テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
唇にグラスを傾け、水が喉元を通り過ぎると、ようやく落ち着いた。 水は思っていたより冷たくて、前歯にキーンと沁みる。
hr
小さく息を吐くと、カウンター越しにじゃぱぱがちらっとこちらを見た。
jp
hr
jp
彼が軽く笑うのを、隣に腰掛けたうりが一瞥し、またヒロに視線を戻した。頬杖をつきながら、じーっとこちらを見つめている。 無遠慮な視線に、ヒロは少しそわそわした。
ur
いきなり名前を呼ばれ、僅かに肩が揺れる。
hr
ur
確かに、ヒロは敬語に慣れていなかった。 家のルールで部活にも入れず、バイトもできなかったせいで、年上の存在が身近にいなかったからだ。
hr
ur
その軽い言い方は、押し付ける感じじゃないのに、なぜか断りにくかった。 ヒロは少し考え込み、迷ってから頷いた。
hr
うりが満足気に笑う。
ur
その様子を見ていたじゃぱぱが、呆れたようにため息をついた。
jp
ur
jp
うりの煽る態度も、じゃぱぱの噛み付くような言い方も、どこか慣れているように見えた。 ヒロはその軽い言い合いを見て、肩の力が抜けるのを感じた。
hr
ふと、口を開く。 二人が喧嘩を辞め、こちらを向いた。
hr
じゃぱぱが僅かに眉尻を上げた。
jp
hr
言葉を探す。 正直に言っても、いいのだろうか。迷ったが、他に言い方が思いつかなかった。
hr
小さく言う。 一瞬、その場の空気が固まった。 夏目がかける言葉を探すように言い淀み、だけどすぐに軽く息を吐く。
jp
責めるでもなく、深く聞くわけでもなく。 近いのに、どこか遠いその距離感が、今はありがたい。
jp
じゃぱぱが腕を組んだ。
jp
現実的な言葉だった。それを直視するだけで、おもしが乗ったように、胸が苦しくなる。 だけど、ヒロは小さく頷いた。
hr
その時だった。
ur
軽い声が入る。うりだった。
ur
jp
じゃぱぱがすぐに反応する。有り得ないとでも言うように、眉間に深い皺が寄っていた。
jp
ur
うりはヒロの方を見る。 どうしてだろう。この人はいつも楽しそうな顔をする。
ur
jp
じゃぱぱが即座に反対する。ヒロの頭は、ようやくうりが何を言いたいのかを理解してきたところだった。
jp
ur
慌てるじゃぱぱを、うりが気に止める様子はなかった。
ur
いきなり話を振られたヒロは、驚いて言葉に詰まった。 できるかと聞かれれば、じゃぱぱには申し訳ないが、肯定するしかない。
hr
うりが嬉しそうに笑った。じゃぱぱの方を向いて、得意気に口角をあげてみせる。 じゃぱぱはあんぐりと口を開けていた。
ur
jp
じゃぱぱが頭を抱える。
hr
ヒロはじゃぱぱに同情した。
jp
ふいに、じゃぱぱが声のトーンを落として言う。
jp
その声に、ヒロはしっかりと頷いた。
hr
じゃぱぱが見定めるようにヒロを見て、それから小さく息を吐いた。
jp
ur
うりが小さく握りこぶしを作り、ガッツポーズをしてみせる。 その顔を、じゃぱぱがじとっと睨んだ。
jp
ur
hr
jp
じゃぱぱは物凄く嫌そうな顔をしていた。
じゃぱぱの言った通り、最初は本当に簡単なことだけだった。 空いたグラスを下げる。 テーブルを濡れた布巾で拭く。
jp
hr
jp
じゃぱぱが柔らかく笑う。
jp
hr
飲食店でのバイト経験がないヒロは、始めはあちこちを効率悪くぎくしゃくと回り、閉店の頃にはへとへとになっていた。 だけど、思っていたよりも全然嫌じゃない。 むしろ____
jp
そう言われる度に、胸が軽くなる。誰かの役に立っているという感覚は、久しぶりだった。 ふと、カウンターの方を見る。 うりがこちらを見ていた。目が合うと、彼が手を振ってくれる。
ur
口の形だけでそう言われる。ヒロは照れくさくなって、視線を逸らした。 でも、悪い気はしなかった。