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山畑 芽衣
「枯れちゃった」
どうか、枯れないようにと願っていた。
でも、願っても…忙しくて何もしてあげられなかったのだから、枯れるのも当然。
学校から貰った花。 それは当時、芽衣が中学の卒業式の終わった後に贈られるガーベラの花。
美しい桃色の花弁…
そして、瞳のように真っ直ぐな頭状花。
──でも、それを枯らしてしまった。
「せめて水でもあげればよかった」と、今更ながら思っている。
でも、もう遅い。 焦げたような茶の色が目立つ。
枯らしてしまったことで、罪を重く感じてきていた芽衣だった。
ある高校一年生の時。
芽衣は、ガーベラの花を枯らしてしまった罪悪感を引きずりながら、高校生活を過ごしていた。
山畑 芽衣
クラスの男子
クラスの男子
クラスの男子
暇さえあれば、苗字をバカにする人が前の席にいた。
山畑 芽衣
クラスの男子
クラスの男子
山畑 芽衣
クラスの男子
笑いながら、顔を覗きながら、しつこくて…こっちの気持ちもお構い無し。
アニメキャラクターと同じ苗字だからって、そのキャラ名で呼んでくるのも…真似してよって言われるのも…
全部嫌い。
芽衣は、女の子には一回もいじわるをされたことなく、男子にだけいじわるをされてきたことが多かった。
前は、純粋のまま、男の子に恋を寄せていたことがあった。
それなのに、あの出来事をきっかけに異性への苦手意識を持つように。
「恋愛として、異性を見たくない」
そんな芽衣の心に、次第に芽生えっていったのは──
男子じゃなく、女子への“想い”だった。
小田 菜々
小田 菜々
小田 菜々
山畑 芽衣
小田 菜々
山畑 芽衣
小田 菜々
少しずつ、距離が近い気がした。
山畑 芽衣
胸が、何故かドキドキする。
小田 菜々
山畑 芽衣
小田 菜々
山畑 芽衣
山畑 芽衣
小田 菜々
山畑 芽衣
「ガチ恋…か」
芽衣は女子にだけ、近づかれたりされると異様に、ドキドキをしてしまう。
他にも、肩を触られたりとか、手繋ぐ時もそう。
何もかも…あの男子のせいで変わった。
「変わりたくなかった」
本当なら普通にだめなんだ。 女の子に恋をするなどもそう、ドキドキするのもそう…本来は、異性に向ける感情なのに…
「友達を変な目で見てたりしたらどうしよう」と、不安と焦りが入り混じって、ぐちゃぐちゃになりそうだ。
どうにか…しないと。
…そんな芽衣には、
かつて「漫画家になりたい」という夢があった。
山畑 芽衣
しかし
…そんなことも束の間。
芽衣の同級生“森内咲”は、一味違った。
山畑 芽衣
一目見ただけで、彼女の絵に心惹かれてしまった芽衣。
三次元のようなリアルの絵柄、そして…海外の絵柄でもある。 とても、魅力的だった。
人物画コンクールでも、金賞を獲るくらいに、彼女の絵はすごかった。
だからか、芽衣は、咲のことを尊敬していた。
だが…
「咲の絵は独学なはず。…私も独学!なのに、なんでこんなにも差が?」
周りは、咲の絵に夢中。芽衣の絵も目をくれる人はいるが、完璧に咲の絵には離れない。
すると、芽衣は徐々に…
尊敬から、嫉妬へ変わっていった。
「悔しい」
そんな気持ちがあった。 でも、
山畑 芽衣
森内 咲
「すごい!」そんな気持ちもあって、でも…羨む気持ちの方が多くて…
森内 咲
「まだまだ」そんな言葉は、芽衣には気に食わなかった。
「咲の絵が『まだまだ』と言うものならば、私の絵はなんなんだろう?」
山畑 芽衣
「もう、いいや」
すると、日が経つにつれて、段々と芽衣は絵への自信がなくなり、
“挫折”という結果になり、軽々と“漫画家”という純粋な夢を、この手で手放してしまった。
だからといい、絵を描くことはやめていない。 ただの“趣味”として、描き続けている。 だって、部活だって美術部。描かないといけない。 …咲は、夢へと向かっているけれど。
山畑 芽衣
未来を失いかけた彼女は、
自分が何を望むのかさえ分からなくなっていた。
あっという間に一年が経ち、芽衣は高校二年生になっていた。
将来の夢についてで悩みを抱えたまま帰宅途中の芽衣は、
スーパーの隣に小さな花屋があることに気づく。
山畑 芽衣
山畑 芽衣
芽衣は、気になって花屋のところへ向かってみると、
外には、ざらりと花が揃っていた。
山畑 芽衣
山畑 芽衣
その時、芽衣の視界に入ったのは、
キク科の花。
それは、“桃色のガーベラ”だった。
ガーベラは、まるで瞳みたいに芽衣を見つめて、「大丈夫だよ」と言っているようなだった。
子供が見るような、そんな瞳みたいに見つめるガーベラは、可愛くて、美しくて…でも、どこか儚げがあった。
芽衣は…そんなガーベラの姿に、見惚れてしまっていた。
すると、奥から花屋の店長らしき人物が、気になって出てくる。
植村 風華
植村 風華
植村 風華
山畑 芽衣
植村 風華
山畑 芽衣
芽衣は夢中になって、ガーベラを見つめている
植村 風華
と言うと、芽衣は 昔に枯らしてしまったこと、 先程のガーベラを見て見惚れてしまったことを思い出しながら言う
山畑 芽衣
植村 風華
植村 風華
ガーベラをとって、芽衣へ丁寧に渡す。
山畑 芽衣
そんな言葉を聞いた店長は、優しく、丁寧に言い出す
植村 風華
植村 風華
植村 風華
植村 風華
植村 風華
山畑 芽衣
植村 風華
植村 風華
植村 風華
植村 風華
植村 風華
山畑 芽衣
植村 風華
植村 風華
植村 風華
植村 風華
植村 風華
そして、ニッコリと微笑む
植村 風華
山畑 芽衣
すると、芽衣は目を輝かせて言う
山畑 芽衣
山畑 芽衣
植村 風華
山畑 芽衣
山畑 芽衣
植村 風華
植村 風華
植村 風華
山畑 芽衣
植村 風華
風華の優しさに触れ、芽衣の胸には新たな恋と、花への興味が芽吹いていく。
芽衣は、「また訪れたい」と願うその花屋で、芽衣は少しずつ、
自分自身の恋と未来を見つけていく──
コメント
14件
風華さんがいい人すぎて天に召されそう......... 年上の優しいお姉さんとかもう恋しちゃうのもわかるわ......
きたー!植村さんの対応が女神様すぎて花を添えたくなった
わ〜!!!!!好きぃ〜!!!!! エピが神だからかすげえ、、!