担任
担任
クラス中が一気にざわめく。
あーうるさい。
何が華の高校生活だ。
つかまた女の担任かよ。露出多すぎんだろ。
夏夜
私は沢木夏夜。
色々秘密があるだけのただの中学生。 いや、今日から高校生か。
昔から虚ろな目をしている私に友達はいなかった。
初めは寂しかったんだっけ。昔のことすぎて忘れちゃったけど。
どうもこの三白眼は受けが悪くってね。
目を見開くと四白眼になるなんとも小さな黒目である。
髪は昔は結んでいた。
けど、今は髪の毛は伸びすぎてしまって。 もう腰付近で揺らめいてる。
世間は平等平等と言い聞かせるも、全然平等じゃない。そんなことはみんな、誰しもが分かっているのだ。
神様は平等じゃない。
私に親はいない。昔はいた。
でも愛情がなかった。
夏夜
この名前が物語っている。
夏の夜に生まれたから夏夜らしい。昔親がこそっと言っていた。
名前なんてどうでも良かったらしい。私の名前に意味なんてない。
私には姉がいた。生きていたら今二十歳になる姉だ。
そう。生きていたらだ。
親は昔から姉と私との態度が違った。
親は私が欲しくなかったらしい。
ならヤらなきゃいいのに。
私は親と姉が憎くて憎くて憎くて憎くて…。
12歳の夏だったか、秋だったか。
殺した。刺殺した。
殺した瞬間から、私は
感情が無くなった。
親と姉を殺した後、私は笑ってない。泣いてもいない。
辛くも悲しくも寂しくも、後悔すらしない私に我ながら嫌気がほんの少しだけ差す。
死体は家に置いて私は家を出た。あれから家には帰っていない。
私は夜の仕事を初めた。金がないからだ。
髪を伸ばしている理由はキスマークをバレないようにするためだ。
ゴムありで20000万円。毎日食う分は稼いでいた。
私は一生懸命演技した。元々演技とは無縁の癖に、感情もないのに。
笑わない私でもおっさん達は満足そうな顔して帰っていく。
別にそれでもいいと思う。妻にバレて大喧嘩になっても、離婚しても、子供に嫌われても、それは自業自得である。
まだ住む家は決まっていない。
でも大丈夫。私に家は必要ない。
私は夜になるとカラスに化ける。
仕組みは知らない。でも、ある日突然カラスに化けた。
夜の街はわざとらしく光る。
子供は綺麗と笑う。この光が残業でできているとも知らずに。
Aちゃん
Aちゃん
はい来た。友達勧誘。
でもこれは形だけの友達である。
入学当時は知っている人がいないからとりあえず隣のやつと友達になっておいて、もっと楽しい子が出来たら捨てるということだ。
夏夜
Aちゃん
夏夜
正直こんなことするの面倒臭い。
今日はカラスになろうかな。それとも金稼ぎに行こうかな。
こんなことばかり考えていたらそろそろ始業のチャイムが鳴る頃だった。
コメント
2件
初コメ失礼しますっ! 蒼さんの物語はすごく不思議で、自分も共感できる部分などがあって凄く面白いです!! 出来れば、フォローしたいんですが、いいですか?