中学の卒業式で贈られたガーベラを枯らしてしまった山畑芽衣は、その罪悪感を胸に抱きながら高校生活を送っていた。男子への淡い恋心を知る間もなく、ある出来事をきっかけに異性への苦手意識を持つようになる。そんな芽衣の心に、次第に芽生えていったのは――女子への想い。
さらに芽衣には、かつて「漫画家になりたい」という夢があった。しかし高校一年の時、圧倒的な才能を持つ同級生に出会い、尊敬と嫉妬が入り混じる中で挫折し、その夢を手放してしまう。未来を見失いかけた彼女は、自分が何を望むのかさえ分からなくなっていた。
高校二年のある日、悩みを抱えたまま帰宅途中の芽衣は、ふと立ち寄った花屋で運命のようにガーベラと再会する。
「ガーベラの花言葉は“前向き”」
そう語りかけるように微笑んだ店長・植村風華の優しさに触れ、芽衣の胸には新たな恋と、花への興味が芽吹いていく。
再び訪れたいと願うその花屋で、芽衣は少しずつ、自分自身の恋と未来を見つけていく――。