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赤 side
途中で借りた馬を走らせ
国中を駆け回って
最後に辿り着いた場所
シクスフォニアで、政治が行き届いていない忘れ去られた場所
そこに、こさめはいた
コサメ
ナツ
傷だらけだ
こんなになるまで、助けられなかった
悔しさで剣を握る手に力が籠る
怒りで、感情が震え上がる
剣を持っていない方の手で
背中に回されたその小さな手を握ると
コサメ
こさめはこんな状況だというのに
幸せそうに笑った
ナツ
そんな思考を片隅に
俺は…大勢いる集団に向き合う
ナツ
モブ
モブ
ナツ
モブ
モブ
ナツ
こさめが最下級層だった?
だって今…中級妃だろ
限りなく上に近い身分だ
なのに…1番下から成り上がった
コサメ
ナツ
そうして気づく
ナツ
怯えるように小さな手は震えていた
ナツ
俺が反抗しようと声を出そうとすると
その声に被さるように響いたのは、低い声だった
リト
リト
リト
その声は、紛れもなくこさめ向けて発される
そしてその瞬間
全てのことに、筋が通った気がした
コサメ
コサメ
コサメ
彼女が身分差を嫌う理由
姫らしくいるのを好まない理由
コサメ
コサメ
透き通る声は、淡々と語り出した
水 side
こさめの生まれは、最下級層
シクスフォニアで1番身分の低い、忘れ去られた人たちだった
ボロボロの服
ご飯なんて…食べれないのが当たり前で
モブ
モブ
1個上の階級の
少しだけ貧乏な庶民にさえそう言われるのも、日常茶飯事だった
だから好きになれなかったんだぁ…身分差
リト
コサメ
そんな辛くて仕方がない中でも
ほんの少しだけ望みがあって
それは…他の最下級層の子たちよりは、身体が丈夫だったこと
遺伝子的なものだったのかな?
わからないけど…こさめと、同い年のりとは動けるくらいには元気だったから
いつも2人で手を繋いで歩いて、食べ物を調達しにいってた
7年前…こさめが、10歳の時
ある日にね
幸運なことに食べ物が数日分手に入ったから
身体の調子が、凄く良い日があったの
こさめはみんなのために
もっと、もっと…食べ物を集めようと思って
遠くに見える奏桜を目印に、ひたすら歩いた
庶民の街を歩くと、ギョッとしたようにみんな怯えて
臭いだの…汚いだの、嫌な言葉を沢山投げつけられた
それでも諦めずに歩き続けたんだけど
…やっぱり体力が有り余ってるわけでもなかったから
やっと着いたお城の格子の前
庭が見えるところで…こさめは倒れた
最後に見えたのは、初めて見るお姫様たちの姿
綺麗なドレスを着て…上品に微笑んでいて、すっごく羨ましかった
普通なら、城の前まで来た最下級層なんて処刑されて終わり
そのはずだったのに…
気づいたら、ふかふかのベットの上にいた
こさめの身なりは整えられていて
高価な服を着させられていた
そこで入ってきた人は静かに告げる
上級妃
コサメ
上級妃
上級妃
コサメ
上級妃
上級妃
今日から貴女は、雨麗妃です
赤 side
コサメ
コサメ
コサメ
コサメ
コサメ
コサメ
コサメ
コサメ
ナツ
息が詰まる
こさめにずっと罪の意識をなすりつける
あまりにも残酷な過去に
コサメ
コサメ
コサメ
コサメ
コサメ
コサメ
辺りに、沈黙が訪れる
全員の視線が、こさめに向いていた
コサメ
コサメ
自虐的に
無理やり笑うその姿は…痛々しいのに
否定できないほどに、綺麗だった