
リーベは生まれ変わって、この世界に春を届けてくれたんだ
きっと四季折々の世界なら、リーベは色んな姿に変化できる
風が俺の頬を優しく撫でた
愛情はどんな肥料よりも効果がある
愛情はいちばんの栄養であろう
俺の中でリーベの音色は生き続ける
次はいつ会えるだろうか
いや、もう逢っているのかもしれないな
──私は貴方を愛しています。
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと